スズキ ゲンさんのブログ

立命館の再生を願って

NO21 常任理事ならびに関係各位へ

2013-10-22 10:53:49 | 立命館の再生を願って
NO21 学校法人立命館理事ならびに関係各位へ

学校法人立命館において210億円越える建設契約を、常任理事会はおろか理事会にも図らず、長田豊臣理事長の名において竹中工務店と契約し、理事会には報告で済まそうとするやり方は、立命館の歴史のみならず日本の大学史上かつてなかったやり方です。
学校法人立命館の理事会は、大阪産大等に学び、これらをすすめた長田豊臣理事長、川口清史総長、森島朋三専務理事、志方弘樹財務部長を罷免するとともに、4名の法的責任を議事に取り上げ、告訴を含めて厳格に対応する必要があるでしょう。

            2012年5月27日 元総長理事長室室長 鈴木 元

現在 日本ペンクラブ会員、日本ジャーナリスト会議会員、かもがわ出版取締役、中国(
上海)同済大学アジア太平洋研究センター顧問教授、国際環境整備機構理事長。1969年3月一部経済学部卒業。

目次
はじめに
(1) 立命館大学構成員の過半数を超える反対意見を無視して強行されてきた茨木キャンパ
ス開設問題。財政破綻が予測され、回避するためには毎年30億円の大幅なリストラを想定。
(2)210億円以上もの建設契約を、寄付行為で定められている「常任理事会での審議」を行わないどころか、理事会での審議も回避し、長田理事長による契約後の報告で済ませようとしている。
(3) まちがった契約事務取扱規程ならびに、「1億円以上(上限なし)」の理事長経理専決規定を根拠に「理事会に諮らず契約する」と言うなら、ただちに誤った規程を破棄し、新しい規程を制定すればよい。
(4)常任理事会は長田理事長に竹中工務店との210億円を越える契約を白紙委任していない。
(5)「1億円以上(上限なし)」とする理事長専決規程は間違い、ただちに破棄する必要がある
(6)竹中工務店等との疑惑の解明が急がれる
さいごに




はじめに
大阪茨木キャンパスをどうするか、つまり「規程方針」通り「2015年開設」に向けて6月に竹中工務店と契約し7月から工事を開始するのか。それとも、この間の議論・検討で明らかになった諸矛盾、とりわけ財政見通しの危険な事態を踏まえ、一旦凍結し、検討し直すのかを巡って、学内では激しい議論が展開されてきた。
そうした中で立命館大学の学生・教職員の過半数を占める6学部(法学部、国際関係学部、産業社会学部、経済学部、経営学部、理工学部)の学部長が連名で「拙速な契約を排して、慎重な議論を」提起した。
また立命館においては学内責任制の原則とその尊重の下、学内の理事で常任理事会を構成し、その審議を経て理事会において議決してきた。ところが今回の茨木の施設建設にあたっては5月22日の常任理事会には諮らず、直接5月24日理事会において議決するとの情報が流れ、上記6学長声明をはじめ「寄付行為に定められているように、常任理事会での審議を踏まえて理事会に提出すべきだ」と言う意見が教授会を含め多くの教職員職場から上がっていた。
ところが5月22日の常任理事会に提出されなかったどころか、5月24日の理事会でも審議せず、210億円を越える建設契約を、長田豊臣理事長の決裁で6月に竹中工務店と契約し、7月から工事を開始し、理事会においては、長田豊臣理事長の報告事項として扱うというやり方で進めようとしていると言われている。
もしもそれが事実であれば、立命館はおろか、日本において近代の大学が発足して以来、かつてないやり方であり方である。このようなことを許しておけば、立命館は日本漢字検定協会のように、理事長による学園私物化が進み、教学・財政・管理運営の全般に渡って自壊の道を転がり落ちていく危険があります。学内外の理事は事実を直視し、この事態の打開のために共同して当たっていただく必要があると思います。

(1) 立命館大学構成員の過半数を超える反対意見を無視して強行されてきた茨
木キャンパス開設問題。財政破綻が予測され、回避するためには毎年30億円の大幅なリストラを想定。
1)学校法人立命館は、2010年11月12日の理事会において、立命館大学の学生・教職員の過半数を超える人が在籍している法学部、国際関係学部、産業社会学部、経済学部、理工学部の教授会の反対決議に基づいて、5学部長理事が反対したにもかかわらず、多数決で大阪茨木市のサッポロビール茨木工場跡地12haを190億円で購入した。
2)その後、その具体化を巡って様々な議論が展開されてきたが、高橋幸英財務担当常務理事から、このまま進めば今次計画が終了する2020年時点で約1000億円の積立金を全て使い果たす危険があるとの報告が行われた
そこで常任理事会の下に、服部健二副理事長を責任者とする「学園財政政策委員会」のワーキングが組織された。そして2013年4月24日、その「第一次まとめ」が行われたが、全学に報告すると決まったのは5月15日の常任理事会であった。そこでは茨木購入時「学校法人は50-100%の引当金が必要であるが、茨木キャンパスを開設しても、それは確保できる」とされていたのが、「引当金は27%まで後退する」とされた。そのため施設の更新と社会的に必要な教学改革を進めるためには、毎年度30億円以上の収支黒字を出さなければならないことが明らかにされた。それを確保するためには奨学金予算の削減、非専任教員の解任、事務経費等の削減によって毎年約30億円の大幅なリストラを進めなければならないとされた。既に4月から研究室の清掃が週1回から月1回に減らされていると言う。
こうした事態を受け、2013年5月8日、上記の6学部長が連名で「茨木建設契約は慎重に行う必要がある」との声明が出された。
3)それに対して森島朋三専務理事から「契約案件は理事長が行うので、常任理事会に諮る必要は無い」との言動が行われた。
学校法人立命館の寄付行為17条9において、学内の理事で構成する常任理事会を制度として設けている。そして寄付行為施行細則第13条3において常任理事会は「理事会に提出する案件の審議及び日常業務について協議する」と定められており、森島専務の発言は間違いであるとの意見が出された。
4)ところが5月24日に開催される理事会の議題に、茨木における建設契約に関する事項が明記されていなかった。そこで関係者が質問すると「契約は理事長権限で行われるもので、契約の後、理事会に報告事項として扱う」としている事が判明した。

