スズキ ゲンさんのブログ

立命館の再生を願って

NO26 常任理事ならびに関係各位へ

2014-01-02 12:05:01 | 立命館の再生を願って
NO26 立命館の関係各位へ
川口総長、森島専務、長田理事長等は、どこまで立命館の教学・財政・教職員を危機的状況に貶めるのか
2013年7月22日 元立命館総長理事長室室長 鈴木元
 
現在 日本ペンクラブ会員、日本ジャーナリスト会議会員、かもがわ出版取締役、中国(上海)同済大学アジア太平洋研究センター顧問教授、国際環境整備機構理事長。

目次
 はじめに
(1)当初予算に対して322億円に及ぶ差額が生じた最大原因は入学者数の過大水増し率の変更によるものである。
(2)茨木商工会議所を立命館内に移転させる構想が再び持ち上がっている。
(3)凍結による一時の困難を回避するために、立命館の教学・財政・教職員を危機的状況に陥れさ
せてはならない。
(4)「機構改革」問題を重視し対策を急ぐ必要がある。

はじめに
 学校法人立命館は6月28日の臨時理事会において大阪茨木キャンパス(OIC)の建設を、既定事実のように竹中工務店と契約することを議決した。それに対して6名の元学部長等の呼びかけで「R2020事業・投資計画の見直し」署名が呼びかけられ、専任教員の過半数に及ぶ署名が集められるとともに、7月16日、契約抗議と財政見直しを求めるオールRits大集会が衣笠、BKC、朱雀等を含め2百数十名で開催された。
そもそもこの問題は、長田理事長が一時金カットや川本前理事長と自分の退任慰労金支給倍額で全学から批判にさらされ窮地に陥っていたのに対して、森島専務や志方部長に乗せられ「失地回復」「川本前理事長を上回る理事長になる」(本人の言)ために「実績づくり」として、良く考もえずに飛びついたのが始まりであった。
その過程で当初にサッポロホールディングスならびに竹中工務店にはめられ「期日を定めた密約」を交わしてしまった。全学的追及討議の中で「財政見通しが危ないこと」に気づきつつ「教学の中身が詰まっていない」ことも認めながらも、中止して責任を取りたくないために「社会的約束」を口実に強行してきた。
川口総長は、長田理事長降ろしに失敗し、学外理事から疎まれたのを挽回する為に、茨木構想のイニシアチブを取り始め、土地購入も心理系総合学部2016年開設においても「総長の判断で」と多数決を強行し、今や自らが学園の采配者のように振る舞おうとしている。
森島専務は長田理事長、川口総長の軋轢を利用しながら両方に取り入り、2人を利用して専務となった。彼は次期が無い長田理事長、川口総長を利用して彼等を前面に立て、学外理事に取り入り、後述する「機構改革」によって川本前理事長と同様に立命館を自分のものにしようと画策している。
いずれにしても彼等3名は「立命館をこうします」と言う志を語ることもできず、学内基盤の弱さを補うために、学外理事・評議員に媚を売り、自分の保身と私利私欲のために動き、茨木問題を軸に立命館の教学・財政・教職員を重大な矛盾と危機にさらして混乱に陥れている。

