スズキ ゲンさんのブログ

立命館の再生を願って

NO19 常任理事ならびに関係各位

2013-10-11 21:51:14 | 立命館の再生を願って
NO19 常任理事並びに関係各位へ
大阪茨木キャンパスと財政展望、名誉役員規定の改定など。
2013年4月20日 元・総長理事長室室長 鈴木元
目次
はじめに
(1) 立命館の戦略的重点は財政的負担の多きすぎる茨木開設なのか、教育研究の質的向上なのかが問われている。
(2) 大阪茨木キャンパス開設以外は予算を大幅削減する計画。
(3)教職員の批判をかわし責任を取らないために、その場の思いつきでの耳触りの良い事を言ってきたつけが回ってきた。
(4) 一時金問題で8年に渡って学内を混乱させてきた、長田理事長、川口総長、森島専務理事は責任を明確にしなければならない。
(5)政策決定と執行・責任の問題
(6)名誉役員に川本八郎前理事長? どこまでもけじめをつけず、罪をかばい合う。
(7) 理事長選任規定ならびに理事選任規定の制定、総長選任施行細則の改定が必要。


はじめに
 今年に入って、学校法人立命館において、繰り返し、大阪茨木キャンパス開設ともかかわって2020年に向けての財政展望についての会議が行われている。それらの検討会議の結論として、茨木キャンパスの開設は「財政的に可能である」と述べられている。
そのような事をわざわざ繰り返し述べなければならない背景には、移転予定の最大学部である経営学部をはじめとして全学から大阪茨木キャンパス開設について財政的不安・疑問が強まっているからである。
4月10日の常任理事会において、改めて茨木移転とかかわって財政見通しについての説明を求める意見が出された。これに対して長田理事長は「(深刻な財政的展望を)私はそんな話は聞いていない。わしが本当に危ないと思えば、茨木がなんかたたき売ってやる」との趣旨の無責任な暴言を吐いた。参加していた学部長をはじめとする常任理事各位は「今頃になって何を言っているのか」と批判。川口総長がいつものように先送り発言として「経営学部からの要望もあり、24日に議論しましょう」と、とりなした。学部長理事を含めて出席していた人々の大半は、つくづく「こんなことを繰り返していては、立命館はだめになる」と思わざるを得なかったと考えられる。
同じく4月10日の常任理事会に提出された名誉役員規定改定など最近、全学に提出されている文書に基づいて立命館を巡る問題について検討を行うことにする。

(1)立命館の戦略的重点は財政負担が大きすぎる茨木開設なのか、教育研究の質的向上なのかが問われている

1)財政検討の各種文書を見ると「大阪茨木キャンパス(以下、OIC)の開設は財政的に可能である」と強調している。今重要なことはOICの開設が「財政的に可能であるかどうか」ではなく、限りある財政の下で、今後の立命館にとって何が戦略的に重点であるかである。
開設予定のOICには、既存学部である経営学部と政策科学部の移転が予定されてきた。既存学部の移転であるから財政的に収入増は無い。その移転の為に土地代160億円、施設建設のために最低210億円(消費税の引き上げ、物価上昇の政策もあり、おそらく、この額ではできないと推察される)計370億円が予定されている。
さらに独自キャンパスを維持管理するために経常費として毎年18.5億円増が必要であるとしている。3キャンパスとなるために独自に一般教育、語学教育、教職教育などを行わざるを得ないが、その必要経費については、いまだに提示されていない。おそらく維持管理費用(18.5億円)と合わせて毎年最低20億円以上の出費増となるだろう。
2)立命館の到達点から言って、そして2018年から始まる第2次18歳人口減を前にして、国公私立大学を問わず教育・研究の質的向上が最大の課題となっている時、「茨木開設は財政的に可能」を証明することにポイントがあるのではなく(もちろん財政的に不可能など論外である)。限られた財政の下、先に土地ありきで既存学部の移転の為に、全学財政に巨大な負担増を起こすことになることは止め、教育・研究の質向上を重点にお金を回すことが必要である。