(2) 210億円以上もの建設契約を、寄付行為で定められている「常任理事会での審議」を行わないどころか、理事会での審議も回避し、長田理事長による契約後の報告で済ませようとしている
竹中工務店と210億円を超える建設契約が理事会の議決も得ず、長田理事長の職権で行えるとする根拠として、長田理事長や森島専務理事等は以下の二点を挙げている。
「一つは、契約事務事務取扱規程において①企画提案型競争制度や随意契約が出来る②専決決裁者(理事長)によって契約することができるとの二つの定めがある。
二つは、経理専決規定において理事長の権限として1億円以上(上限の定めなし)の経理決
裁権がある。
 この二つの定めにより、長田豊臣理事長が企画提案型競争制度にもとづいて竹中工務店と210億円の契約を結ぶことは手続き的には瑕疵が無い」としている。
この長田理事長ならびに森島専務の主張では学校法人立命館においては、いかなる金額の契約も理事長権限で行えることになり、これは学校法人における常任理事会、理事会の存在意義を否定するものであり「法人組織の組織原則を根本から踏みにじっている」と言われてもおかしくない。
川本八郎前理事長時代においては、隣接地との境界において相互の所有地が凸凹している場所を隣接地の所有者と交換売買を行う場合でも、地籍図をだし、常任理事会ならびに理事会において議決し、それに基づき川本理事長が契約していた。
学校法人においては、代表権は理事長のみにあるが、それは理事会決議に基づいて法人を代表して契約することができるのは理事長のみであって、他の理事には無いことを定めたものであって、理事長がなんでも勝手に財政権限を行使して契約できると言うものではない。
(3) まちがった契約事務取扱規程ならびに、「1億円以上(上限なし)」の理事長経理専決規定を根拠に「理事会に諮らず契約する」と言うなら、ただちに誤った規程を破棄し、新しい規程を制定すればよい。
森島専務は「随意契約」「設計施工一体型の企画提案型契約」「理事長による契約を理事会に報告する」は契約事務取扱規程に定められており、今回の茨木の施設建設を竹中工務店と理事長が契約し、後に理事会に報告すると言うやり方は、契約事務取扱規程を含めた立命館の諸規程に基づいて行われており「手続き的に瑕疵は無い」と説明している。
しかし210億円を超える茨木キャンパスの契約が、理事会に諮らなくて理事長によって行うことができるなどとする契約事務取扱規程の存在など考えられない。もしもそのように運用できると解釈できるものが存在していれば、それは立命館の寄付行為ならびに私学法の精神に反する規程であり、直ちに改定しなければならない。
言われている契約事務取扱規程と言うのは「2010年3月26日制定」「4月1日から施行する」とされている。2010年3月26日ならびに4月1日と言う日は、長田理事長が自ら「4月に、サッポロホールディングス(サッポロビールの親会社)を訪れ、茨木の工場跡地購入について申し入れた」という日の直近の事である。
衣笠キャンパス狭隘克服のために京都市の山之内元浄水場跡地を交渉中に、それを打ち切り、茨木のサッポロビール工場跡地購入の話が持ち込まれたのは2009年の秋の事であった。この話は竹中工務店から紹介され竹中工務店と深い結びつきのある志方弘樹財務部付管財担当部長から森島朋三常務を経由して長田豊臣理事長に持ち込まれたものである。そしてこのころから契約事務取扱規程の制定作業が開始された。
契約事務取扱規程には、森島専務が言うところの「随意契約」や「企画提案型競争」「設計施工方式」などの文言がある。これらの言葉は志方弘樹部長の意見に基づいて入れられたものである。さらに「専決決裁者による契約」という言葉も見受けられる。いずれも上限金額としては最大限は2000万円以下であり、億を越えるような金額の明記は無い。しかし「常任理事会ならびに理事会に諮らずとも契約できる」と書かれていないと同時に「常任理事会ならびに理事会に諮って、契約する」とも書かれていない。
この規程の「専決決裁者による契約」と言う文言を根拠に、210億円を越える契約を常任理事会、理事会にも諮らず契約し事後報告するなどは許されない。
長田理事長、森島専務が、あくまでも「いや規定にあるから問題は無い」と言い張るなら、契約をする前に、そのような規定は破棄し、契約事務取扱規程に「5億円以上の契約は理事会議決を必要とする」と明記すればよいのである。
この契約事務取扱規程は、作成にあたった一部職員を除けば職員の大半は、このような規程は知らない。ましてや教員は学部長を含めて、今回の契約問題が浮上し森島専務が言いだすまで、ほとんどの人は見たことも無いし、その存在すら知らなかった。
(4)常任理事会は長田理事長に竹中工務店との210億円を越える契約を白紙委任していない。
長田理事長も森島常務も「契約事務取扱規程」だけを根拠に理事長による決済・契約締結については根拠が弱すぎると考えたのか、5月22日の常任理事会に報告された文書によると「寄付行為施行細則第18条」に「常任理事会は規定またはその議決をもつて法人の日常業務の一部に関する決定の一部を会議、理事もしくは役職者に委任することができる」と定められており、茨木キャンパス整備は「常任理事会での審議、承認に該当し、契約行為は、上記第18条に則り執行されている」。と記している。
茨木キャンパス整備の基本計画が常任理事会で審議されていることは事実である。しかし移転する学部も、その教学内容も、したがって最終の詳細設計も決まっていない、もちろん契約金額も決まっていない。常任理事会において長田理事長に契約金額を含めて白紙で竹中工務店との契約を委任した事実はない。長田理事長が竹中工務店と210億円を越える契約を勝手に行い理事会には報告で済まそうとすれば、それ立命館の理事会(常任理事会)を否定するもりであり、川本八郎前理事長時代までの歴史的慣行を否定するもので、法的責任が追及されてもおかしくない行為である。
長田豊臣理事長等は、6月末に竹中工務店と契約し、7月から工事に入り、7月の理事会に報告すると言っているらしいが。そのような暴挙は許されることではない。
(5)「1億円以上(上限なし)」とする理事長専決規程は間違い、ただちに破棄する必要がある
日常運営において必要な経費の入支出の全てを、その都度理事会に諮るというのは現実的ではないので、理事会として、一定の範囲内において、それぞれの職務に応じて経理決裁額を定めた規定を設ける場合がある。立命館においても理事長だけではなく、権限を下部に委譲する精神に基づいて専務理事、財務担当常務理事、財務部長、財務課長にそれぞれ決済できる金額を定めている。これは理事会からの「委任事項」である。
この経理専決規定は1972年に制定されていたので、金額が実情に合わない定めになっていた。そこで2006年に改訂された。
たとえば財務部長は100万円以上、500万円未満。財務担当常務理事は500万円以上、5000万円未満。専務理事は5000万円以上、1億円未満と定められた。この規定改定が行われたことは、当時理事会に出席していた人は記憶している。ところがその専決規定に、理事長については「1億円以上」と記載されているが、出席者に聞くと「専務理事は5000万円以上、1億円未満」なので、「それ以上は理事長」と言う一般的認識以上に考えていなかった。「まさか上限無しとは認識していなかつた」と答えられている。これは経理規程としては明らかに「瑕疵のある規定」であり、制度的にはありえない規定であり、ただちに破棄し、再制定しなければならないだろう。上記したように、これは理事会からの委任事項であるから例えば「2億円以下の契約は、理事会の議決を得なくても、理事長以下で決済できる」「その決裁は、理事長は1億円以上、2億円未満。専務理事は5000万円以上、1億円未満。・・」とすべきものである。
ただしこの規程は2009年3月27日に改訂されている。この時に「上限なしにされているかもしれない。調査の必要がある。
いずれにしても210億円を越える工事契約を、常任理事会、理事会に諮らず、その議決を得ないで、長田理事長が竹中工務店と契約し、事後に理事会に報告すると言うやり方は、立命館の寄付行為、理事会の役割を否定し、学園運営の慣行を踏みにじるものである。同時に寄付行為の前提となっている、近代的社会的組織の在り方を逸脱するものである。
ところで上記したように長田理事長、森島専務は「契約事務取扱規程」を根拠に「理事会に諮ることなく、理事長の決裁で契約し、事後に理事会に報告する」としているが、いつもそうしてきたわけではない。この規程が定められた以降、最大の契約がサッポロホールディングスからサッポロビールの茨木工場跡地を190億円で購入したことである。この時、10月末までに学内の合意が得られず、相手側に期日を11月12日までに延ばしてもらい11月10日に常任理事会、11月12日に理事会において多数決で押し切った。したがって彼等は今回主張しているようには、動かなかったのである。
(5)竹中工務店等との疑惑の解明が急がれる
それでは今回はなぜ、長田豊臣理事長、川口清史総長、森島朋三専務は、寄付行為を無視して、「理事長への委任」を匂わせる作為的提案によって、川本八郎前理事長時代まで行われてきた常任理事会、理事会での審議を回避し、あえて「理事長決裁による」契約を行おうとしているのか。
立命館大学の6学部長が「財政展望が厳しい下での契約は慎重にすべきである」と主張しており、それに対して財政の見通しにおいて説得できず、合意を得られることができないと分かっているからである。
大学は過去・現在・未来につながるものであり、現在の構成員は将来にも責任を負わなければならない。長田理事長、川口総長、森島常務等は、仮に彼らが言っている2015年開設としても、その時には彼らが総長、理事長の任になく、財政危機の責任が取れる立場にあるとは思えない。
しかし彼等は自分達が強引に進めてきたことを一旦凍結したり、取りやめれば、それはそれとして3名は責任を取らざるを得ず、最低、辞任は免れない。それを避ける為に、教学の内容も決まりもしていない心理総合系学部の施設や、経営学部や政策科学部の要求を丸呑みした言われる施設を含めて、さらなる財政悪化に繋がる増床・建設するというのである。
この構想が提案された時、私は「立命館とサッポロホールディングスと竹中工務店の間に、2010年10月末までにサッポロから土地を購入する。2015年開講に向けて竹中工務店と工事契約をする密約がある可能性が高い」と指摘した。しかし彼等は反論しなかった。その後、私の指摘通り2010年11月12日に5学部の反対を押し切ってサッポロホールデングスから購入を決定した。そして今回、長田理事長の決裁で「2015年開設」に向けて6月に竹中工務店と契約を交わし、7月から工事を開始しようとしている。まさに私が指摘した通りになった。
また一例であるが、当時はまだ明確には分からなかったが、当初、森島常務(当時)は、「茨木市(と国)から60億円の補助がある」と報告し、それを茨木キャンパス整備予算の収入の項目に入れていたのである。しかし最近、補助金は「30億円である」としている。30億円及ぶ収入減についてどのように責任を取るのか明確にしなければならない。また当初「立命館は9haを160億円で購入する」と言っていたが、購入する段になって「茨木市が購入する予定の3haを立命館が立て替え購入する」として12haを190億円で購入した。同じ道路に囲まれている茨木市が購入した土地は1ha当たり10億円に対して、立命館が購入した土地は1ha当たり17億7000万円である。立命館が購入した9haを茨木市が購入した価格で比例計算すれば90億円であり、70億円も高く購入したことになる。責任ある説明が求められている
理事会の下に第三者も入った調査委員会を設置し、あらゆる疑念に対して徹底した調査を行い、調査結果に基づいて告訴を含めて厳格に対応する必要があるでしょう。
学校法人立命館の学内外の理事は、立命館の正常な発展の為に力を合わせて対応していただきたい。
以上
追記
① 5月24日の理事会において「茨木キャンパスの建設契約の議決が行われる」との情報が入ったので、私は理事の皆さんへ「建設は凍結すべきでしょう」との趣旨の文章を用意した。ところが上記したように、理事会での審議・議決せず、長田豊臣理事長による契約後、理事会にも報告で済ませようとしていることが明らかになった。そこで焦点をそのことに絞った原稿を書いた。それが本文章である。次期理事会を前に既に書いていた茨木問題について全面的に展開した文章を皆さんにお送りすることにいたします。
② 昨年の2月、私は「なぜ『改革の立命館』が『混乱の立命館』になったのか、その解決の道筋は」との思いで『立命館の再生を願って』(風涛社)を出版した。この出版以降に「常任理事ならびに関係各位へ」として記した文章について、私はこの問題専用のブログを立ち上げ、そこに順次掲載している。関心のある方は是非見ていただいて参考にしていいだければ幸いです。
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NO20 常任理事ならびに関係各位へ

2013-10-17 10:22:45 | 立命館の再生を願って
NO20 常任理事ならびに関係各位へ(補強版)
 5月8日の常任理事会を前に急遽出したNO20に、補強したものを送ります。

大阪茨木キャンパス建設着工を巡る新たな策謀、誰が将来の立命館に責任を負うのか
2013年5月13日 元総長理事長室室長 鈴木元

はじめに
5月1日にOIC開設準備委員会が開催され、その内容は若干の修正を加え8日の常任理事会に報告された。それによると①様々な理由により当初想定したよりも施設の拡充が必要である②しかし茨木市から社会開放型施設について、その建設費が1/2を上限に30億円の支援が出ることになったので、立命館としては当初の210億円の予算を上回ることは無い。これで予算を増やすことなく政策科学部、経営学部、心理総合系学部の様々な要望に応えることができる。としている。
またOCIの建設工事は私が土地取得時から密約の可能性があると指摘していた竹中工務店に発注し7月から開始するとされているが、未だに常任理事会に契約の提案が出されていない。