(1)当初予算に対して322億円に及ぶ差額が生じた最大原因は、入学者数の過大水増し率の変更によるものである。
1)322億円に及ぶ収入減の予測から毎年30億円に及ぶリストラを提起
2010年から2020年の計画「R2020」の策定当時の予算に対して、昨年2012年9月、財務担当常務理事から「このまま進めば、現在積み立てている基金は全て使い果たす危険がある」との報告がなされた。それ以降「財政見通し」は、茨木キャンパスの強行推進ともかかわって全学的議論が行われ、服部副理事長を責任者とする学園財政政策検討WG(ワーキング)が設置され、今年の5月に第一次報告が提出された。そこでは当初計画に比較し322億円の収入減が報告され、これを受けて毎年30億円に及ぶリストラ計画課題が出された。
「教学の質の強化」を第一義的課題とした「R2020」の執行にあたって「奨学金・非専任教員・事務体制とかかわって毎年30億円もの削減を行って、どうして教学の質の向上を行えるか」と全学的に見直しを求める声が高まっている。
今日までの検討調査の中で、当初予算の見通しと違ってきた理由は色々と明らかになっている。
2)1.75倍に膨れ上がった施設建設
例えば、支出では、茨木移転の同意を得る為に、さまざまに出されてくる要求を全て認めてきたために、学園本部機能を移転するのではないと思われるほどの肥大化が進んだ。そのため施設面積は当初計画より1.75倍に膨れ上がっている。郊外の田園地帯ではなく「立地の良い都市部」と吹聴してた茨木にキャンパスを設置するのに「宿泊機能を伴った交流拠点の整備」が計画されている。茨木駅周辺は大手企業の工場が次々と移転したために多くのホテルが閑古鳥や閉鎖に追い込まれている。OIC予定地の近辺に利用できる宿泊施設や会議室はいくらでもある。「無いより、あった方が良いだろう」が財政の無駄遣いを生んでいる。
3)当初の補助金60億円が30億円に減額
収入では、2010年11月3日の常任理事会において、森島専務が「茨木市(国を含む)から60億円の補助金が出ます」と報告したこともキャンパス整備財政の根拠として購入が強行議決された。ところが最近、実際には補助金は30億円に減額となったことが明るみになっている。
にもかかわらず森島専務は「建設予算が当初の210億円より10億円増え220億円になりますが、茨木市から30億円の補助金が出ることになりましたので、立命館の支出は増やさなくて済みますので、ご心配いりません」と虚偽の報告を行っている。
その上に彼は下記に記した2010年11月3日の「建設資金収支表」は、前任の財務担当常務理事と前財務部長らに責任転嫁するような発言を行っている。
※2010年11月3日の常任理事会に提出された「建設資金収支表」
2010-2013年度
立命館大学新キャンパス整備 400億円
立命館中高校中長岡キャンパス 110億円
整備額計 510億円

原資 経常予算(積立) 120億円
将来構想資金取り崩し 300億円
その他(資産売却、自治体協力等) 90億円
原資計 510億円
この、その他(資産売却と自治体協力)の90億円については、資産売却は立命館中高校を龍谷大学に30億円で売却する。残りの60億円は音楽ホールなどの社会開放型施設に対する「茨木市(国を含む)からの補助金である」と説明された。龍谷大学では、そのような議論は一切されていなかったし現在も無い。そして茨木市からの補助金は60億円ではなく、30億円であったのである。「60億円の補助金」も嘘であった。
4)最大の要因は過大水増し率の変更
322億円もの差額が生じた最大の原因は、長田理事長、川口総長、森島専務等が茨木キャンパス購入・建設を認めさせるために、当初予算では収入として文部科学省から認可されている入学定員(その4倍が収容定員)に対して1.10倍入学させることで収入を計算し、財政的に大丈夫であるとの見通しを意図的に提出していたからである。
7月17日に教職員組合が長田理事長ならびに川口総長宛に提出した「財政課題に関する公開質問状」でも示されているように、文部科学省は水増し率に対する規制を以前より強くしている。収容定員の「1.07倍を超えた場合」「1.10倍を超えた場合」と経常費の削減率に基づいて対応している、そのため長田理事長等は、実際に予算を立てる段になると補助金が削減されない1.06倍で計算し直さざるを得なくなり、大幅な減収、将来の予算展望の大規模な落ち込みを認めざるを得なくなったのである。
なお「当初予算で1.10倍としたのは、前年度(2010年)の入学実績が1.10だったから」などと言っているようだが、2010年の入学者目標は学部長会議で1.06と確認していた。
当初予算の根拠である1.10倍は、OIC開設が「財政的に見通しが立つ」と認めさせるための意図的なものであった、
とは言っても、いまさら公式に1.10倍を入学させるなどとは言えない。そこで着目した一つが、立命館において近年異常に高くなっている、休学率、留年率、退学率である。彼等は関東の大学に比較して関西の方が安い在籍料の引き上げを提案するとともに、学則定員の1.06と「学費納入実員」との差を埋めることを検討している。つまり入学時では入学定員の1.06をオーバーさせて入学させることを含めて、学費全額納入者数で学則収容定員1.06を確保することを検討している。「いやそんなことは考えていない」と言うなら「考えていない」と明言する必要がある。
折角立命館を志願し入学してもらった学生の休学率・留年率・中途退学率が近年上昇し、他大学に比して倍近い率になっていることについては教学的に極めて重要な問題である。教職員が団結して真摯にその原因を多角的に分析し、共同してその対策を立てることにこそ、現在の立命館が力を集中しなければならない課題である。衣笠キャンパスの狭隘解消・稼働率を含む教室条件の改善は言うまでも無く、ST比の改善を含めて、サポートセンターの充実など、多様な対策を立て教学の質向上を図らなければならないのだろう。そのためにこそ予算を重点的に配分しなければならない。
そのような時に、赤字増大対策として、奨学金の削減・非専任教育の減員・事務体制の合理化などで毎年30億円に及ぶリストラ課題を列挙して提示したり、休学者等に対する在籍料引き上げや、定員の実員化などの姑息な手立てを出してみたりするなど、OICに固執するために、見境のない振る舞いに陥っている。教育組織としての立命館大学がまずやらなければならないことは、学生の実態分析を行い、その対策・改善の手立てを取ることである。
320億円も予算が違ったのであるから、その責任を明確にし、420億円もかけて茨木を建設することは凍結するべきであるし、毎年30億円ものリストラ計画は撤回すべきである。
学生のために、立命館の教学の社会的責任の為に、そして教育組織で働く教職員の働き甲斐のために「R2020財政計画を見直し再提起する」ことが求められるだろう。
教職員組合の理事長、総長に対する「財政課題に関する公開質問状」に対して回答が求められている。彼等は、回答内容に対する自らに対する批判をおそれ、多分、高橋財務担当常務理事による回答で済ませるだろうが、教職員・学生は納得しないだろう。

