スズキ ゲンさんのブログ

立命館の再生を願って

5月下旬「続・立命館の再生を願って」(風涛社)の発刊予定。

2014-05-17 23:11:20 | 立命館の再生を願って
5月下旬『続 立命館の再生を願って』(風涛社)を発売開始予定。

常任理事並びに関係各位へ NO31
2014年5月18日 元立命館総長理事長室室長 鈴木下名
 
私は2012年2月に『立命館の再生を願って』(風涛社)を発刊した。
川本八郎前理事長と長田豊臣前総長によって2005年教職員の一時金が一方的に一カ月カットされた。その当の2人の退任慰労金(退職金ではなく役職退任時に支払われるもの)支給基準は倍化され、2007年川本八郎氏は理事長から常勤相談役へ、長田豊臣氏は総長から常勤理事長に役職変更しただけであるにもかかわらず、川本八郎氏は1億2000万円、長田豊臣氏は4000万円の退任慰労金を受け取った。これを契機に立命館の指導部は混迷に混迷を重ねたが、私には立命館の指導部に自浄能力は見られず社会的批判が必要な段階に入ったと判断し『立命館の再生を願って』を出版した。
もちろん私が、そのような本を出版したからと言って立命館が直ちに正常化するなどとは思っていなかった。しかし今後の立命館学園の正常化・改革のためには、誰かが批判し記録にとどめておくことが必要性であると考え発刊した。それは私が総長・理事長室室長と言う学園の中枢に居て学園全体が見える場所に居たこと。そして何よりも役職上公開していなかったが、在任中から原則的に間違いであると思った事にたいして長田理事長などには内部的に進言・批判していたことを公開する段階に入った判断したからである。
学園混乱のきっかけは「功なった」と思い込んだ川本前理事長の学園私物化の始まりであった。川本八郎氏に後継者指名された長田豊臣理事長、川口清史総長、森島朋三総務担当常務理事(当時・現専務理事)は当初、川本八郎氏と学園構成員の板挟みになりながら追及・批判の矢面にたたされたが、川本氏を守り、自らの保身のために居直ってきた。
しかしその過程で、竹中工務店から持ち込まれた大阪府茨木市のサッポロビール茨木工場跡地に飛びつき「名誉回復」とばかりに移転希望学部も無かったにも関わらず第三キャンパス論を打ち出した。しかし立命館大学の学生・教職員の過半数を超える法学部、産業社会学部、国際関係学部、経済学部、理工学部の教授会が「拙速な購入決定反対」の決議を上げているにもかかわらず、学外理事の数も頼んで立命館の歴史始まって以来、多数決で購入を決定した。
これを契機に川本八郎前理事長等による個人的な学園私物化とは次元の異なる、ゼネコンによって立命館学園が食い物にされる事態が進行した。茨木キャンパス建設だけでも400億円、学園全体では積立金1000億円が食い物にされる事態が生じた。この問題を追求していく中で立命館の理事38名中、実に25名が総長・理事長によって推薦されたものによって構成されていることが分かってきた。また理事長が推挙した候補者選考委員会によって総長候補が推薦され、立命館大学で過半数の支持を得られなくとも総長になれる仕組みに改悪されていた。そして教授会によって選出される学部長理事を中心に構成されている常任理事会の議を経なくとも総長・理事長推薦理事が多数を占める理事会で決定されるという仕組みが導入された
立命館において「文部科学省の先を行く」という言葉で導入された負の制度は、まさに現在、国会に提出されている学長(理事長)独裁制、教授会の審議権の骨抜き(制限)は大学をいかに荒廃させるかという実例を示している。本著ではこうしたことを、この2年間の事実にも基づいて詳細に展開した。
立命館においては、本年の7月に理事長を含む理事の改選、10月に総長選挙が実施される。本書が立命館の正常化、改革のために多少なりとも役にたってほしいと思っている。また全国の私学関係者をはじめとする大学問題に関心のある方に読んでいただき、それぞれの大学における取組の参考にしていただければ幸いである。
本体価格1600円。ソフトカバー・P334。