(1)「茨木市からの30億円の支援」とは何か、バラマキと今後の財政展望、誰が一体、将来の立命館に責任を負うのか、
1)「茨木市から30億円の支援」とはなにか、森島専務はきちんと説明する義務がある。
まず今回報告された「茨木市による30億円の支援」とは何のことなのか説明されていない。報告によると3月に締結した立命館と茨木市の協定に基づくものとされ、何か「新たに茨木市が立命館に30億円の支援を行うようになった」と受けとられるような報告がされている。
しかしこれは私が当初において解明した様に、市民に解放される音楽ホールなどが入る施設は、国が認可する市街地整備事業として施設建設費に国と該当する自治体から補助金を出す事業である。東京キャンパス(JR東日本の日本橋口ビル)や大阪キャンパス(富国生命ビル)が入っているビルもこの事業の適用を受けたために立命館は周囲のビルに比べて1/2の格安の家賃で入居できたのである。
今回は市負担最大15億円、国費最大15億円、合計最大30億円の予算が付いたが、この補助金は当初をから予定されていたもので、茨木市からの新たな補助金ではないし増額でもない。茨木市においても既に議会で説明され、2012年度で予算化されているものである。
むしろ重要な問題として指摘しなければならないことは、森島常務(当時)は茨木購入についての反対意見に対して「茨木市は音楽ホールを作っていたただける」としたが、その後「茨木市ではなく立命館が音楽ホールを含めた社会開放型施設を造るが、それに対して茨木市から2/3の補助がある」ことを利点として挙げていた。補助は茨木市の制度ではなく国の制度であり、国と市から補助金が出るものである。ところが今回、森島専務の説明だと2/3ではなく1/2と言う事である。どこで、どのような理由で変わったのか説明が求められる。
OICの開設については学内から、財政見通しについて厳しい批判だけでなく、様々な疑問や不安が提出されている。元々社会開放型施設については国ならびに茨木市から補助金が出ることを進出の歌い文句とされていた(「新中期計画特別委員会報告」2010年9月22日)。それを、あたかも新たな補助金が出るかのような誤解を招く報告がされている。そして何よりも重要な事は施設建設補助金が出たからと言って、毎年経常費として新たに20億円越える出費増になるとことには変わらない。そして高橋財務担当常務自身が報告した様に2020年度で、それまでに積み立ててきた基金を使い果たす危険がある。
③自らの学部要求が実現されるなら全学の財政的展望については無関心で良いのだろうか
全学的な不安、疑問、反対を押し切って移転合意を取り付ける為に、報告では「茨木市から30億円が出ることになりました」と言って、政策科学部や経営学部、(心理総合系学部)から提出されている施設要求のすべてに応える。さらに全学が利用する国際会議が出来る施設や宿泊施設を建設し、全学の改革に貢献するキャンパスにするとしている。まさに「利益誘導型」説得である。これではむしろ彼らが言っている210億円の予算の枠内には収まらない危険性が増大したと言えるだろう。また「アジアのゲットウェイ」「アジア共生学部(仮称)設置の検討」など、APUの開設理念との整合性や各キャンパスのコンセプトの全学合意抜きに、学内的にも社会的にも説明困難な学園構想となっている。
 経営学部教授会や政策科学部教授会そして心理総合系学部設置検討委員会の皆さんは、自分達の学部の要求が満たされるのなら、全学的財政展望については感知しないで済むのだろうか。衣笠の狭隘化克服が課題であったキャンパス問題において、今回の茨木展開では衣笠の狭隘克服は放置されたままで、毎年20億円の出費増、2020年度で基金を使い果たす計画に、どのように責任を持ち、衣笠の学部を含めて全学に説明責任を負うのか真剣に考える必要があるだろう。このようなやり方は学部エゴを全学に広げ、立命館の今後の運営に困難をもたらすだろう。こうした事態に対して当該の経営学部においてすら実務経験のある経営・会計の教員は教授会で「民間なら責任者はクビだ」との意見を上げている。
④将来に責任を負えない、長田理事長、川口総長、森島専務の暴走を許してはならない
 バラマキによって反対や批判、疑問を押さえて、あくまでも茨木キャンパス強行を実施しようとしている長田理事長や川口総長、森島専務は立命館の将来にどのように責任を負うのか。
彼等3名を含めて現在の理事の任期は来年2014年度で終了する。
総長の任期も2014年度12月末日である。2期を務めた川口総長の再任は規定上無いのである。つまり、予定されている「2015年の茨木キャンパス開設」時には川口総長は在任していないのである。
2011年の秋の理事ならびに理事長改選時、無責任にも「(茨木購入、建設のめどがつけば)任期途中で退任する」と言いながら、今日まで居座り続けてきた長田理事長は2014年度の理事改選時には道義的にも出る資格はない。それどころか2014年で改選される新しい総長に推薦されない限り、理事長どころか理事にも就任できない。
森島専務は、評議員選挙違反、足羽慶保の学歴詐称等にかかわり、大学人としての資格が疑われている。にもかかわらず長田理事長の推薦によって専務となったが、2014年に新総長となった人や、その人に推薦されて理事長に就任する人に推薦されないかぎり専務どころか理事にも就任できないのである。
つまり再任されないことが確定している川口総長と、再任が確実でない長田理事長と森島専務の3名が、全学の反対や批判、疑問をバラマキ政策や学外理事の数を頼んで無謀な茨木キャンパス強行することを許してはならないのである。
逆に言うと、長田理事長、川口総長、森島専務はだからこそ、次期総長選挙、理事選挙が実行される前に、総長選挙実施細則ならびに理事会規定をなんとしても変えよう引き続き学園の私物化を図ろうと策動するだろう。学内の良識ある人々は、当面の闘いを展開しつつ、寄付行為の理事規程ならびに総長選挙規定施行細則の改正を実現する取組を急いで立ち上げる必要があるだろう。
(2)200億円を超える竹中工務店との建設契約を常任理事会に諮らないことについて
茨木在住の教職員が茨木キャンパス予定地を通った時「施行 竹中工務店」の看板を見て出勤後「まだ学内で契約も決まりもしていないのに『施行 竹中工務店』の看板が立ってあった。許せない」と発言。それを聞いた別の人も現地に行き写真も撮って確認した。
この情報を聞いて私は久しぶりに現地を訪ねた。現在行われている工事については、別の看板が掲示されている。それは、茨木キャンパス予定地の北側を東西に走りJRの線路下を通る松ヶ本線のトンネル工事である。立命館が購入した敷地を使って行われている(事業主・茨木市、発注者・西日本旅客鉄道株式会社京都土木技術センター 施行・大鉄工業株式会社)。
複数の教職員が見つけ確認した看板は、立命館茨木キャンパス工事に関わる「お知らせ板」いわゆる公示看板で周辺住民に工事の内容の閲覧を認めることを知らせるものである。「閲覧期間 平成25年1月16日―1月29日」でもう終わっていた。その看板の内容として「建築主 学校法人立命館 設計者 竹中工務店 施行者 竹中工務店 敷地面積98.661㎡、建築面積30.882㎡ 延床面積97.800㎡ 用途 大学 階数 地上9階 構造 S造 SPC造 RC造」と明記している。そして、その隣に、建築が予定されている建築物の図面を含めたキャンパス地図を記載し、閲覧の権利を有する居住地域も示されている。これは明らかに施行者が竹中工務店であることを記した公示である。立命館のどこでも決まっていないことを、決まった事のように社会に対して公示した責任は免れない。
建設契約について、「常任理事会に諮らない理由として」森島専務は「契約は理事長の提案事項であり、常任理事会には報告とし(一般)理事会において議決するものである」との趣旨の話をしている。これは先の「専務理事は理事長に任命権限がある」とした長田理事長発言と同様の寄付行為無視と言うか意図的な改悪発言である。これこそ政府・財界が推し進めようとしている教授会軽視、全学合意否定の「大学ガバナンスの課題」(5月2日付日経新聞23面参照)を先取り実施しようとするものである。
① 法律的には学校法人の議決機関は理事会である。しかし立命館においては戦後の改革で
「学内責任の原則」とし「学部長理事制を中心とした学内理事会」を確立し、寄付行為上においても第17条9において常任理事会を制度として置いている。そして寄付行為施行細則第6条(2)において常任理事会は「理事会に提出する案件の審議及び日常業務について協議する」としている。茨木キャンパス施設建設のように200億円を超える契約について常任理事会での審議を経ないで理事長が直接、理事会に諮るなどは立命館の寄付行為の定めに違反するものである。
寄附行為上、理事会では「議決」とし、常任理事会では「審議」としているのは、我が国の法律上、法人の意思決定は理事会であるからである。そのことを持って「常任理事会は単なる審議機関であり、議決事項はものによって直接理事会に諮ってよい」だとか「学校法人を代表して契約するのは理事長であるから、理事長が直接、理事会に提案することに問題は無い」などとするのは、立命館の寄付行為の解釈としては意図的な改悪発言である。これは森島常務(当時)が川本前理事長、長田総長(当時)への退任慰労金支給基準倍化を、常任理事会に諮らず直接理事会で強行した横暴を再び公然と行おうとするものであり許してはならない。
ところで森島常務(当時)は、近頃「契約は理事長事項であり、あらかじめ方向が確認されていれば、常任理事会に諮る必要はありません」との趣旨の発言をしていた。これに対して、私は、審議できないほどの膨大な量の規定の改定(変更)を提出した時に、学部長理事を含めた他の理事に気づかれないように契約事項についての改悪している可能性があると指摘してきた。
この私の推測を証明する事態が明らかになった。理工学部の辻下徹先生の2012年5月13日付のメールを見ると、2010年に契約事務取扱規程を変更していたとされている。そこでは「随意契約」とすることができるようにされるとともに理事長による「秘密専決契約」を可能とするように変更されていたとされている。私は2010年3月末で退職し「立命館 例規集」は「2009年度版(2009年5月1日)現在」しか所有していないし、ネットでの検索も外部者であるのでできなかったので、この改悪された規定は手に入れていなかったが学内関係者は是非、確かめる必要があるだろう。
また辻下先生のメールによると2006年に学校法人経理専決規定が改定され、それまでの「理事長の決裁を1億円以下」としていたのを「1億円以上」と変更されるとともに上限が記載されていないと記されている。手元の例規集を見ると以前の規定は記載されていないが、2006年7月21日に現行の規定が作られ、2009年3月27日に一部改訂されたとしている。「1億円以上」(上限規定無し)という文言が2006年の制定時に入れられたのか、2009年改定時に記されたのかは例規集を見るだけでは分からない。
しかし理事長以外の他の役員の項では、例えば専務理事の専決決裁として「5000万円以上1億円未満」とされているのに対して、理事長の項だけ「1億円以上」とされ上限が記載されていない。これは明らかに規定上、あってはならない規定である。通常は「1億円以上、5億円以下」等と規定されるものである。「上限規定の無い経理規程」はおよそ経理規程とは言えない。
a契約取扱規程において随意契約、理事長による秘密契約、そしてb経理専決規程において理事長に上限の無い専決決裁、この二つが同じ時期に密かに導入され、今回の事態を招いているのである。
これは私が、理事会の構成を総長、理事長推薦を過半数としてきたのは川本前理事長による計画的組織的クーデターと称したのと同じく、会計・契約事項におけるクーデター的行為であり、学園の私物化行為である。
しかしこの変更を根拠に理事長によって200億円を超える茨木キャンパスの建設契約を常任理事会にも諮らず事後報告とするなどは二重に無効である。すなわち立命館の常任理事会規定(寄付行為)に違反した規定は無効であること。学部長理事などに気づかれないように膨大な文書の中に潜り込ませて「議決」した規定などは有効でない。
この馬鹿げた「規定」を広く学内外に知らせ、撤回を求める必要があるし、同時に、圧倒的多数の理事に気づかれないように、姑息なやり方で、この規定を「通した」も長田理事長、森島常務の責任は免れない。
最後に
なお既に記載していることであるが、私が2010年当初に「立命館はサッポロホールディングスから2010年10月末までに茨木のサッポロビール工場跡地を購入し、その施設建設は2015年の開講に向けて、竹中工務店に発注するとの密約がある可能性が高い」と指摘した。
その後、多少の決定延期申し入れの下、2010年11月にサッポロホールディングスから土地を購入した。そしてこの度、竹中工務店と建設契約を結ぼうとしている、私が2010年の春に指摘したことは逃れられない事実として実行されようとしている。
ところで以前にも指摘したことであるが、当初、森島常務(当時)は立命館は使用する9haを160億円で購入するとしていた。ところが途中で、森島常務の提案で茨木市が購入する3haを立命館が30億円立て替えて購入した。これは手続き的にも問題であるが同じ道路に囲まれた土地である茨木市分は1ha当たり10億円に対して立命館分は1ha当たり17.7億円で購入している。茨木市が購入した1haあたり10億円で計算すれば立命館の9haは90億円であり、少なく見積もっても70億円高い買い物である。この特段に割高な買い物の理由について長田理事長、森島専務は全学に対して説明する義務がある。
これら一連の問題を見るにつけ長田理事長、森島専務、竹中工務店から話を持ち込んだ志方財務部長、全学の反対を押し切って多数決決定・「総長預かり」を行ってきた川口総長の言動について知れば知るほど誰しもが、竹中工務店などの企業との癒着の疑念を持たざるを得ない。私が既に提起しているように、外部の第三者も入った茨木問題特別調査委員会を設置し、あらゆる疑問について徹底的に調査し公表する必要があるだろう。その結果に基づいて、明らかになった問題の性格に応じて厳格な措置を検討せざるを得なくなるだろう。
財政展望を巡る、不安をごまかすために当初から予定されていた市街地整備事業に伴う補助金を、あたかも新たな補助金が出たように言ってみたり、疑惑のある契約審議を常任理事会に諮らず、直接(一般)理事会に諮るのは、常任理事会での審議を恐れるからである。
なおこれは学部長理事の皆さんが「外部理事もおられる場所で、学内が分裂し争っているように見えるのは避けたい」との善意の判断から、一般理事会ではあえて反対や疑問の態度を鮮明されないことを利用した悪巧みである。
しかし2010年11月の土地購入時に比べて分かりやすくなっている。5学部長声明の賛同学部長を増やし、全学に広げ、教職員組合とも協力して学外理事にも働きかける必要があるでしょう。
学部長理事の皆さんは、このような学園史上稀な悪巧みに手を貸すことなく、教授会や職場の疑問・不安の解決に努力される必要があるでしょう。また長田理事長等がそれを無視して強行するのであれば、210億円をオーバーした時には、森島専務等には損害賠償と職を辞することを議事録に明記させるか、誓約書を提出させておくべきであろう。また「一時金訴訟をすすめる会」の貴重な経験を生かし、損害賠償を求める運動の検討を期待する。
なお新しく学部長になられた皆さんは、一時金1カ月カット問題や茨木問題をはじめとする2005年以来の立命館の混乱と克服の方向を記した拙著『立命館の再生を願って』(風涛社)や最近では「NO18、NO19 常任理事ならびに関係各位へ」を参考にしていいだければ幸いである。
なお2012年2月に発刊した『立命館の再生を願って』以降に「常任理事ならびに関係各位へ」として発表してきた文書ならびに資料は、現在、この問題専用のブログを立ち上げ掲載を開始しましたので、それを参照してください。
スズキ ゲンさんのブログ もしくは 立命館の再生を願って を検索すれば出てきます。
                                    以上








NO19 常任理事ならびに関係各位

2013-10-11 21:51:14 | 立命館の再生を願って
NO19 常任理事並びに関係各位へ
大阪茨木キャンパスと財政展望、名誉役員規定の改定など。
2013年4月20日 元・総長理事長室室長 鈴木元
目次
はじめに
(1) 立命館の戦略的重点は財政的負担の多きすぎる茨木開設なのか、教育研究の質的向上なのかが問われている。
(2) 大阪茨木キャンパス開設以外は予算を大幅削減する計画。
(3)教職員の批判をかわし責任を取らないために、その場の思いつきでの耳触りの良い事を言ってきたつけが回ってきた。
(4) 一時金問題で8年に渡って学内を混乱させてきた、長田理事長、川口総長、森島専務理事は責任を明確にしなければならない。
(5)政策決定と執行・責任の問題
(6)名誉役員に川本八郎前理事長? どこまでもけじめをつけず、罪をかばい合う。
(7) 理事長選任規定ならびに理事選任規定の制定、総長選任施行細則の改定が必要。