全学的な視点で考えれば、経営学部にとって必要な教学改革のための施設の増設は、理工学部と同様にBKCにおいて行えばよい。政策科学部は1400名規模の小さな学部である。衣笠キャンパス内かその周辺で確保する努力を行うべきだろう。そうすれば370億円ではなく2学部合わせても、せいぜい100億円以内で済むだろうし、毎年の20億円の出費増は必要でなくなる。
どちらを取るのが立命館の将来にとってベターなのかは明瞭だろう。
3)その上「経営学部と政策科学部(合計で約6000名程度)だけではOICは赤字となるので、10000-12000名規模にする必要があり、心理総合系学部さらにアジア共生学部を作る必要がある」と、まことしやかに語られている。第二次18歳人口減が迫っている今の時期に定員を増やすと言うのか。早稲田大学では定員削減が計画されている。
これでは「満蒙は日本の生命線」と満州侵略を行い、「満州を守るためには北支を」と日中戦争をはじめ、中国全土に戦争を広げ、戦争遂行の為に東南アジアの資源の確保が必要と侵略、そして対米英戦へ突入して行ったのと同じ思考と無責任な行動である。
私を含めて、新キャンパス確保反対論者は居なかった。衣笠キャンパス狭隘克服のために山之内をはじめとし京都市内にしかるべき土地を確保することに反対はしていなかった。
問題は長田理事長や川口総長、森島総務担当常務理事(当時)が一時金カット、慰労金倍額支給での全学からの批判をそらせるために「将来の立命館のためを考えた決断」なとど、大見得をきって、明確な教学展望もないまま、竹中工務店に踊らされて土地を購入してしまったことである。説明がつかない中で「茨木は関大に勝つために購入したのだ」(長田理事長)などと支離滅裂滅なことを言ったりしてきた。そして先の「本当に財政が危ないなら。茨木の土地なんか叩き売ってやる」などの暴言となった。
傷口を広げない内にストップして責任を取る勇気を持たず、ずるずると傷口を広げている無責任集団と化している。
4)なお付記すると、森島常務等が山之内購入案をつぶし茨木購入を強引に行おうとした当時、私は京都駅前の土地を含めて幾つもの候補地があることを知っていたので「茨木でなくても京都市内にも適当な候補地がある」と指摘した。今回、西京区にある京都芸術大学が京都駅前の市有地を中心に京都市に移転提案を行っている。ここは新幹線も停車する京都市の玄関口であり、衣笠とBKCの中間にあり、どうしても政策科学部のために土地が必要であれば、この土地の一部を購入するのも一案であったが「時既に遅し」である。
茨木にしがみついている内に、山之内も京都駅前も確保できないことになった。今となっては政策科学部の新校舎は衣笠キャンパスの内外で確保するのがベターであろう。
(2)大阪茨木キャンパス開設以外の予算は大幅削減する計画
1)論議のために提出されている文書を見ると、予算削減計画が目白押しである。奨学金予算を30億円から20億円にする。経常的な物件費を3-5%のマイナスシーリングし、2013年度で6億円削減する。非常勤講師など非専任教員人件費で4.5億円を削減する。
いずれも先に削減金額を明示している。限られた予算の中、効果ある施策なのかどうかを検討した結果、削減する事もありうる。そうではなく先に削減金額目標があって、検討すると言うのは教育機関として本末転倒だろう。
2)奨学金は2011年度の全学協議会で合意したばかりであり、2012年から2016年の実施を義務付けられている。非常勤講師や、特任講師などは正課科目を担当している。そのカリキュラムを軸にした教学も全学協議会での学生との合意事項である。
2011年の全学協議会において「今日における教学の在り方」の議論の上で、カリキュラムが決まり、精選すべき科目、担当教員が決まったまのである。それを変更するような実情に即した具体的な議論も無く科目と教員数の削除などありえない。
