松岡圭祐の世界その23『千里眼 堕天使のメモリー』に続き、千里眼新シリーズの第7(8)弾です。
松岡圭祐の世界その23『千里眼 堕天使のメモリー』の最後に隠蔽された、死にたくなる程の岬の隠蔽された記憶とは何なのか? これが、この第7(8)弾の今回の『千里眼 美由紀の正体』で美由紀の真実の過去と、それゆえに自衛隊で卓越した才能を開花させる事ができた事、一方で今は亡き千里眼友理佐知子により、過去の4歳までの記憶とそれ以降の記憶も隠蔽された事により、新たな臨床心理士として生きられるようになった過去がこの上下巻で明らかにある。旧シリーズでは、ズット美由紀の過去には触れられなかった事が、新しいシリーズで、語られる事になる。つまり、岬美由紀は、岬家の子供ではなく、両親の存在も知らず、物心付いた時には人身売買組織から、売られ、幼女売買で性的搾取される生き地獄の中にいた事が明らかになる。しかもそれが、まだ続いている事実を突き止め、幼女売買の罪を暴く事に疾走する。
今回も何度も危機に陥るが、新シリーズでは初となるフルメンバー登場、つまり旧シリーズで美由紀と共に活躍した警視庁捜査一課の蒲生誠警部補、臨床心理士の嵯峨敏也と、自衛隊仲間だった(元恋人)伊吹直哉一尉が始めて登場し、美由紀を助ける。新シリーズで登場した先輩臨床心理士の舎利弗浩輔や美由紀の親友である雪村愛と共に。
書 籍:『千里眼 美由紀の正体上』 発行年:2007年9月25日初版発行 発行所:株式会社角川書店 価 格:514円(税別) 縦一段組み285ページ
<上巻カバー裏のストリー紹介> 記憶を失った女性が手にしていた国防機密のの図面。それを巧妙に掠め取った男に対する岬美由紀の過剰な暴力に周囲は困惑する。その様子を分析した臨床心理士の嵯峨敏也は彼女の暴力に一定の傾向があることにきづき、慄然とする。そんな中、時折フラッシュバックする相模原団地の風景の謎を解き明かす為に現地に乗り込んだ美由紀が目にしたおざましい情景とは。最大の謎の核心に迫る書き下ろし第7弾。すべては今、白日の下に。
書 籍:『千里眼 美由紀の正体下』 発行年:2007年9月25日初版発行 発行所:株式会社角川書店 価 格:514円(税別) 縦一段組み266ページ+解説(大塚英志)8ページ
<下巻カバー裏のストリー紹介> 次々と脳裏に蘇る抑圧された記憶の断片。高校時代の初恋から防衛大学の主席卒業まで、岬美由紀が大切にしてきた思い出は、すべて、偽りだというのか。どうやら過去がフラッシュバックしたようだな・・・・。そういって現れた、あの男が告げた衝撃の真実とは?! あの日、本当は何が起こったのか。千里眼シリーズのメインキャラクターが一堂に会して美由紀の消された記憶の真相に迫り、その正体を解き明かす究極の問題作!
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<私的まとめ> 畔取直子(くろとりなおこ)は、北茨城の海岸で何者かに追われ、崖から落ち、記憶喪失になる。茨城県警の廣瀬警部補は、事件究明の為に、兵萃昌劼硫箸鯔♢譟徃兵萢圓閥Δ膨昌劼伐颪ΑG梢牲亞芦憤紊篝鎖晴覆寮賁膕箸力辰任狼⑱荏喙困亡悗靴董△い泙脆汁海箸擦此∧未寮賁膕箸弔泙衫彎何翰里討个譴觧砲覆襦
岬美由紀は親友の雪村藍から、最近ストーカに近い被害と言うか変な事が周辺で起きている事を聞く。藍の好きな物を、全く知らない人からプレゼントされそうになったこと等。この時に臨床心理士会から依頼が入り、畔取直子の所に行く事になる。
直子と会った美由紀は、記憶を呼び戻す為に、事故後に直子が大切にしていた物でまだ触れていない物はないかと夫の利行に聞くと、封筒を持って来た。中にはFIFA女子ワールドカップの切符と約20万円程が入っていたが、直子は全く知らないと言う。美由紀はすぐこれは、最近偽装された物で、誰かが直子に渡した物だと判断する。そして、海岸で追いかけられた時の事を直子は思い出す。「図面は何処かと聞かれた」と。直子は図面をハンドバッグから取り出すと夫の利行が、サッとその図面を奪い取り、去っていく。利行は実は、防衛省内部部局の調査課の人間で、直子の夫に成りすまし調査を行なっていた。ところが、記憶をなくしていた直子は、夫と信じ込まされた利行と毎晩一緒に寝ていた事になる。調査の名の下に直子の人権は蹂躙されていた。この事を知った美由紀は、利行の向かう土浦駐屯地に追いかけ、利行に制裁を加えてしまう。利行の奪った地図と共に他の持ち物も盗み、唖然とする廣瀬警部補を後にして立ち去る。
美由紀は、図面をみて、まるでゴシップ記事の図面と判断し、とても国家的情報ではないと判断する。一方で利行には余罪が他にもあるのではないかと考えた岬は、利行の携帯電話から「新・出会いの館」と称するブックマークを見つける。何とそこにアクセスすると、美由紀の友人である雪村藍ののリストがあった。顔写真と共にプロフィールに藍の好きなアーティストや物等が紹介されていた。美由紀は、逃走中の身ながら藍のアパートに行く。そこで、藍のパソコンから、ある喫茶店で藍のデータが盗まれた事を瞬時に理解し、その喫茶店に向かう。その店員はアルバイトでこのサイトの運営者に個人情報を流すと、同時にゴシップ雑誌で有名なノウレッジ出版に売っていた事もつかむ。ノウレッジ出版はこの個人情報を使って、有名人等のゴシップ記事のスクープ記事を出していた。一方で「夢があるなら」と言う不幸物小説で、読んでいると涙が流れる事が有名な小説で莫大な利益を得ていた。
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