はじめに
 今年に入って、学校法人立命館において、繰り返し、大阪茨木キャンパス開設ともかかわって2020年に向けての財政展望についての会議が行われている。それらの検討会議の結論として、茨木キャンパスの開設は「財政的に可能である」と述べられている。
そのような事をわざわざ繰り返し述べなければならない背景には、移転予定の最大学部である経営学部をはじめとして全学から大阪茨木キャンパス開設について財政的不安・疑問が強まっているからである。
4月10日の常任理事会において、改めて茨木移転とかかわって財政見通しについての説明を求める意見が出された。これに対して長田理事長は「(深刻な財政的展望を)私はそんな話は聞いていない。わしが本当に危ないと思えば、茨木がなんかたたき売ってやる」との趣旨の無責任な暴言を吐いた。参加していた学部長をはじめとする常任理事各位は「今頃になって何を言っているのか」と批判。川口総長がいつものように先送り発言として「経営学部からの要望もあり、24日に議論しましょう」と、とりなした。学部長理事を含めて出席していた人々の大半は、つくづく「こんなことを繰り返していては、立命館はだめになる」と思わざるを得なかったと考えられる。
同じく4月10日の常任理事会に提出された名誉役員規定改定など最近、全学に提出されている文書に基づいて立命館を巡る問題について検討を行うことにする。

(1)立命館の戦略的重点は財政負担が大きすぎる茨木開設なのか、教育研究の質的向上なのかが問われている

1)財政検討の各種文書を見ると「大阪茨木キャンパス(以下、OIC)の開設は財政的に可能である」と強調している。今重要なことはOICの開設が「財政的に可能であるかどうか」ではなく、限りある財政の下で、今後の立命館にとって何が戦略的に重点であるかである。
開設予定のOICには、既存学部である経営学部と政策科学部の移転が予定されてきた。既存学部の移転であるから財政的に収入増は無い。その移転の為に土地代160億円、施設建設のために最低210億円(消費税の引き上げ、物価上昇の政策もあり、おそらく、この額ではできないと推察される)計370億円が予定されている。
さらに独自キャンパスを維持管理するために経常費として毎年18.5億円増が必要であるとしている。3キャンパスとなるために独自に一般教育、語学教育、教職教育などを行わざるを得ないが、その必要経費については、いまだに提示されていない。おそらく維持管理費用(18.5億円)と合わせて毎年最低20億円以上の出費増となるだろう。
2)立命館の到達点から言って、そして2018年から始まる第2次18歳人口減を前にして、国公私立大学を問わず教育・研究の質的向上が最大の課題となっている時、「茨木開設は財政的に可能」を証明することにポイントがあるのではなく(もちろん財政的に不可能など論外である)。限られた財政の下、先に土地ありきで既存学部の移転の為に、全学財政に巨大な負担増を起こすことになることは止め、教育・研究の質向上を重点にお金を回すことが必要である。
全学的な視点で考えれば、経営学部にとって必要な教学改革のための施設の増設は、理工学部と同様にBKCにおいて行えばよい。政策科学部は1400名規模の小さな学部である。衣笠キャンパス内かその周辺で確保する努力を行うべきだろう。そうすれば370億円ではなく2学部合わせても、せいぜい100億円以内で済むだろうし、毎年の20億円の出費増は必要でなくなる。
どちらを取るのが立命館の将来にとってベターなのかは明瞭だろう。
3)その上「経営学部と政策科学部(合計で約6000名程度)だけではOICは赤字となるので、10000-12000名規模にする必要があり、心理総合系学部さらにアジア共生学部を作る必要がある」と、まことしやかに語られている。第二次18歳人口減が迫っている今の時期に定員を増やすと言うのか。早稲田大学では定員削減が計画されている。
これでは「満蒙は日本の生命線」と満州侵略を行い、「満州を守るためには北支を」と日中戦争をはじめ、中国全土に戦争を広げ、戦争遂行の為に東南アジアの資源の確保が必要と侵略、そして対米英戦へ突入して行ったのと同じ思考と無責任な行動である。
私を含めて、新キャンパス確保反対論者は居なかった。衣笠キャンパス狭隘克服のために山之内をはじめとし京都市内にしかるべき土地を確保することに反対はしていなかった。
問題は長田理事長や川口総長、森島総務担当常務理事(当時)が一時金カット、慰労金倍額支給での全学からの批判をそらせるために「将来の立命館のためを考えた決断」なとど、大見得をきって、明確な教学展望もないまま、竹中工務店に踊らされて土地を購入してしまったことである。説明がつかない中で「茨木は関大に勝つために購入したのだ」(長田理事長)などと支離滅裂滅なことを言ったりしてきた。そして先の「本当に財政が危ないなら。茨木の土地なんか叩き売ってやる」などの暴言となった。
傷口を広げない内にストップして責任を取る勇気を持たず、ずるずると傷口を広げている無責任集団と化している。
4)なお付記すると、森島常務等が山之内購入案をつぶし茨木購入を強引に行おうとした当時、私は京都駅前の土地を含めて幾つもの候補地があることを知っていたので「茨木でなくても京都市内にも適当な候補地がある」と指摘した。今回、西京区にある京都芸術大学が京都駅前の市有地を中心に京都市に移転提案を行っている。ここは新幹線も停車する京都市の玄関口であり、衣笠とBKCの中間にあり、どうしても政策科学部のために土地が必要であれば、この土地の一部を購入するのも一案であったが「時既に遅し」である。
茨木にしがみついている内に、山之内も京都駅前も確保できないことになった。今となっては政策科学部の新校舎は衣笠キャンパスの内外で確保するのがベターであろう。
(2)大阪茨木キャンパス開設以外の予算は大幅削減する計画
1)論議のために提出されている文書を見ると、予算削減計画が目白押しである。奨学金予算を30億円から20億円にする。経常的な物件費を3-5%のマイナスシーリングし、2013年度で6億円削減する。非常勤講師など非専任教員人件費で4.5億円を削減する。
いずれも先に削減金額を明示している。限られた予算の中、効果ある施策なのかどうかを検討した結果、削減する事もありうる。そうではなく先に削減金額目標があって、検討すると言うのは教育機関として本末転倒だろう。
2)奨学金は2011年度の全学協議会で合意したばかりであり、2012年から2016年の実施を義務付けられている。非常勤講師や、特任講師などは正課科目を担当している。そのカリキュラムを軸にした教学も全学協議会での学生との合意事項である。
2011年の全学協議会において「今日における教学の在り方」の議論の上で、カリキュラムが決まり、精選すべき科目、担当教員が決まったまのである。それを変更するような実情に即した具体的な議論も無く科目と教員数の削除などありえない。
新たに専務理事となった森島朋三、高橋英幸財務担当常務、そして志方弘樹財務部長のいずれも教学部で仕事をしたことが無い。科目精選を行うにはどのような教学的議論が必要であり、どのような手続きで行うのかとの思慮が無い。財源捻出のために「机上の計算」による削減提案をしただけである。こんなことを機械的に実行しようとすれば現場で混乱を起こすだけであろう。
3)増収の対象として休学者、留年者に対する徴収額の改定を提起している。
近年の立命館が他大学に比して異常に多いのが休学者、留年者、中途退学者の数とその比率である。立命館大学を志願し入学してくれた学生達とそれを支えてくださった保護者の皆さんに対して、立命館の教育力が根本的に問われているのである。
大学として深い分析の上で抜本的対策を立てることが先決である。
ところが「分析が必要である」としながらも、何の分析も対策も提示せず、徴収の額と方法の問題だけを提起し、新たな徴収増の目標額を提起するに至っては、大学として根本的にずれているとしか言いようがない。世間の人が知れば「かつて教育熱心であった立命館はどうなっているか、今の立命館大学は、お金の事しか考えない大学になったのか」と疑いを持つことになるだろう。

立命館大学  休学者数 602名 留年者数 2450名 中途退学者数  604名
1,88%      7.4%         1.8% 
 他の9私大平均              4.9% 1.1%
                         