新たに専務理事となった森島朋三、高橋英幸財務担当常務、そして志方弘樹財務部長のいずれも教学部で仕事をしたことが無い。科目精選を行うにはどのような教学的議論が必要であり、どのような手続きで行うのかとの思慮が無い。財源捻出のために「机上の計算」による削減提案をしただけである。こんなことを機械的に実行しようとすれば現場で混乱を起こすだけであろう。
3)増収の対象として休学者、留年者に対する徴収額の改定を提起している。
近年の立命館が他大学に比して異常に多いのが休学者、留年者、中途退学者の数とその比率である。立命館大学を志願し入学してくれた学生達とそれを支えてくださった保護者の皆さんに対して、立命館の教育力が根本的に問われているのである。
大学として深い分析の上で抜本的対策を立てることが先決である。
ところが「分析が必要である」としながらも、何の分析も対策も提示せず、徴収の額と方法の問題だけを提起し、新たな徴収増の目標額を提起するに至っては、大学として根本的にずれているとしか言いようがない。世間の人が知れば「かつて教育熱心であった立命館はどうなっているか、今の立命館大学は、お金の事しか考えない大学になったのか」と疑いを持つことになるだろう。

立命館大学  休学者数 602名 留年者数 2450名 中途退学者数  604名
1,88%      7.4%         1.8% 
 他の9私大平均              4.9% 1.1%
                         
(3)教職員の批判をかわし責任を取らないために、その場の思いつきでの耳触りの良い事を言ってきたつけが回ってきた。
1)こうしたことが起こる原因は、一つは、増収のめども無いままに毎年20億円近い出費増が必要となるOIC開設問題である。もう一つは今次計画の出発点に問題があった。今回の財政文章の中にも記載されているが、学生定員ならびに学費は現状を維持しながら、教員の対学生比率は高める。予算定員は1.15を1.10とするとした。これでは財政が持つはずがないことは子供の計算でも分かることである。
当時、教職員の一時金を1カ月カットしておきながら川本理事長と長田総長の退任慰労金支給基準を倍化したことにたいする批判が高まり、長田理事長、川口総長、森島常務の退任を求める大きな世論があった。それに対して川口総長と森島常務のイニシアチブで長田理事長を説得して、その場かぎりの「満空の反省」を語り、「全学合意の尊重」を言い、そして「学費も学生定員も上げません」「対学生比の教職員を増やします」と耳触りの良いことを言って、辞任に追い込まれる危機を乗り越えようとしたのである。
2)しかし嘘であった。「全学一致などありえない」と学外理事の数も借りて①茨木の土地購入も②基本設計も、③総合心理系学部2016年創設も、立命館の100年を超える歴史上初めて多数決で押し切ってきた。
迎合的装いで提起した対学生比教員の向上を、学生定員増、学費値上げ無しに実現しようとすれば、安定した寄付政策以外にない。前川本理事長には功罪があるが、寄付を集めると言う点では立命館の為に先頭に立って奮闘した。BKCの開設にあたって校地と整地費用(70haを合わせて135億円)を滋賀県と草津市から寄付していただいた(茨木は9haを160億円で購入)。また理工学部の拡充の為に60億円を超える寄付を集めた。APUの開設にあたっては校地とともに校舎(合わせて220億円)も大分県と別府市からの寄贈を受け、留学生の為に44億円の寄付を集めた。もちろん、大南総長とのタイアップ、志に基づく教職員の団結した献身的な取り組みがあったからであり、川本理事長だけの取組ではなかった。