(2)茨木商工会議所を立命館内(OIC)に移転させる構想が再び持ち上がっている。
 今回の茨木構想にあたって、森島専務は当初「茨木市から131億円の補助がでる」と言ったが、いつのまにか金額は曖昧にされるとともに「市民開放型の音楽ホールや図書館を作っていただける」と学生部長他教員などを説得して回った。ところが話は逆で、国の補助金獲得の便法とはいえ立命館が市民向けの音楽ホールや図書館をつくると言う事になった。これだけの嘘をついただけでも民間企業ならクビだけでは済まず、損害賠償が発生する。にもかかわらず自浄作用を働かすべき久岡康成常勤監事をはじめとする監査の機能が働いていない。この責任も重大である。
ところがさらに昨年以来「地域・社会連携の推進」として、現在の茨木商工会議所(茨木市上中条一丁目)の土地と建物を立命館が取得する一方、その移転先を茨木キャンパスの市民開放施設・地域交流センター内に移転させる計画が密かに進められていた。
昨年4月の市長選挙にあたって自民党などオール与党の現職市長が引退して、その後継候補と「維新の会」推薦の現市長の争いとなった。当初、商工会議所は後継候補を推薦するとされていたが、公示直前になって「維新の会」の現市長の推薦に切り替えた。「現在の市長の当選は、商工会議所の推薦切り替えによるものである」が市民のもっぱらの評価である。
現市長は当選直後の各派幹事長会議において「立命館の茨木移転で茨木市のメリットは無い。立命館と交渉する」と述べていた。その直後、立命館と茨木市の折衝を通じて①茨木商工会議所を立命館内に設置する②現在の施設老朽化と会員減少で建てなおしの見通しの立たない茨木商工会議所の土地と建物を立命館が6.7億円で購入する。と言う点で合意に達した。私はジャーナリストとして独自取材でこの点をつかみ「常任理事ならびに関係各位へ」(NO 14 )で、このことを暴露し「立命館を食い物にすることは許されない」と追及した。そのこともあってこの計画は一端頓挫した。
ところがOIC開設準備室で最近、再びこの話が浮上していることが判明したので、私は再度、茨木市の関係者から取材した。すると茨木市や商工会議所の関係部門では既定事実として「具体化作業」が進められていることが分かった。なお現在の老朽化した茨木市商工会議所の建物と、土地の売却は「公開入札」することまでは決まっているが、立命館が入札したとの状況までには至っていないが、その〝ギブ&テイク〞の危険性は極めて高いものと思われる。
いずれにしても、サッポロホールディングス、竹中工務店の策謀に嵌り、立命館の教学・財政に大きな矛盾をもたらす「茨木キャンパス」を強行するために、このような「利権取引」を許すことはできない。学内の関係者は、今後巧妙に持ち込まれようとしている茨木商工会議所の本学地域交流センターへの立地に警戒心をもって臨み、阻止し断念させなければならないだろう。