(3)教職員の批判をかわし責任を取らないために、その場の思いつきでの耳触りの良い事を言ってきたつけが回ってきた。
1)こうしたことが起こる原因は、一つは、増収のめども無いままに毎年20億円近い出費増が必要となるOIC開設問題である。もう一つは今次計画の出発点に問題があった。今回の財政文章の中にも記載されているが、学生定員ならびに学費は現状を維持しながら、教員の対学生比率は高める。予算定員は1.15を1.10とするとした。これでは財政が持つはずがないことは子供の計算でも分かることである。
当時、教職員の一時金を1カ月カットしておきながら川本理事長と長田総長の退任慰労金支給基準を倍化したことにたいする批判が高まり、長田理事長、川口総長、森島常務の退任を求める大きな世論があった。それに対して川口総長と森島常務のイニシアチブで長田理事長を説得して、その場かぎりの「満空の反省」を語り、「全学合意の尊重」を言い、そして「学費も学生定員も上げません」「対学生比の教職員を増やします」と耳触りの良いことを言って、辞任に追い込まれる危機を乗り越えようとしたのである。
2)しかし嘘であった。「全学一致などありえない」と学外理事の数も借りて①茨木の土地購入も②基本設計も、③総合心理系学部2016年創設も、立命館の100年を超える歴史上初めて多数決で押し切ってきた。
迎合的装いで提起した対学生比教員の向上を、学生定員増、学費値上げ無しに実現しようとすれば、安定した寄付政策以外にない。前川本理事長には功罪があるが、寄付を集めると言う点では立命館の為に先頭に立って奮闘した。BKCの開設にあたって校地と整地費用(70haを合わせて135億円)を滋賀県と草津市から寄付していただいた(茨木は9haを160億円で購入)。また理工学部の拡充の為に60億円を超える寄付を集めた。APUの開設にあたっては校地とともに校舎(合わせて220億円)も大分県と別府市からの寄贈を受け、留学生の為に44億円の寄付を集めた。もちろん、大南総長とのタイアップ、志に基づく教職員の団結した献身的な取り組みがあったからであり、川本理事長だけの取組ではなかった。
3)しかし長田理事長や川口総長、森島専務は学園創始130年、創立100周年寄付(目標150億円)を集める為にどのような努力をしたのか。3名とも、ほとんどまともに何も行動していない。一時金一カ月カット、慰労金支給基準倍額を行った長田理事長、川口総長、森島専務が責任を取らない限り、教職員は寄付集めの為に意欲をもつて動くことはないであろう。また卒業生や父母は、足羽慶保の学歴詐称に立命館が組織的に関与し、足羽衣史に対して2億1000万円もの違法支払いを行ってきた長田理事長や川口総長、森島専務が責任も取らず居直っている限り積極的に寄付をされることは無いだろう。今日では年間の寄付金額は同志社どころか関大にさえ遅れを取っている。
 立命館がまとまった寄付を集めようとすれば、学内に不団結をもたらし、社会的信用を傷つけてきた長田理事長、川口総長、森島専務が辞めない限り、学部エゴで予算獲得競争が起こったり、面従腹背が進行しても教職員が意欲を持って立命館の為に寄付を集めたり、父母をはじめとした社会的支持の下で寄付が集まることは無いだろう。
 なおマスコミでも取り上げられたことであるが、衣笠キャンパスにおける新図書館建設にあたって莫大な寄付が行われることになった。これは吉田美喜夫元法学部長・元図書館長(立命館大学卒業生)の永年の努力によるものであり、長田理事等は何らかかわっていない。
(4)一時金問題で8年に渡って学内を混乱させてきた、長田理事長、川口総長、森島専務理事は責任を明確にしなければならない。
1)NO18で一時金問題について触れた。経過において道義的にも労使慣行においても法人側が社会的に指弾されるべきであるが、教育機関としては速やかに和解すべきである。私は2007年7月に和解すべきであると長田理事長に進言していた。
NO18以降、4月9日、大阪高等裁判所において裁判官のイニシアチブで和解協議が行われた。途中経過は省略する。
① 京都地裁における判決は法人側が敗訴し2億3000万円を支払えと言うものであった
② 学内において関係者に長田理事長から報告された内容は「a、裁判所から1億3250万円の和解金額が提案された。b、現職の全教職員に対して今年の夏の一時金に一人当たり一律5万円を上乗せする」と言う事であった。
③ 次回、5月7日に最終協議を行うことになった。
訴訟団は4月26日に総会を開催し、態度を決定するとのことである。
理事会は、今回の和解を潰すようなことを行ってはならない。
2)この和解が成立することは
① 「一時金訴訟において理事会側が地裁で敗訴し、②高裁において裁判所からの調停を
受諾し、③原告に対して、法人側が当初言っていた9000万円とか地裁判決の半額の1億1500万円ではなく、高裁から提起された1億3250万円をベースに支払い ④原告を含む全教職員に対して今年の夏の一時金において一律5万円を上積みして支払う。」
と言う事を法人側が認めることであり、訴訟団が全面勝利に近いことになり、全国で同様の問題で闘っている訴訟団を激励することになるだろう。
なお全専任教職員に対して今年の夏の一時金において一律に5万円を上積みすると言う事は、8年に及ぶ訴訟団の闘いの勝利が、全教職員に及んだことの反映である。
3)長田理事長等はとある財界人から「訴訟団だけに対応すれば、理事会側は訴訟団に負けたということになるから、訴訟団に支払う額を減らし、全教職員にも対応し、理事会は全教職員のことを考えている。と言う姿勢を示した方がよい」とのアドバイスを受けていた。それが当初、理事会側が提起した「訴訟団に9000万円、全教職員に対して9000万円の見舞金を支給する」という提起であった。しかし今回、訴訟団への和解金を支払ったうえで、訴訟団構成員を含む全専任教職員の夏の一時金に一律5万円上積みすると言う事に追い込まれた。「見舞金」ではなく、一時金の一律上積みの実績は、次年度以降後の春闘の新たな闘いの成果となるだろう。
同時に2005年以来8年間に渡って学園を混乱させ、自らの責任回避のために何度もあった和解のチャンスをつぶし、教職員に不団結を作り出してきた長田理事長、森島専務、川口総長は責任を明確にして辞任しなければならない。
(5)政策決定と執行、責任の問題
1)ここで政策決定と、その執行、および責任問題について触れておく。政策においては絶対的真理などない。全体状況を考えた上での相対的選択である。
① 立命館の一時金(月数)が社会的に見て妥当かどうかでは意見の分かれるところであった。
主として学費と国からの補助金で成り立っている私学の一時金の月数が極端に多い事は、社会的な支持を受けられないので減らすべきであると言うのも一つ意見である。
② 同時に現行の立命館の一時金が大手私学の中では一番低い方であり、必ずしも社会的に
高いとは言えない。とりわけ立命館の一時金は成果給ではなく一律支給されていて、生活給の一部をなしており、労使の合意なしに一方的にカットはできない。と言うのも真理である。
しかし最大の問題は、当時の教職員には根拠があいまいな「社会的水準」を主張しておきながら、カットの提案者たちが自らの役職退任慰労金(退職金ではない)を倍額にし、他の私学に対して極端に高い慰労金を受け取ったことによって、提案者たちは道義的退廃をさらけ出すことになった。
2)政策の是非については意見の相違があってよい。しかし提案者たちが私利私欲で学園運営を行い道義性に欠ける対応をし、責任回避のために何回もあった和解の機会をことごとく潰して8年に渡って混乱させてきたことが、その執行を困難にし、今回社会的に破綻したのである。
高等教育機関である大学は、教育・研究など自発的労働に基づいて成り立っている。その大学で多数の教職員と裁判で何年も争い、不団結を広げたことが大学にとって最大の損失であった。今回理事会が高裁の和解調整に応じて和解金と全教職員に対する一時金の上積みを支払ったとしても、この間の混乱と不団結を作り出したことと、その責任は消えない。
常識的に言って長田理事長、川口総長、森島専務理事の3名の辞任は免れない。裁判になる前に撤回していたら森島総務担当常務理事(当時)の解任程度で済んだが、8年に渡って、ここまでの混乱をさせてきて、事実上、全面敗北をしたのだから、関係者は総辞職しなければならないだろう。それが世間のまた経営者の世界の常識である。
3)OICについても同様である。例えOIC開設が一つの政策的判断として成り立つとしても、立命館の過半数の学生・教職員が在籍している5学部が反対している下で一般教育、外国語教育などでどうして積極的な全学的協力を引き出せるのか。教学構想の具体化も出来ていない総合心理系学部を2016年に開設することを再び多数決で決定したが、主体的担い手がいない下で、どう具体化を図るのか。さらに教学内容も決まっていないのに昨年の5月に基本設計を決め、近く竹中工務店と建設契約を結ぼうとしいているが。教学内容が決まれば新築の建物の改造を行うのか。移転予定最大学部である経営学部教授会から、その財政的見通しについて圧倒的多数の人が不安を呈している時に「既に決まっていることだ」と押し切っても、当事者は意欲的になれないだろう。
奨学金の削減、非専任教員の削減をはじめとして毎年約30億円の予算を削減してどうして教育・研究の質的向上を図ることができるのか。強行しようとすればするほど学内の亀裂は大きくなり自発的な改革の執行は困難になるだけである。それが今後の立命館にとってどれほどの損失となるかが分からないところに、これらの人々の教育者としての、そして学校経営者として根本的な欠陥である。
(6)名誉役員(顧問)に川本八郎前理事長? どこまでもけじめをつけず、罪をかばい合う。
1)4月10日の常任理事会に名誉役員規定改定案が提起された。今後は歴代の理事長、総長、副理事長、理事であった副総長、専務理事が退任した時は名誉役員とするとのことである。なぜ今時、名誉役員規定の改定なのか。川本八郎前理事長・現顧問に対する処遇である。
① 昨年(2012年)7月、足羽慶保の学歴詐称が明るみになった。川本八郎前理事長が組織
的に関与し、当時の理事会に末川博先生が総長の時代の理事会において「本学を卒業どころか一時的に在籍したことも無い」ことが確認されていた足羽慶保を立命館卒業生として理事に選任することを諮り議決し、文部科学省に学歴詐称の経歴のまま提出した。②これは2010年1月に発覚した、足羽慶保の死後、その夫人である足羽衣史に生涯、年約1000万円の特別手当を支給するとの密約による「公正証書」の存在が明らかになったことに続く違法背任行為の露見であった。
当然、即刻、川本八郎前理事長の顧問の解任と、背任に対する返還訴訟が必要であった。しかし川本前理事長に後継者として推薦された長田理事長、川口総長、森島常務にはできなかった。それでも理事のみ会議において、長田理事長は「直ちに顧問の解任はしないが、来年度(2013年)は顧問に推薦しない」と発言せざるを得なかった。
2)予てから文部科学省から足羽問題(違法支払いと学歴詐称)を巡って「再発防止策を含んだ経過報告書の提出」が言われてきた。また発端を作った責任者である「川本八郎氏を顧問から外す」ことも示唆されていた。しかし川本八郎前理事長から後継者指名を受け、一時金、慰労金、足羽問題で同罪の長田理事長、川口総長、森島常務には学内関係者をはじめ社会的に解任理由を明確にして川本八郎前理事長の顧問解任は出来なかった。
そこで文部科学省には「顧問は解任しました」と報告し、新たな名誉職につける工夫を諮った。ただ相談役や顧問など川本前理事長だけの処遇となる役職は設置できないので、総長、理事長、副理事長、理事であった副総長、専務理事の経験者10名を全て名誉役員とし、その中に川本前理事長をもぐりこませようとしたのである。しかしそれだけでは「なぜ、彼と一緒なのか」と川本前理事長が納得するはずがない。
3)そこで「理事長が認めた名誉役員は、名誉顧問とすることができる」「協力に際し、必要な経費は役員に準じて学内規定を適用する」としたのである。
芦田文夫元副総長、佐々木嬉代三元副総長をはじめとする10名の人々を並べることによって、イチジクの葉として川本前理事長をあくまでもかばい建てしているのである。
唯一学位を発行することができる大学に置いて、学歴詐称に組織的に関与し、ごまかし、支払ってはならないお金を2億1000万円も支払ってきた川本前理事長、長田理事長、川口総長、森島専務理事を名誉役員(名誉顧問)とするような学校法人は、事の真相が社会に知られ広がるにしたがって信用を失っていくだろう。「あの四人がいる限り、この大学は何でありや」「もういい加減にしなさい」と言うのが、学園関係者の正直な気持ちであろう。
(7)理事長選任規定ならびに理事選任規定の改定、総長選任規定ならびに施行細則の改定が必要。
1)なぜ、このような馬鹿げたことがまかり通るのか、どうしたらよいのか。現在の理事会の構成と、選出の仕方に問題があるからであり、来年(2014年)の改選期に向けて改革を求める運動を強化する必要がある。
No18で記したように解任されるべき森島朋三常務理事が、逆に専務に就任した。長田理事長の推薦である。疑問を呈した意見に対して、長田理事長は「専務は理事長に任命権がある」として押し切った、
専務の任務は「理事長及び副理事長を補佐し、主として総務財務に関する日常業務を総括執行する」であるが、理事長に任命権は無い。「理事総数の過半数の議決により、理事の内から・・専務理事1人を置くことができる」(寄付行為第5条3)である。誰が推薦するかと言う点では、「理事長及び副理事長を補佐する」のであるから、理事長が推薦しても不思議ではないが、理事長のみに推薦権があるわけではない。ましてや理事長に任命権などない。他の理事にも推薦権があるだけではなく、反対することもできる。このように学校法人の最高規則である寄付行為で定められていることが、ないがしろにされているところに現在の立命館の機関運営の根本的欠陥がある。
2)しかし近年の一連の混乱した事態を見た時、現行の総選任規定施行細則の改定、理事長選規定の制定ならびに理事の選任規定の改定がどうしても必要である。
1960年代中ごろから1970年代中ごろにかけて立命館を含めて日本の大学では大学改革が課題となって大きな運動が広がった。しかしその時に手が付けられなかったのが理事会の民主化であつた。大学は大学を構成している人々、すなわち教員・職員・学生の意見が反映される民主的仕組みが必要である。教授会の民主化や学生自治会、教職員組合の意見が反映される仕組みを作った大学はあった。しかし当時、立命館を含め、理事会の民主化を掲げ、実現した大学は皆無に等しかった。それどころかむしろ大学改革運動が下火になるにしたがつて理事会構成ならびにその選出方法が改悪されてきた。
2)その全国的な決定的転換が2004年の国公立大学の独立行政法人化であった。それまで各学部教授会を基盤にして選出されていた大学評議会が大学における事実上の最高意思決定機関であったし、総長(学長)は少なくとも全学の教員の参加によって選出されていた。ところが独立行政法人化した段階で、これが根本的に変わった。学外者も入った極少数の理事会が設置され、その下に学部長も入った学内関係者によって構成された教育研究評議会と、学外者も入った経営評議会が設けられた。そして総長(学長)の選任に当たっては理事会の下に学外者も入った学長選考会議が設けられ、そこからの推薦によって理事会で総長(学長)が決められる仕組みとなった。
従来の全教員が参加した総長(学長)選挙は非公式な形で残されたが、例えそこで一位になっても選考会議で別の人が第一位の候補者となり理事会では全学教員の意志と異なる人が総長(学長)に選ばれると言う事が起こった。
当時、立命館の教職員の多くが、これは間違いであり、立命館のようにあくまでも教職員、学生も参加した選挙で総長(学長)を選ぶべきであると考えてきた。
3)しかし2005年の一時金カット以来の立命館の異常事態を検討しなおしたとき、実は立命館においても理事会の構成と選出の仕方が徐々に改悪されてきていたことが明らかになった。
「これだけ大きくなった大学・学園を学部長理事だけでは運営できない」との理由で各種常務理事が設置されてきた。改めて見直してみると常務理事を含めて総長、理事長による推薦理事が理事会の過半数を占める事態となっていた。そして専務理事を含めて常務理事を推薦する理事長(長田豊臣)の選出基盤は何処にも無いことが分かった。
2010年に改訂された総長選挙施行細則に置いて、学校法人立命館が設置する最大の学校である立命館大学において過半数の支持を得なくても総長・学長になれると言う仕組みに改悪されていた。
3)2000年に設置された立命館アジア太平洋大学に置いては学長、2人の副学長、2人の学部長の計5名の理事は全て総長・理事長の任命制にされた。5つの付属学校の校長も全て任命制である。任命制のAPUと附属校を基盤に立命館大学では過半数の支持を得られなくとも総長になれる仕組みにしたのである。そして2010年の総長選挙において立命館大学では過半数を獲得できなかったと推察される川口総長が、どこにも基盤の無い長田豊臣を理事に推薦し、総長・理事長が推薦した理事が過半数を超える理事会において長田豊臣を理事長に選任した。そしてこの長田理事長が同じく何処にも選出基盤の無い森島朋三を理事に推薦し、そして専務理事に推薦・選任したのである。総長と理事長がタッグを組めば永遠に学校法人立命館のイニシアチブを握り続けることができる仕組みにしたのである。これら一連の事は川本八郎前理事長によるまさに時間をかけたクーデター的行為であった。
3)川本前理事長は自分の後任に長田理事長もしくは森島総務担当常務理事だけを推薦したのではない。川口総長を含め、理事長、総長、総務担当常務の三人を一体として推薦して後任体制作ったのである。一時金も慰労金も彼が理事長そして相談役になる時に三人に役割分担させて提案・実行させ同罪にした。川本前理事長が後継者として推薦したものが理事長、総長、常務の内誰か一人だけであれば、学内批判の下で2対1で、森島常務や長田理事長もしくは川口総長の誰かに責任取らせ解任することによって批判をかわすこともあり得たであろう。しかし3人とも川本前理事長に推薦され、一時金、慰労金で共同して動いたことから、誰か1人を解任すれば、続いて自分も解されるだろうと考え、互いにはかばい合ってきた。まさに立命館は川本前理事長が後継者推薦した3名によって乗っ取られたのである。しかしそれが可能になったのは、現行の理事、理事長、総長の選任規定である。
4)私を含めて何人かの人々は個別のケースについては疑問も呈したが、全体として立命館が戦後の改革で推し進めた学部長理事制度が系統的に破壊されて来ていることに気づき体系的に分析し批判する者は無かった。私は「これは甘かった」と反省しなければならないと思っている。私は2012年2月に発刊した『立命館の再生を願って』(風涛社)で初めて体系的に問題点をえぐり、改革方向の試案を提案した。
5)現在、立命館では「機構改革」の論議が行われている。その中間報告などを見る限り、現在の立命館の実情を反映したものが大半を占めている。しかし今日までのところ一番肝心な理事の選任方法、理事長の選任方法、総長選挙規定施行細則については全く触れられていない。触れられていないことが大きな問題であるが、ふれないどころか、今後さらに改悪し、学部長理事制度をさらに骨抜きにしようとする気配が感じられる。
2005年以来の立命館の混乱が、学園内の多数意見を無視して川本前理事長、長田理事長、川口総長、森島常務理事(現専務理事)が学外理事をはじめとする総長・理事長推薦理事を中心に多数決によって強行されて引き起こされてきたことは明白である。
2014年には総長選挙ならびに理事の改選が行われる。彼等はそれに向けてさらに現行制度を改悪しようとしている。近くその案が出てくるだろう。教職員・学生は2年先に向けて理事、理事長、総長選任の方法、学校法人立命館の機構の在り方について抜本的検討を行い、規程案を作成し、その実現を迫る運動を持続的に幅広く展開していく必要があるだろう。戦後間もない時期の総長選挙規定制定、学部長理事制度確立、全学協議会結成に等しい運動を繰り広げる必要があるだろう。
それは4割に満たない得票で8割近い議席を獲得し、憲法の改正によって日本の国家の在り方そのものを反動的に変えようとしているのに反対する闘いと気を一にしている。学園関係者の奮起を期待したい。
追記 警告
「常任理事ならびに関係各位へ」の文書は、最近では、長田理事長(インターネットを使っていない)と森島常務にたいしては送ってこなかった。
しかし前回のNO18において私は「解任すべき森島朋三を専務理事にするなどは許されない」「彼は大学人として不適格である」と項目を挙げて指摘した。その当事者である森島専務に送付しないのは不適切とあると考え、久しぶりに森島専務にも送信した。
ところが数日たった日、私のパソコンにリターンメールが数通あつた。そのメールアドレスを見ると私が送ったメールではなかった。それが日を追うごとに数十通、さらに数百通へと増えていくと同時に私からの発信ができなくなった。マニアによる迷惑メールがたまたま私のパソコンに入り込んだと言うものではなかった。
あれこれ試みたが素人の私には回復できなかった。専門業者を呼びプロバイダーの協力も得てようやく回復した。
森島専務にそこまでの知識・技術があるとは考えられない。
しかし誰が行ったにせよ、私のパソコンに侵入し、ここまでの妨害・破壊行為を行う事は明らかな犯罪行為である。再度行われる危険性があるが、その場合はプロバイダーとも協力して犯罪行為として対応せざるを得ないことを警告しておく。
私は無責任な書き込みには賛成しないので、今日まで立命館の問題についてブログごとツイターは使わず常任理事会出席者等に限定してメールを送ってきた。そのメールに対してパソコンごと破壊活動をするのなら、今後、ブログやツイターなども使って広く情報・提言を社会的に発信することも考えざるを得ない。