3)しかし長田理事長や川口総長、森島専務は学園創始130年、創立100周年寄付(目標150億円)を集める為にどのような努力をしたのか。3名とも、ほとんどまともに何も行動していない。一時金一カ月カット、慰労金支給基準倍額を行った長田理事長、川口総長、森島専務が責任を取らない限り、教職員は寄付集めの為に意欲をもつて動くことはないであろう。また卒業生や父母は、足羽慶保の学歴詐称に立命館が組織的に関与し、足羽衣史に対して2億1000万円もの違法支払いを行ってきた長田理事長や川口総長、森島専務が責任も取らず居直っている限り積極的に寄付をされることは無いだろう。今日では年間の寄付金額は同志社どころか関大にさえ遅れを取っている。
 立命館がまとまった寄付を集めようとすれば、学内に不団結をもたらし、社会的信用を傷つけてきた長田理事長、川口総長、森島専務が辞めない限り、学部エゴで予算獲得競争が起こったり、面従腹背が進行しても教職員が意欲を持って立命館の為に寄付を集めたり、父母をはじめとした社会的支持の下で寄付が集まることは無いだろう。
 なおマスコミでも取り上げられたことであるが、衣笠キャンパスにおける新図書館建設にあたって莫大な寄付が行われることになった。これは吉田美喜夫元法学部長・元図書館長(立命館大学卒業生)の永年の努力によるものであり、長田理事等は何らかかわっていない。
(4)一時金問題で8年に渡って学内を混乱させてきた、長田理事長、川口総長、森島専務理事は責任を明確にしなければならない。
1)NO18で一時金問題について触れた。経過において道義的にも労使慣行においても法人側が社会的に指弾されるべきであるが、教育機関としては速やかに和解すべきである。私は2007年7月に和解すべきであると長田理事長に進言していた。
NO18以降、4月9日、大阪高等裁判所において裁判官のイニシアチブで和解協議が行われた。途中経過は省略する。
① 京都地裁における判決は法人側が敗訴し2億3000万円を支払えと言うものであった
② 学内において関係者に長田理事長から報告された内容は「a、裁判所から1億3250万円の和解金額が提案された。b、現職の全教職員に対して今年の夏の一時金に一人当たり一律5万円を上乗せする」と言う事であった。
③ 次回、5月7日に最終協議を行うことになった。
訴訟団は4月26日に総会を開催し、態度を決定するとのことである。
理事会は、今回の和解を潰すようなことを行ってはならない。
2)この和解が成立することは
① 「一時金訴訟において理事会側が地裁で敗訴し、②高裁において裁判所からの調停を
受諾し、③原告に対して、法人側が当初言っていた9000万円とか地裁判決の半額の1億1500万円ではなく、高裁から提起された1億3250万円をベースに支払い ④原告を含む全教職員に対して今年の夏の一時金において一律5万円を上積みして支払う。」
と言う事を法人側が認めることであり、訴訟団が全面勝利に近いことになり、全国で同様の問題で闘っている訴訟団を激励することになるだろう。
なお全専任教職員に対して今年の夏の一時金において一律に5万円を上積みすると言う事は、8年に及ぶ訴訟団の闘いの勝利が、全教職員に及んだことの反映である。
3)長田理事長等はとある財界人から「訴訟団だけに対応すれば、理事会側は訴訟団に負けたということになるから、訴訟団に支払う額を減らし、全教職員にも対応し、理事会は全教職員のことを考えている。と言う姿勢を示した方がよい」とのアドバイスを受けていた。それが当初、理事会側が提起した「訴訟団に9000万円、全教職員に対して9000万円の見舞金を支給する」という提起であった。しかし今回、訴訟団への和解金を支払ったうえで、訴訟団構成員を含む全専任教職員の夏の一時金に一律5万円上積みすると言う事に追い込まれた。「見舞金」ではなく、一時金の一律上積みの実績は、次年度以降後の春闘の新たな闘いの成果となるだろう。
同時に2005年以来8年間に渡って学園を混乱させ、自らの責任回避のために何度もあった和解のチャンスをつぶし、教職員に不団結を作り出してきた長田理事長、森島専務、川口総長は責任を明確にして辞任しなければならない。
(5)政策決定と執行、責任の問題
1)ここで政策決定と、その執行、および責任問題について触れておく。政策においては絶対的真理などない。全体状況を考えた上での相対的選択である。