(3)凍結による一時の困難を回避するために、立命館の教学・財政・教職員を危機的
状況に陥れさせてはならない。
教職員の皆さん、とりわけIOC開設準備委員会、日常業務に付け加えて移転業務を担っている部課の職員の皆様ご苦労様です。ところで皆さんの中には「ここまで話が進み、具体化作業が進んでいる茨木キャンパス開設事業を、いまさら止めれば混乱するだけである」「今となっては、できる限り矛盾を少なくし、より良い物にする努力しかない」と思っている方はおられませんか。
本当にそうなるのだろうか。このまま進めば、学園執行部自身が提案しているように、その内容に多少の変更があるにせよ、毎年30億円に及ぶリストラを実行しなければならない。それでどうして教学の充実を図ることができるのであろうか。
かつて200万人を越えていた18才人口が現在120万人となり、さらに今後90万人以下となることが明確となっている。その時、教学の質を維持・向上させるために早稲田大学が定員削減に踏み出したり、同志社大学が文系学部を全て京都市内に戻したりするなど、国立大学を含め(「読売新聞」の7月7日付以降の「大学の実力」特集や「日本経済新聞」7月7日付の大阪大学の全面広告など、他大学は必死に対策を立てている。
そのような時に、立命館は収入増にはならない既存学部を郊外に移転させるために410億円もの資金を投入したり、採算を合わせる為に今次計画当初の「学園規模を拡張しない」の計画・約束を破り、教学内容も不明確な新学部の増設をおこなって定員を増やそうとしたり、予算確保のために休学者の在籍料を引き上げたり、入学手続き者の数で危ない操作をしようとしている。 
移転作業の具体化と同様に、これらの作業は具体化を精緻化すればするほど立命館に新たな矛盾と危機をもたらす。
丁度、満州事変から太平洋戦争に突入していった当時の日本と同じである。軍部指導者の多くの人でさえ、戦争の拡大は日本の矛盾と危機を深めざるを得ないと解かりながらも、責任を取ることを恐れ「いまさら、引けない」と泥沼にはまって行き、抵抗出来なかった国民も巻き込まれていった。その結果、2000万人を越えるアジアの人々を殺戮すると同時に、310万人の日本人が犠牲になり国土は焦土と化した。
今止めることは、茨木市とも、そして竹中工務店とも矛盾を引き起こす。
しかしそのもめごとは一時の事である。OICをこのまま継続することは、今後、立命館大学だけではなくAPUならびに附属校を含めて学園全体が教学・財政・教職員に新たな矛盾と危機を継続させることになる。
教職員そして学生の皆さんが6名の元学部長が呼び掛けに応え、立命館の危機打開の為に、勇気を持って何らかの行動を起こされることを期待しています
(4)「機構改革」問題を重視し、対策を急ぐ必要がある。
過日の理事会と教職員組合との業務協議会において「機構改革」が話題になった。その時、森島専務は「それは業務協議会にはなじまない」と発言している。既に昨年の秋から、学外理事も入った「機構改革検討委員会」が立ち上げられ、検討が進められているが、中間報告を含めて、まったく明らかにされていない。
彼等は「これは、理事会事項である」として、業務協議会や全学協議会の事前協議の対象とせず、答申を受けて直接理事会で図ろうとしている。また「私立学校法に基づき改革を進める」とも発言している。
そもそも現在の立命館の機構の中心的特色は、総長公選制、総長による理事長推薦制、学内責任の原則、学部長理事制度、全学協議会を含めた全構成員自治、学部長選挙における学生参加等である。これらはいずれも立命館において戦後の長い闘いで築き上げられてきたものであり、理事会のイニシアチブで策定されたものではないし、私学法には明記されていないものである。
 森島専務が、ことさら「理事会を含めた機構改革は理事会事項であって、業務協議会にはなじまないものである」と発言すると言うことは、彼等は自分達の思いで改革を進めようとしている証拠である。そして「私学法に基づいて改革する」と言う事は、政府・財界、文部科学省が狙っている学園運営から教授会の権限を剥奪しようとする攻撃と軌を一にするもので、戦後、立命館が作り上げてきた学園運営体制の、誇るべき特色を否定しようとしている宣告であると考えて間違いが無い。
教職員組合をはじめとする学内の自覚勢力は、総長選挙、理事長選挙に向けて対策を取るとともに「機構改革」攻撃を直視し、対案をだして臨む必要があるだろう。
森島専務をはじめとする現在の学園指導部に対する、いかなる幻想も甘い予測も危険である。改悪されてから歯ぎしりするのではなく「正義は賢く、強く、早く手を打つ」を肝に銘じて奮闘していただきたい。


最新の画像もっと見る