鈴木元 日本ペンクラブ会員、日本ジャーナリスト会議会員、かもがわ出版取締役、中国(上海)同済大学アジア太平洋研究センター顧問教員、国際環境整備機構理事長。




NO19 常任理事ならびに関係各位

2013-10-11 21:51:14 | 立命館の再生を願って
NO19 常任理事並びに関係各位へ
大阪茨木キャンパスと財政展望、名誉役員規定の改定など。
2013年4月20日 元・総長理事長室室長 鈴木元
目次
はじめに
(1) 立命館の戦略的重点は財政的負担の多きすぎる茨木開設なのか、教育研究の質的向上なのかが問われている。
(2) 大阪茨木キャンパス開設以外は予算を大幅削減する計画。
(3)教職員の批判をかわし責任を取らないために、その場の思いつきでの耳触りの良い事を言ってきたつけが回ってきた。
(4) 一時金問題で8年に渡って学内を混乱させてきた、長田理事長、川口総長、森島専務理事は責任を明確にしなければならない。
(5)政策決定と執行・責任の問題
(6)名誉役員に川本八郎前理事長? どこまでもけじめをつけず、罪をかばい合う。
(7) 理事長選任規定ならびに理事選任規定の制定、総長選任施行細則の改定が必要。


はじめに
 今年に入って、学校法人立命館において、繰り返し、大阪茨木キャンパス開設ともかかわって2020年に向けての財政展望についての会議が行われている。それらの検討会議の結論として、茨木キャンパスの開設は「財政的に可能である」と述べられている。
そのような事をわざわざ繰り返し述べなければならない背景には、移転予定の最大学部である経営学部をはじめとして全学から大阪茨木キャンパス開設について財政的不安・疑問が強まっているからである。
4月10日の常任理事会において、改めて茨木移転とかかわって財政見通しについての説明を求める意見が出された。これに対して長田理事長は「(深刻な財政的展望を)私はそんな話は聞いていない。わしが本当に危ないと思えば、茨木がなんかたたき売ってやる」との趣旨の無責任な暴言を吐いた。参加していた学部長をはじめとする常任理事各位は「今頃になって何を言っているのか」と批判。川口総長がいつものように先送り発言として「経営学部からの要望もあり、24日に議論しましょう」と、とりなした。学部長理事を含めて出席していた人々の大半は、つくづく「こんなことを繰り返していては、立命館はだめになる」と思わざるを得なかったと考えられる。
同じく4月10日の常任理事会に提出された名誉役員規定改定など最近、全学に提出されている文書に基づいて立命館を巡る問題について検討を行うことにする。

(1)立命館の戦略的重点は財政負担が大きすぎる茨木開設なのか、教育研究の質的向上なのかが問われている

1)財政検討の各種文書を見ると「大阪茨木キャンパス(以下、OIC)の開設は財政的に可能である」と強調している。今重要なことはOICの開設が「財政的に可能であるかどうか」ではなく、限りある財政の下で、今後の立命館にとって何が戦略的に重点であるかである。
開設予定のOICには、既存学部である経営学部と政策科学部の移転が予定されてきた。既存学部の移転であるから財政的に収入増は無い。その移転の為に土地代160億円、施設建設のために最低210億円(消費税の引き上げ、物価上昇の政策もあり、おそらく、この額ではできないと推察される)計370億円が予定されている。
さらに独自キャンパスを維持管理するために経常費として毎年18.5億円増が必要であるとしている。3キャンパスとなるために独自に一般教育、語学教育、教職教育などを行わざるを得ないが、その必要経費については、いまだに提示されていない。おそらく維持管理費用(18.5億円)と合わせて毎年最低20億円以上の出費増となるだろう。
2)立命館の到達点から言って、そして2018年から始まる第2次18歳人口減を前にして、国公私立大学を問わず教育・研究の質的向上が最大の課題となっている時、「茨木開設は財政的に可能」を証明することにポイントがあるのではなく(もちろん財政的に不可能など論外である)。限られた財政の下、先に土地ありきで既存学部の移転の為に、全学財政に巨大な負担増を起こすことになることは止め、教育・研究の質向上を重点にお金を回すことが必要である。
全学的な視点で考えれば、経営学部にとって必要な教学改革のための施設の増設は、理工学部と同様にBKCにおいて行えばよい。政策科学部は1400名規模の小さな学部である。衣笠キャンパス内かその周辺で確保する努力を行うべきだろう。そうすれば370億円ではなく2学部合わせても、せいぜい100億円以内で済むだろうし、毎年の20億円の出費増は必要でなくなる。
どちらを取るのが立命館の将来にとってベターなのかは明瞭だろう。
3)その上「経営学部と政策科学部(合計で約6000名程度)だけではOICは赤字となるので、10000-12000名規模にする必要があり、心理総合系学部さらにアジア共生学部を作る必要がある」と、まことしやかに語られている。第二次18歳人口減が迫っている今の時期に定員を増やすと言うのか。早稲田大学では定員削減が計画されている。
これでは「満蒙は日本の生命線」と満州侵略を行い、「満州を守るためには北支を」と日中戦争をはじめ、中国全土に戦争を広げ、戦争遂行の為に東南アジアの資源の確保が必要と侵略、そして対米英戦へ突入して行ったのと同じ思考と無責任な行動である。
私を含めて、新キャンパス確保反対論者は居なかった。衣笠キャンパス狭隘克服のために山之内をはじめとし京都市内にしかるべき土地を確保することに反対はしていなかった。
問題は長田理事長や川口総長、森島総務担当常務理事(当時)が一時金カット、慰労金倍額支給での全学からの批判をそらせるために「将来の立命館のためを考えた決断」なとど、大見得をきって、明確な教学展望もないまま、竹中工務店に踊らされて土地を購入してしまったことである。説明がつかない中で「茨木は関大に勝つために購入したのだ」(長田理事長)などと支離滅裂滅なことを言ったりしてきた。そして先の「本当に財政が危ないなら。茨木の土地なんか叩き売ってやる」などの暴言となった。
傷口を広げない内にストップして責任を取る勇気を持たず、ずるずると傷口を広げている無責任集団と化している。
4)なお付記すると、森島常務等が山之内購入案をつぶし茨木購入を強引に行おうとした当時、私は京都駅前の土地を含めて幾つもの候補地があることを知っていたので「茨木でなくても京都市内にも適当な候補地がある」と指摘した。今回、西京区にある京都芸術大学が京都駅前の市有地を中心に京都市に移転提案を行っている。ここは新幹線も停車する京都市の玄関口であり、衣笠とBKCの中間にあり、どうしても政策科学部のために土地が必要であれば、この土地の一部を購入するのも一案であったが「時既に遅し」である。
茨木にしがみついている内に、山之内も京都駅前も確保できないことになった。今となっては政策科学部の新校舎は衣笠キャンパスの内外で確保するのがベターであろう。
(2)大阪茨木キャンパス開設以外の予算は大幅削減する計画
1)論議のために提出されている文書を見ると、予算削減計画が目白押しである。奨学金予算を30億円から20億円にする。経常的な物件費を3-5%のマイナスシーリングし、2013年度で6億円削減する。非常勤講師など非専任教員人件費で4.5億円を削減する。
いずれも先に削減金額を明示している。限られた予算の中、効果ある施策なのかどうかを検討した結果、削減する事もありうる。そうではなく先に削減金額目標があって、検討すると言うのは教育機関として本末転倒だろう。
2)奨学金は2011年度の全学協議会で合意したばかりであり、2012年から2016年の実施を義務付けられている。非常勤講師や、特任講師などは正課科目を担当している。そのカリキュラムを軸にした教学も全学協議会での学生との合意事項である。
2011年の全学協議会において「今日における教学の在り方」の議論の上で、カリキュラムが決まり、精選すべき科目、担当教員が決まったまのである。それを変更するような実情に即した具体的な議論も無く科目と教員数の削除などありえない。
新たに専務理事となった森島朋三、高橋英幸財務担当常務、そして志方弘樹財務部長のいずれも教学部で仕事をしたことが無い。科目精選を行うにはどのような教学的議論が必要であり、どのような手続きで行うのかとの思慮が無い。財源捻出のために「机上の計算」による削減提案をしただけである。こんなことを機械的に実行しようとすれば現場で混乱を起こすだけであろう。
3)増収の対象として休学者、留年者に対する徴収額の改定を提起している。
近年の立命館が他大学に比して異常に多いのが休学者、留年者、中途退学者の数とその比率である。立命館大学を志願し入学してくれた学生達とそれを支えてくださった保護者の皆さんに対して、立命館の教育力が根本的に問われているのである。
大学として深い分析の上で抜本的対策を立てることが先決である。
ところが「分析が必要である」としながらも、何の分析も対策も提示せず、徴収の額と方法の問題だけを提起し、新たな徴収増の目標額を提起するに至っては、大学として根本的にずれているとしか言いようがない。世間の人が知れば「かつて教育熱心であった立命館はどうなっているか、今の立命館大学は、お金の事しか考えない大学になったのか」と疑いを持つことになるだろう。