① 立命館の一時金(月数)が社会的に見て妥当かどうかでは意見の分かれるところであった。
主として学費と国からの補助金で成り立っている私学の一時金の月数が極端に多い事は、社会的な支持を受けられないので減らすべきであると言うのも一つ意見である。
② 同時に現行の立命館の一時金が大手私学の中では一番低い方であり、必ずしも社会的に
高いとは言えない。とりわけ立命館の一時金は成果給ではなく一律支給されていて、生活給の一部をなしており、労使の合意なしに一方的にカットはできない。と言うのも真理である。
しかし最大の問題は、当時の教職員には根拠があいまいな「社会的水準」を主張しておきながら、カットの提案者たちが自らの役職退任慰労金(退職金ではない)を倍額にし、他の私学に対して極端に高い慰労金を受け取ったことによって、提案者たちは道義的退廃をさらけ出すことになった。
2)政策の是非については意見の相違があってよい。しかし提案者たちが私利私欲で学園運営を行い道義性に欠ける対応をし、責任回避のために何回もあった和解の機会をことごとく潰して8年に渡って混乱させてきたことが、その執行を困難にし、今回社会的に破綻したのである。
高等教育機関である大学は、教育・研究など自発的労働に基づいて成り立っている。その大学で多数の教職員と裁判で何年も争い、不団結を広げたことが大学にとって最大の損失であった。今回理事会が高裁の和解調整に応じて和解金と全教職員に対する一時金の上積みを支払ったとしても、この間の混乱と不団結を作り出したことと、その責任は消えない。
常識的に言って長田理事長、川口総長、森島専務理事の3名の辞任は免れない。裁判になる前に撤回していたら森島総務担当常務理事(当時)の解任程度で済んだが、8年に渡って、ここまでの混乱をさせてきて、事実上、全面敗北をしたのだから、関係者は総辞職しなければならないだろう。それが世間のまた経営者の世界の常識である。
3)OICについても同様である。例えOIC開設が一つの政策的判断として成り立つとしても、立命館の過半数の学生・教職員が在籍している5学部が反対している下で一般教育、外国語教育などでどうして積極的な全学的協力を引き出せるのか。教学構想の具体化も出来ていない総合心理系学部を2016年に開設することを再び多数決で決定したが、主体的担い手がいない下で、どう具体化を図るのか。さらに教学内容も決まっていないのに昨年の5月に基本設計を決め、近く竹中工務店と建設契約を結ぼうとしいているが。教学内容が決まれば新築の建物の改造を行うのか。移転予定最大学部である経営学部教授会から、その財政的見通しについて圧倒的多数の人が不安を呈している時に「既に決まっていることだ」と押し切っても、当事者は意欲的になれないだろう。
奨学金の削減、非専任教員の削減をはじめとして毎年約30億円の予算を削減してどうして教育・研究の質的向上を図ることができるのか。強行しようとすればするほど学内の亀裂は大きくなり自発的な改革の執行は困難になるだけである。それが今後の立命館にとってどれほどの損失となるかが分からないところに、これらの人々の教育者としての、そして学校経営者として根本的な欠陥である。
(6)名誉役員(顧問)に川本八郎前理事長? どこまでもけじめをつけず、罪をかばい合う。
1)4月10日の常任理事会に名誉役員規定改定案が提起された。今後は歴代の理事長、総長、副理事長、理事であった副総長、専務理事が退任した時は名誉役員とするとのことである。なぜ今時、名誉役員規定の改定なのか。川本八郎前理事長・現顧問に対する処遇である。
① 昨年(2012年)7月、足羽慶保の学歴詐称が明るみになった。川本八郎前理事長が組織
的に関与し、当時の理事会に末川博先生が総長の時代の理事会において「本学を卒業どころか一時的に在籍したことも無い」ことが確認されていた足羽慶保を立命館卒業生として理事に選任することを諮り議決し、文部科学省に学歴詐称の経歴のまま提出した。②これは2010年1月に発覚した、足羽慶保の死後、その夫人である足羽衣史に生涯、年約1000万円の特別手当を支給するとの密約による「公正証書」の存在が明らかになったことに続く違法背任行為の露見であった。
