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社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

東野圭吾『卒業 雪月下殺人ゲーム』

2008-10-01 08:32:53 | 趣味(読書)

今回も前回東野圭吾『探偵ガリレオ』に続き東野圭吾氏の作品紹介である。今回の作品は氏の作品でも初期の物で、江戸川乱歩賞受賞作『放課後』に続いて出版された物であり、ミステリー推理小説物である。

氏の作品ではかなり暗い作品が多いが、この作品はテレビドラマとしても放送できる作品ではないか思う。一方でかなり後味は悪いが、それはこの手の作品の常であると考える。

主人公加賀恭一郎の推理が光るが、結局真実を暴くと言う事は、真の友人関係が存在しない事を意味し、みんなが不幸になると言う結果をもたらすと言う事なのかも知れない。信じていた分、裏切られた時の悲しさや、怒りは破滅へと向かうのかも知れない。


卒業A.jpg書籍名:『卒業 雪月下殺人ゲーム』
発行所:株式会社 講談社
発 行:昭和61年5月20日初版発行
定 価:1000円
頁 数:縦1段組み319ページbr>


<書籍カバーの作品紹介>

江戸川乱歩賞受賞作第一作
受賞作『放課後』につづく迫力編!書下ろし本格青春推理
大学卒業まであた5ヶ月。男子禁制のアパートで突然起こった、女子大生密室怪死事件!さわやかな大学生・加賀恭一郎の名推理



大学4年の秋。就職、恋愛に楽しく忙しい仲良し7人組。その中の一人、祥子がアパートの自室で死んだ。
部屋は密室。自殺か、他殺か!?残された赤い日記帳を手掛りに、死の謎を追求する友人達。

だが、第二の全く異常な事件が起こって・・・・・・。錯綜する謎に挑戦する、心やさしき大学生・加賀恭一郎。卓抜な着想と緊密な構成で、現代大学生のフィーリングを見事に描いた、挑戦ミステリーの傑作。


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加賀恭一郎相原沙都子藤堂正彦とその恋人の牧村祥子金井波香、テニス部で恋人でもある若生勇伊沢華江は高校からの友人であり、国立T大の4年生であった。
沙都子と波香は高校は茶道部でもあり、且つ剣道もやっていた。波香と加賀は剣道の実力者でもあり、大学最後の剣道の大会に懸けており一方若生と華江はテニスのペアに懸けていた。
祥子と波香は同じアパート「白鷺荘」に住んであり、そのアパートは国立T大の女性のみで管理人が厳しいアパートであった。

学生剣道個人選手権予選で、本命の波香は三島(財閥)グループのお嬢さんである三島亮子に決勝戦で敗れる。前評判や専門家の意見では、圧倒的に波香が有利で、勝った三島亮子を不思議がられていた。途中から明らかに波香の様子がおかしくなり八百長の様だったと・・・。
加賀は、予選を勝ち抜き、且つその年の学生チャンピョンになる。

その後、友人達の一人祥子が「白鷺荘」で亡くなるが、完全な密室であり、自殺か他殺か?警察も判断に迷う。波香や祥子は、その原因を突き止めようと祥子の日記帳を下に調査するが、原因はつかめない中、今度は高校の茶道の恩師である南沢雅子の誕生日を祝う為の茶道会のゲーム「雪月下之式」を皆で行っている中で、波香が亡くなる。これも自殺なのか?他殺なのか?その理由や犯行動機が分からない。

誰もが、波香が自殺をするとは考えていなかった。ではだれが犯人なのか?もし他殺であれば、犯人は、剣道の練習でいなかった加賀を除く、藤堂、沙都子、若生、華江と先生しかいない。しかし雪月下之式では、特定の人間を狙って殺す事等はできない。但し、波香の部屋の化粧品のビンから昔農薬で使用されていた毒が見つかるが死亡した原因は青酸カリであった。

加賀の父親は刑事で、置手紙で相談すると、父からのアドバイスで、昔雪月下札を操る事(トリック)で遊んだメモを残す。加賀は、そのトリックの可能性を考え、雪月下式の札の確認の為に高校の茶道部に沙都子と行きが、何と事件の前に茶道部の窓ガラスが割られ、雪月下式の札が泣くなっていた。加賀恭一郎は、月下式のトリックを推理し、且つ、藤堂と同じ研究室の金属工学科の寺塚と話すると事で、推理をほぼ完成させる。

密室と思われた「白鷺荘」の裏の鍵を、形状記憶合金の鍵にしておき、ライターで熱する事で簡単に開けて入る事ができる様に藤堂はしていた。祥子は最初は自分で自殺していたが、すぐ対処すれば助かったかもしれないが、藤堂は、自分の恋人が過ちであっても他の男に抱かれた事が結局は許せなかった。この鍵の事をしていた波香はすぐ犯人が藤堂と気づき、藤堂は全てを彼女に告白すると同時に、波香が三島亮子に負けた理由(薬を飲ませた犯人)を告げる。波香は豹変し、その犯人若生か華江のどちらかに砒素を飲ませる事を計画し、藤堂に協力を強制した。逆にこれを利用して、藤堂は波香を殺す事にした。

若生の兄は学生運動の闘士であった事から、華江との結婚の為に、就職を気にしていた。これを心配した華江が三島亮子に取り入り、三島の口利きで、系列の大手に採用が決まったが決まった事になっていた。その代わり、三島の要求で、華江が波香に薬を飲ませた(加賀は若生と推理したが)のが事実であった。

藤堂は、厳格な家庭と大学の教授の為に、自分の人生を狂わしたくなかった。12月31日の晩に、父親の車で海に飛び込む。
若生は、決まっていた就職を断わり、華江との結婚を諦め、兄の進める中小の会社に勤める事を決め、一人さびしくアパートを去ろうとする。




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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (藍色)
2010-04-28 18:15:03
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
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東野圭吾 (stardust979)
2010-07-30 12:02:57
この本を読んでいましたが、最後ちょっとわからなくて、これを読んでやっとわかりました。ありがとう!
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