立命館大学  休学者数 602名 留年者数 2450名 中途退学者数  604名
1,88%      7.4%         1.8% 
 他の9私大平均              4.9% 1.1%
                         
(3)教職員の批判をかわし責任を取らないために、その場の思いつきでの耳触りの良い事を言ってきたつけが回ってきた。
1)こうしたことが起こる原因は、一つは、増収のめども無いままに毎年20億円近い出費増が必要となるOIC開設問題である。もう一つは今次計画の出発点に問題があった。今回の財政文章の中にも記載されているが、学生定員ならびに学費は現状を維持しながら、教員の対学生比率は高める。予算定員は1.15を1.10とするとした。これでは財政が持つはずがないことは子供の計算でも分かることである。
当時、教職員の一時金を1カ月カットしておきながら川本理事長と長田総長の退任慰労金支給基準を倍化したことにたいする批判が高まり、長田理事長、川口総長、森島常務の退任を求める大きな世論があった。それに対して川口総長と森島常務のイニシアチブで長田理事長を説得して、その場かぎりの「満空の反省」を語り、「全学合意の尊重」を言い、そして「学費も学生定員も上げません」「対学生比の教職員を増やします」と耳触りの良いことを言って、辞任に追い込まれる危機を乗り越えようとしたのである。
2)しかし嘘であった。「全学一致などありえない」と学外理事の数も借りて①茨木の土地購入も②基本設計も、③総合心理系学部2016年創設も、立命館の100年を超える歴史上初めて多数決で押し切ってきた。
迎合的装いで提起した対学生比教員の向上を、学生定員増、学費値上げ無しに実現しようとすれば、安定した寄付政策以外にない。前川本理事長には功罪があるが、寄付を集めると言う点では立命館の為に先頭に立って奮闘した。BKCの開設にあたって校地と整地費用(70haを合わせて135億円)を滋賀県と草津市から寄付していただいた(茨木は9haを160億円で購入)。また理工学部の拡充の為に60億円を超える寄付を集めた。APUの開設にあたっては校地とともに校舎(合わせて220億円)も大分県と別府市からの寄贈を受け、留学生の為に44億円の寄付を集めた。もちろん、大南総長とのタイアップ、志に基づく教職員の団結した献身的な取り組みがあったからであり、川本理事長だけの取組ではなかった。
3)しかし長田理事長や川口総長、森島専務は学園創始130年、創立100周年寄付(目標150億円)を集める為にどのような努力をしたのか。3名とも、ほとんどまともに何も行動していない。一時金一カ月カット、慰労金支給基準倍額を行った長田理事長、川口総長、森島専務が責任を取らない限り、教職員は寄付集めの為に意欲をもつて動くことはないであろう。また卒業生や父母は、足羽慶保の学歴詐称に立命館が組織的に関与し、足羽衣史に対して2億1000万円もの違法支払いを行ってきた長田理事長や川口総長、森島専務が責任も取らず居直っている限り積極的に寄付をされることは無いだろう。今日では年間の寄付金額は同志社どころか関大にさえ遅れを取っている。
 立命館がまとまった寄付を集めようとすれば、学内に不団結をもたらし、社会的信用を傷つけてきた長田理事長、川口総長、森島専務が辞めない限り、学部エゴで予算獲得競争が起こったり、面従腹背が進行しても教職員が意欲を持って立命館の為に寄付を集めたり、父母をはじめとした社会的支持の下で寄付が集まることは無いだろう。
 なおマスコミでも取り上げられたことであるが、衣笠キャンパスにおける新図書館建設にあたって莫大な寄付が行われることになった。これは吉田美喜夫元法学部長・元図書館長(立命館大学卒業生)の永年の努力によるものであり、長田理事等は何らかかわっていない。
(4)一時金問題で8年に渡って学内を混乱させてきた、長田理事長、川口総長、森島専務理事は責任を明確にしなければならない。
1)NO18で一時金問題について触れた。経過において道義的にも労使慣行においても法人側が社会的に指弾されるべきであるが、教育機関としては速やかに和解すべきである。私は2007年7月に和解すべきであると長田理事長に進言していた。
NO18以降、4月9日、大阪高等裁判所において裁判官のイニシアチブで和解協議が行われた。途中経過は省略する。
① 京都地裁における判決は法人側が敗訴し2億3000万円を支払えと言うものであった
② 学内において関係者に長田理事長から報告された内容は「a、裁判所から1億3250万円の和解金額が提案された。b、現職の全教職員に対して今年の夏の一時金に一人当たり一律5万円を上乗せする」と言う事であった。
③ 次回、5月7日に最終協議を行うことになった。
訴訟団は4月26日に総会を開催し、態度を決定するとのことである。
理事会は、今回の和解を潰すようなことを行ってはならない。
2)この和解が成立することは
① 「一時金訴訟において理事会側が地裁で敗訴し、②高裁において裁判所からの調停を
受諾し、③原告に対して、法人側が当初言っていた9000万円とか地裁判決の半額の1億1500万円ではなく、高裁から提起された1億3250万円をベースに支払い ④原告を含む全教職員に対して今年の夏の一時金において一律5万円を上積みして支払う。」
と言う事を法人側が認めることであり、訴訟団が全面勝利に近いことになり、全国で同様の問題で闘っている訴訟団を激励することになるだろう。
なお全専任教職員に対して今年の夏の一時金において一律に5万円を上積みすると言う事は、8年に及ぶ訴訟団の闘いの勝利が、全教職員に及んだことの反映である。
3)長田理事長等はとある財界人から「訴訟団だけに対応すれば、理事会側は訴訟団に負けたということになるから、訴訟団に支払う額を減らし、全教職員にも対応し、理事会は全教職員のことを考えている。と言う姿勢を示した方がよい」とのアドバイスを受けていた。それが当初、理事会側が提起した「訴訟団に9000万円、全教職員に対して9000万円の見舞金を支給する」という提起であった。しかし今回、訴訟団への和解金を支払ったうえで、訴訟団構成員を含む全専任教職員の夏の一時金に一律5万円上積みすると言う事に追い込まれた。「見舞金」ではなく、一時金の一律上積みの実績は、次年度以降後の春闘の新たな闘いの成果となるだろう。
同時に2005年以来8年間に渡って学園を混乱させ、自らの責任回避のために何度もあった和解のチャンスをつぶし、教職員に不団結を作り出してきた長田理事長、森島専務、川口総長は責任を明確にして辞任しなければならない。
(5)政策決定と執行、責任の問題
1)ここで政策決定と、その執行、および責任問題について触れておく。政策においては絶対的真理などない。全体状況を考えた上での相対的選択である。
① 立命館の一時金(月数)が社会的に見て妥当かどうかでは意見の分かれるところであった。
主として学費と国からの補助金で成り立っている私学の一時金の月数が極端に多い事は、社会的な支持を受けられないので減らすべきであると言うのも一つ意見である。
② 同時に現行の立命館の一時金が大手私学の中では一番低い方であり、必ずしも社会的に
高いとは言えない。とりわけ立命館の一時金は成果給ではなく一律支給されていて、生活給の一部をなしており、労使の合意なしに一方的にカットはできない。と言うのも真理である。
しかし最大の問題は、当時の教職員には根拠があいまいな「社会的水準」を主張しておきながら、カットの提案者たちが自らの役職退任慰労金(退職金ではない)を倍額にし、他の私学に対して極端に高い慰労金を受け取ったことによって、提案者たちは道義的退廃をさらけ出すことになった。
2)政策の是非については意見の相違があってよい。しかし提案者たちが私利私欲で学園運営を行い道義性に欠ける対応をし、責任回避のために何回もあった和解の機会をことごとく潰して8年に渡って混乱させてきたことが、その執行を困難にし、今回社会的に破綻したのである。
高等教育機関である大学は、教育・研究など自発的労働に基づいて成り立っている。その大学で多数の教職員と裁判で何年も争い、不団結を広げたことが大学にとって最大の損失であった。今回理事会が高裁の和解調整に応じて和解金と全教職員に対する一時金の上積みを支払ったとしても、この間の混乱と不団結を作り出したことと、その責任は消えない。
常識的に言って長田理事長、川口総長、森島専務理事の3名の辞任は免れない。裁判になる前に撤回していたら森島総務担当常務理事(当時)の解任程度で済んだが、8年に渡って、ここまでの混乱をさせてきて、事実上、全面敗北をしたのだから、関係者は総辞職しなければならないだろう。それが世間のまた経営者の世界の常識である。
3)OICについても同様である。例えOIC開設が一つの政策的判断として成り立つとしても、立命館の過半数の学生・教職員が在籍している5学部が反対している下で一般教育、外国語教育などでどうして積極的な全学的協力を引き出せるのか。教学構想の具体化も出来ていない総合心理系学部を2016年に開設することを再び多数決で決定したが、主体的担い手がいない下で、どう具体化を図るのか。さらに教学内容も決まっていないのに昨年の5月に基本設計を決め、近く竹中工務店と建設契約を結ぼうとしいているが。教学内容が決まれば新築の建物の改造を行うのか。移転予定最大学部である経営学部教授会から、その財政的見通しについて圧倒的多数の人が不安を呈している時に「既に決まっていることだ」と押し切っても、当事者は意欲的になれないだろう。
奨学金の削減、非専任教員の削減をはじめとして毎年約30億円の予算を削減してどうして教育・研究の質的向上を図ることができるのか。強行しようとすればするほど学内の亀裂は大きくなり自発的な改革の執行は困難になるだけである。それが今後の立命館にとってどれほどの損失となるかが分からないところに、これらの人々の教育者としての、そして学校経営者として根本的な欠陥である。
(6)名誉役員(顧問)に川本八郎前理事長? どこまでもけじめをつけず、罪をかばい合う。
1)4月10日の常任理事会に名誉役員規定改定案が提起された。今後は歴代の理事長、総長、副理事長、理事であった副総長、専務理事が退任した時は名誉役員とするとのことである。なぜ今時、名誉役員規定の改定なのか。川本八郎前理事長・現顧問に対する処遇である。
① 昨年(2012年)7月、足羽慶保の学歴詐称が明るみになった。川本八郎前理事長が組織
的に関与し、当時の理事会に末川博先生が総長の時代の理事会において「本学を卒業どころか一時的に在籍したことも無い」ことが確認されていた足羽慶保を立命館卒業生として理事に選任することを諮り議決し、文部科学省に学歴詐称の経歴のまま提出した。②これは2010年1月に発覚した、足羽慶保の死後、その夫人である足羽衣史に生涯、年約1000万円の特別手当を支給するとの密約による「公正証書」の存在が明らかになったことに続く違法背任行為の露見であった。
当然、即刻、川本八郎前理事長の顧問の解任と、背任に対する返還訴訟が必要であった。しかし川本前理事長に後継者として推薦された長田理事長、川口総長、森島常務にはできなかった。それでも理事のみ会議において、長田理事長は「直ちに顧問の解任はしないが、来年度(2013年)は顧問に推薦しない」と発言せざるを得なかった。