当然、即刻、川本八郎前理事長の顧問の解任と、背任に対する返還訴訟が必要であった。しかし川本前理事長に後継者として推薦された長田理事長、川口総長、森島常務にはできなかった。それでも理事のみ会議において、長田理事長は「直ちに顧問の解任はしないが、来年度(2013年)は顧問に推薦しない」と発言せざるを得なかった。
2)予てから文部科学省から足羽問題(違法支払いと学歴詐称)を巡って「再発防止策を含んだ経過報告書の提出」が言われてきた。また発端を作った責任者である「川本八郎氏を顧問から外す」ことも示唆されていた。しかし川本八郎前理事長から後継者指名を受け、一時金、慰労金、足羽問題で同罪の長田理事長、川口総長、森島常務には学内関係者をはじめ社会的に解任理由を明確にして川本八郎前理事長の顧問解任は出来なかった。
そこで文部科学省には「顧問は解任しました」と報告し、新たな名誉職につける工夫を諮った。ただ相談役や顧問など川本前理事長だけの処遇となる役職は設置できないので、総長、理事長、副理事長、理事であった副総長、専務理事の経験者10名を全て名誉役員とし、その中に川本前理事長をもぐりこませようとしたのである。しかしそれだけでは「なぜ、彼と一緒なのか」と川本前理事長が納得するはずがない。
3)そこで「理事長が認めた名誉役員は、名誉顧問とすることができる」「協力に際し、必要な経費は役員に準じて学内規定を適用する」としたのである。
芦田文夫元副総長、佐々木嬉代三元副総長をはじめとする10名の人々を並べることによって、イチジクの葉として川本前理事長をあくまでもかばい建てしているのである。
唯一学位を発行することができる大学に置いて、学歴詐称に組織的に関与し、ごまかし、支払ってはならないお金を2億1000万円も支払ってきた川本前理事長、長田理事長、川口総長、森島専務理事を名誉役員(名誉顧問)とするような学校法人は、事の真相が社会に知られ広がるにしたがって信用を失っていくだろう。「あの四人がいる限り、この大学は何でありや」「もういい加減にしなさい」と言うのが、学園関係者の正直な気持ちであろう。
(7)理事長選任規定ならびに理事選任規定の改定、総長選任規定ならびに施行細則の改定が必要。
1)なぜ、このような馬鹿げたことがまかり通るのか、どうしたらよいのか。現在の理事会の構成と、選出の仕方に問題があるからであり、来年(2014年)の改選期に向けて改革を求める運動を強化する必要がある。
No18で記したように解任されるべき森島朋三常務理事が、逆に専務に就任した。長田理事長の推薦である。疑問を呈した意見に対して、長田理事長は「専務は理事長に任命権がある」として押し切った、
専務の任務は「理事長及び副理事長を補佐し、主として総務財務に関する日常業務を総括執行する」であるが、理事長に任命権は無い。「理事総数の過半数の議決により、理事の内から・・専務理事1人を置くことができる」(寄付行為第5条3)である。誰が推薦するかと言う点では、「理事長及び副理事長を補佐する」のであるから、理事長が推薦しても不思議ではないが、理事長のみに推薦権があるわけではない。ましてや理事長に任命権などない。他の理事にも推薦権があるだけではなく、反対することもできる。このように学校法人の最高規則である寄付行為で定められていることが、ないがしろにされているところに現在の立命館の機関運営の根本的欠陥がある。
2)しかし近年の一連の混乱した事態を見た時、現行の総選任規定施行細則の改定、理事長選規定の制定ならびに理事の選任規定の改定がどうしても必要である。