2)予てから文部科学省から足羽問題(違法支払いと学歴詐称)を巡って「再発防止策を含んだ経過報告書の提出」が言われてきた。また発端を作った責任者である「川本八郎氏を顧問から外す」ことも示唆されていた。しかし川本八郎前理事長から後継者指名を受け、一時金、慰労金、足羽問題で同罪の長田理事長、川口総長、森島常務には学内関係者をはじめ社会的に解任理由を明確にして川本八郎前理事長の顧問解任は出来なかった。
そこで文部科学省には「顧問は解任しました」と報告し、新たな名誉職につける工夫を諮った。ただ相談役や顧問など川本前理事長だけの処遇となる役職は設置できないので、総長、理事長、副理事長、理事であった副総長、専務理事の経験者10名を全て名誉役員とし、その中に川本前理事長をもぐりこませようとしたのである。しかしそれだけでは「なぜ、彼と一緒なのか」と川本前理事長が納得するはずがない。
3)そこで「理事長が認めた名誉役員は、名誉顧問とすることができる」「協力に際し、必要な経費は役員に準じて学内規定を適用する」としたのである。
芦田文夫元副総長、佐々木嬉代三元副総長をはじめとする10名の人々を並べることによって、イチジクの葉として川本前理事長をあくまでもかばい建てしているのである。
唯一学位を発行することができる大学に置いて、学歴詐称に組織的に関与し、ごまかし、支払ってはならないお金を2億1000万円も支払ってきた川本前理事長、長田理事長、川口総長、森島専務理事を名誉役員(名誉顧問)とするような学校法人は、事の真相が社会に知られ広がるにしたがって信用を失っていくだろう。「あの四人がいる限り、この大学は何でありや」「もういい加減にしなさい」と言うのが、学園関係者の正直な気持ちであろう。
(7)理事長選任規定ならびに理事選任規定の改定、総長選任規定ならびに施行細則の改定が必要。
1)なぜ、このような馬鹿げたことがまかり通るのか、どうしたらよいのか。現在の理事会の構成と、選出の仕方に問題があるからであり、来年(2014年)の改選期に向けて改革を求める運動を強化する必要がある。
No18で記したように解任されるべき森島朋三常務理事が、逆に専務に就任した。長田理事長の推薦である。疑問を呈した意見に対して、長田理事長は「専務は理事長に任命権がある」として押し切った、
専務の任務は「理事長及び副理事長を補佐し、主として総務財務に関する日常業務を総括執行する」であるが、理事長に任命権は無い。「理事総数の過半数の議決により、理事の内から・・専務理事1人を置くことができる」(寄付行為第5条3)である。誰が推薦するかと言う点では、「理事長及び副理事長を補佐する」のであるから、理事長が推薦しても不思議ではないが、理事長のみに推薦権があるわけではない。ましてや理事長に任命権などない。他の理事にも推薦権があるだけではなく、反対することもできる。このように学校法人の最高規則である寄付行為で定められていることが、ないがしろにされているところに現在の立命館の機関運営の根本的欠陥がある。
2)しかし近年の一連の混乱した事態を見た時、現行の総選任規定施行細則の改定、理事長選規定の制定ならびに理事の選任規定の改定がどうしても必要である。
1960年代中ごろから1970年代中ごろにかけて立命館を含めて日本の大学では大学改革が課題となって大きな運動が広がった。しかしその時に手が付けられなかったのが理事会の民主化であつた。大学は大学を構成している人々、すなわち教員・職員・学生の意見が反映される民主的仕組みが必要である。教授会の民主化や学生自治会、教職員組合の意見が反映される仕組みを作った大学はあった。しかし当時、立命館を含め、理事会の民主化を掲げ、実現した大学は皆無に等しかった。それどころかむしろ大学改革運動が下火になるにしたがつて理事会構成ならびにその選出方法が改悪されてきた。
2)その全国的な決定的転換が2004年の国公立大学の独立行政法人化であった。それまで各学部教授会を基盤にして選出されていた大学評議会が大学における事実上の最高意思決定機関であったし、総長(学長)は少なくとも全学の教員の参加によって選出されていた。ところが独立行政法人化した段階で、これが根本的に変わった。学外者も入った極少数の理事会が設置され、その下に学部長も入った学内関係者によって構成された教育研究評議会と、学外者も入った経営評議会が設けられた。そして総長(学長)の選任に当たっては理事会の下に学外者も入った学長選考会議が設けられ、そこからの推薦によって理事会で総長(学長)が決められる仕組みとなった。
従来の全教員が参加した総長(学長)選挙は非公式な形で残されたが、例えそこで一位になっても選考会議で別の人が第一位の候補者となり理事会では全学教員の意志と異なる人が総長(学長)に選ばれると言う事が起こった。
当時、立命館の教職員の多くが、これは間違いであり、立命館のようにあくまでも教職員、学生も参加した選挙で総長(学長)を選ぶべきであると考えてきた。
3)しかし2005年の一時金カット以来の立命館の異常事態を検討しなおしたとき、実は立命館においても理事会の構成と選出の仕方が徐々に改悪されてきていたことが明らかになった。
「これだけ大きくなった大学・学園を学部長理事だけでは運営できない」との理由で各種常務理事が設置されてきた。改めて見直してみると常務理事を含めて総長、理事長による推薦理事が理事会の過半数を占める事態となっていた。そして専務理事を含めて常務理事を推薦する理事長(長田豊臣)の選出基盤は何処にも無いことが分かった。
2010年に改訂された総長選挙施行細則に置いて、学校法人立命館が設置する最大の学校である立命館大学において過半数の支持を得なくても総長・学長になれると言う仕組みに改悪されていた。
3)2000年に設置された立命館アジア太平洋大学に置いては学長、2人の副学長、2人の学部長の計5名の理事は全て総長・理事長の任命制にされた。5つの付属学校の校長も全て任命制である。任命制のAPUと附属校を基盤に立命館大学では過半数の支持を得られなくとも総長になれる仕組みにしたのである。そして2010年の総長選挙において立命館大学では過半数を獲得できなかったと推察される川口総長が、どこにも基盤の無い長田豊臣を理事に推薦し、総長・理事長が推薦した理事が過半数を超える理事会において長田豊臣を理事長に選任した。そしてこの長田理事長が同じく何処にも選出基盤の無い森島朋三を理事に推薦し、そして専務理事に推薦・選任したのである。総長と理事長がタッグを組めば永遠に学校法人立命館のイニシアチブを握り続けることができる仕組みにしたのである。これら一連の事は川本八郎前理事長によるまさに時間をかけたクーデター的行為であった。
3)川本前理事長は自分の後任に長田理事長もしくは森島総務担当常務理事だけを推薦したのではない。川口総長を含め、理事長、総長、総務担当常務の三人を一体として推薦して後任体制作ったのである。一時金も慰労金も彼が理事長そして相談役になる時に三人に役割分担させて提案・実行させ同罪にした。川本前理事長が後継者として推薦したものが理事長、総長、常務の内誰か一人だけであれば、学内批判の下で2対1で、森島常務や長田理事長もしくは川口総長の誰かに責任取らせ解任することによって批判をかわすこともあり得たであろう。しかし3人とも川本前理事長に推薦され、一時金、慰労金で共同して動いたことから、誰か1人を解任すれば、続いて自分も解されるだろうと考え、互いにはかばい合ってきた。まさに立命館は川本前理事長が後継者推薦した3名によって乗っ取られたのである。しかしそれが可能になったのは、現行の理事、理事長、総長の選任規定である。
4)私を含めて何人かの人々は個別のケースについては疑問も呈したが、全体として立命館が戦後の改革で推し進めた学部長理事制度が系統的に破壊されて来ていることに気づき体系的に分析し批判する者は無かった。私は「これは甘かった」と反省しなければならないと思っている。私は2012年2月に発刊した『立命館の再生を願って』(風涛社)で初めて体系的に問題点をえぐり、改革方向の試案を提案した。
5)現在、立命館では「機構改革」の論議が行われている。その中間報告などを見る限り、現在の立命館の実情を反映したものが大半を占めている。しかし今日までのところ一番肝心な理事の選任方法、理事長の選任方法、総長選挙規定施行細則については全く触れられていない。触れられていないことが大きな問題であるが、ふれないどころか、今後さらに改悪し、学部長理事制度をさらに骨抜きにしようとする気配が感じられる。
2005年以来の立命館の混乱が、学園内の多数意見を無視して川本前理事長、長田理事長、川口総長、森島常務理事(現専務理事)が学外理事をはじめとする総長・理事長推薦理事を中心に多数決によって強行されて引き起こされてきたことは明白である。
2014年には総長選挙ならびに理事の改選が行われる。彼等はそれに向けてさらに現行制度を改悪しようとしている。近くその案が出てくるだろう。教職員・学生は2年先に向けて理事、理事長、総長選任の方法、学校法人立命館の機構の在り方について抜本的検討を行い、規程案を作成し、その実現を迫る運動を持続的に幅広く展開していく必要があるだろう。戦後間もない時期の総長選挙規定制定、学部長理事制度確立、全学協議会結成に等しい運動を繰り広げる必要があるだろう。
それは4割に満たない得票で8割近い議席を獲得し、憲法の改正によって日本の国家の在り方そのものを反動的に変えようとしているのに反対する闘いと気を一にしている。学園関係者の奮起を期待したい。
追記 警告
「常任理事ならびに関係各位へ」の文書は、最近では、長田理事長(インターネットを使っていない)と森島常務にたいしては送ってこなかった。
しかし前回のNO18において私は「解任すべき森島朋三を専務理事にするなどは許されない」「彼は大学人として不適格である」と項目を挙げて指摘した。その当事者である森島専務に送付しないのは不適切とあると考え、久しぶりに森島専務にも送信した。
ところが数日たった日、私のパソコンにリターンメールが数通あつた。そのメールアドレスを見ると私が送ったメールではなかった。それが日を追うごとに数十通、さらに数百通へと増えていくと同時に私からの発信ができなくなった。マニアによる迷惑メールがたまたま私のパソコンに入り込んだと言うものではなかった。
あれこれ試みたが素人の私には回復できなかった。専門業者を呼びプロバイダーの協力も得てようやく回復した。
森島専務にそこまでの知識・技術があるとは考えられない。
しかし誰が行ったにせよ、私のパソコンに侵入し、ここまでの妨害・破壊行為を行う事は明らかな犯罪行為である。再度行われる危険性があるが、その場合はプロバイダーとも協力して犯罪行為として対応せざるを得ないことを警告しておく。
私は無責任な書き込みには賛成しないので、今日まで立命館の問題についてブログごとツイターは使わず常任理事会出席者等に限定してメールを送ってきた。そのメールに対してパソコンごと破壊活動をするのなら、今後、ブログやツイターなども使って広く情報・提言を社会的に発信することも考えざるを得ない。

鈴木元 日本ペンクラブ会員、日本ジャーナリスト会議会員、かもがわ出版取締役、中国(上海)同済大学アジア太平洋研究センター顧問教員、国際環境整備機構理事長。