1960年代中ごろから1970年代中ごろにかけて立命館を含めて日本の大学では大学改革が課題となって大きな運動が広がった。しかしその時に手が付けられなかったのが理事会の民主化であつた。大学は大学を構成している人々、すなわち教員・職員・学生の意見が反映される民主的仕組みが必要である。教授会の民主化や学生自治会、教職員組合の意見が反映される仕組みを作った大学はあった。しかし当時、立命館を含め、理事会の民主化を掲げ、実現した大学は皆無に等しかった。それどころかむしろ大学改革運動が下火になるにしたがつて理事会構成ならびにその選出方法が改悪されてきた。
2)その全国的な決定的転換が2004年の国公立大学の独立行政法人化であった。それまで各学部教授会を基盤にして選出されていた大学評議会が大学における事実上の最高意思決定機関であったし、総長(学長)は少なくとも全学の教員の参加によって選出されていた。ところが独立行政法人化した段階で、これが根本的に変わった。学外者も入った極少数の理事会が設置され、その下に学部長も入った学内関係者によって構成された教育研究評議会と、学外者も入った経営評議会が設けられた。そして総長(学長)の選任に当たっては理事会の下に学外者も入った学長選考会議が設けられ、そこからの推薦によって理事会で総長(学長)が決められる仕組みとなった。
従来の全教員が参加した総長(学長)選挙は非公式な形で残されたが、例えそこで一位になっても選考会議で別の人が第一位の候補者となり理事会では全学教員の意志と異なる人が総長(学長)に選ばれると言う事が起こった。
当時、立命館の教職員の多くが、これは間違いであり、立命館のようにあくまでも教職員、学生も参加した選挙で総長(学長)を選ぶべきであると考えてきた。
3)しかし2005年の一時金カット以来の立命館の異常事態を検討しなおしたとき、実は立命館においても理事会の構成と選出の仕方が徐々に改悪されてきていたことが明らかになった。
「これだけ大きくなった大学・学園を学部長理事だけでは運営できない」との理由で各種常務理事が設置されてきた。改めて見直してみると常務理事を含めて総長、理事長による推薦理事が理事会の過半数を占める事態となっていた。そして専務理事を含めて常務理事を推薦する理事長(長田豊臣)の選出基盤は何処にも無いことが分かった。
2010年に改訂された総長選挙施行細則に置いて、学校法人立命館が設置する最大の学校である立命館大学において過半数の支持を得なくても総長・学長になれると言う仕組みに改悪されていた。
3)2000年に設置された立命館アジア太平洋大学に置いては学長、2人の副学長、2人の学部長の計5名の理事は全て総長・理事長の任命制にされた。5つの付属学校の校長も全て任命制である。任命制のAPUと附属校を基盤に立命館大学では過半数の支持を得られなくとも総長になれる仕組みにしたのである。そして2010年の総長選挙において立命館大学では過半数を獲得できなかったと推察される川口総長が、どこにも基盤の無い長田豊臣を理事に推薦し、総長・理事長が推薦した理事が過半数を超える理事会において長田豊臣を理事長に選任した。そしてこの長田理事長が同じく何処にも選出基盤の無い森島朋三を理事に推薦し、そして専務理事に推薦・選任したのである。総長と理事長がタッグを組めば永遠に学校法人立命館のイニシアチブを握り続けることができる仕組みにしたのである。これら一連の事は川本八郎前理事長によるまさに時間をかけたクーデター的行為であった。
3)川本前理事長は自分の後任に長田理事長もしくは森島総務担当常務理事だけを推薦したのではない。川口総長を含め、理事長、総長、総務担当常務の三人を一体として推薦して後任体制作ったのである。一時金も慰労金も彼が理事長そして相談役になる時に三人に役割分担させて提案・実行させ同罪にした。川本前理事長が後継者として推薦したものが理事長、総長、常務の内誰か一人だけであれば、学内批判の下で2対1で、森島常務や長田理事長もしくは川口総長の誰かに責任取らせ解任することによって批判をかわすこともあり得たであろう。しかし3人とも川本前理事長に推薦され、一時金、慰労金で共同して動いたことから、誰か1人を解任すれば、続いて自分も解されるだろうと考え、互いにはかばい合ってきた。まさに立命館は川本前理事長が後継者推薦した3名によって乗っ取られたのである。しかしそれが可能になったのは、現行の理事、理事長、総長の選任規定である。
4)私を含めて何人かの人々は個別のケースについては疑問も呈したが、全体として立命館が戦後の改革で推し進めた学部長理事制度が系統的に破壊されて来ていることに気づき体系的に分析し批判する者は無かった。私は「これは甘かった」と反省しなければならないと思っている。私は2012年2月に発刊した『立命館の再生を願って』(風涛社)で初めて体系的に問題点をえぐり、改革方向の試案を提案した。
5)現在、立命館では「機構改革」の論議が行われている。その中間報告などを見る限り、現在の立命館の実情を反映したものが大半を占めている。しかし今日までのところ一番肝心な理事の選任方法、理事長の選任方法、総長選挙規定施行細則については全く触れられていない。触れられていないことが大きな問題であるが、ふれないどころか、今後さらに改悪し、学部長理事制度をさらに骨抜きにしようとする気配が感じられる。
2005年以来の立命館の混乱が、学園内の多数意見を無視して川本前理事長、長田理事長、川口総長、森島常務理事(現専務理事)が学外理事をはじめとする総長・理事長推薦理事を中心に多数決によって強行されて引き起こされてきたことは明白である。
2014年には総長選挙ならびに理事の改選が行われる。彼等はそれに向けてさらに現行制度を改悪しようとしている。近くその案が出てくるだろう。教職員・学生は2年先に向けて理事、理事長、総長選任の方法、学校法人立命館の機構の在り方について抜本的検討を行い、規程案を作成し、その実現を迫る運動を持続的に幅広く展開していく必要があるだろう。戦後間もない時期の総長選挙規定制定、学部長理事制度確立、全学協議会結成に等しい運動を繰り広げる必要があるだろう。
それは4割に満たない得票で8割近い議席を獲得し、憲法の改正によって日本の国家の在り方そのものを反動的に変えようとしているのに反対する闘いと気を一にしている。学園関係者の奮起を期待したい。
追記 警告
「常任理事ならびに関係各位へ」の文書は、最近では、長田理事長(インターネットを使っていない)と森島常務にたいしては送ってこなかった。
しかし前回のNO18において私は「解任すべき森島朋三を専務理事にするなどは許されない」「彼は大学人として不適格である」と項目を挙げて指摘した。その当事者である森島専務に送付しないのは不適切とあると考え、久しぶりに森島専務にも送信した。
ところが数日たった日、私のパソコンにリターンメールが数通あつた。そのメールアドレスを見ると私が送ったメールではなかった。それが日を追うごとに数十通、さらに数百通へと増えていくと同時に私からの発信ができなくなった。マニアによる迷惑メールがたまたま私のパソコンに入り込んだと言うものではなかった。
あれこれ試みたが素人の私には回復できなかった。専門業者を呼びプロバイダーの協力も得てようやく回復した。
森島専務にそこまでの知識・技術があるとは考えられない。
しかし誰が行ったにせよ、私のパソコンに侵入し、ここまでの妨害・破壊行為を行う事は明らかな犯罪行為である。再度行われる危険性があるが、その場合はプロバイダーとも協力して犯罪行為として対応せざるを得ないことを警告しておく。
私は無責任な書き込みには賛成しないので、今日まで立命館の問題についてブログごとツイターは使わず常任理事会出席者等に限定してメールを送ってきた。そのメールに対してパソコンごと破壊活動をするのなら、今後、ブログやツイターなども使って広く情報・提言を社会的に発信することも考えざるを得ない。

鈴木元 日本ペンクラブ会員、日本ジャーナリスト会議会員、かもがわ出版取締役、中国(上海)同済大学アジア太平洋研究センター顧問教員、国際環境整備機構理事長。




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