「下衆の愛」や「全裸監督」など数々の話題作を世に送り出しただけでなく「ミッドナイトスワン 」で日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、各映画賞レースを席捲した内田英治監督の最新作ですがこれも時代でしょうか
なんと配信専用映画っていうか、ある意味Vシネマみたいな感覚で製作された作品
って基本東映ビデオの制作ですからねぇ
80年代後半、ビデオブームに乗り映画界に新規参入してきた米国資本傘下のビデオ会社の下で監督デビューすることになった若き女性監督花子、しかしその頃の撮影所では、男尊女卑が根深く、さらに現場ではベテラン職人が幅を利かせ、プロデューサーは売れる作品と映倫(劇中では“映検”)の検閲から思った様に作品を撮らせてもらえない新人女性監督のお話しでしたねぇ
オープニング少女は貧乏の中で母親が家に客の男を連れ込んで
外に遊びに出ようにも外は雨
少女は障子に穴を開けて母親の肉接を冷めた目で映画を見るように穴から覗いていたのだった・・・
そこは東映さんが製作してるから、このオープニングでのシーンは70年代のプログラムピクチャー全盛期に作られた実録路線のプログラムピクチャーの主人公の生い立ちと被るんですよね
まぁストーリーに大いに関係してくる重要なシーン
そこは東映さんが製作してるから、このオープニングでのシーンは70年代のプログラムピクチャー全盛期に作られた実録路線のプログラムピクチャーの主人公の生い立ちと被るんですよね
まぁストーリーに大いに関係してくる重要なシーン
そしてドーナツの穴から見る世界観にも繋がってきてるんですよね
もうこう言った細かい描写とお話が映画撮影って言うだけでこちとら楽しく見させてもらいました。
そうまぁ撮影所では最後の職人さんたちがまだ働いていたものの
80年代では映画会社が映画を撮らなくなった時代ですから
別の会社がスタジオと現場の職人さんを借りての撮影ですし
まだ監督が別室でモニター見てスタート・カットの指示出すのではなく、カメラ前に構えていた時代
そこいらの細かさにも納得がゆきました
いわゆる外資系のビデオ会社発注で作られる
人気アイドルと大物女優の濡れ場でアイドルファンと女優さんのおっぱいで観客を取り込みたい、って言う思惑で作られる映画作品の撮影現場が舞台なんですが、
そもそも何でこの撮影作品がレイティング制限無しでいけると思ったんでしょうか
女優さんは落ち目からの浮き上がりから濡れ場での本番演技を望んでくるし
プロデューサーは映検のレイティングを気にしてくるわけで撮影は思うように進まない
そんな逆境の中でカメラアシスタント役のモトーラさんと特殊技術の濱田岳さんだけがこの新人女監督の味方だけ
そんな逆境の中でカメラアシスタント役のモトーラさんと特殊技術の濱田岳さんだけがこの新人女監督の味方だけ
ヒロインで監督役の松本まりかが実に良かった
80年代に時代設定してるものの平成・令和の映画製作の現場での日常を比喩的に作った作品ともいえるでしょうね
最後のシーンで雨にこだわっていたのも無事解決
いや邦題からして「雨に唄えば」のはパロディではって思ってましたし
ラストからしてきちんとミュージカルシーンとなるのは納得でしたし
やっぱミュージカルシーンでタップ踏ませていましたからねぇ
幼少期の思いをフィルムに納めるも事でヒロインは母親の呪縛から解放されるんですよね
R18版ってことですが濡れ場は全くエロくないです
R18版ってことですが濡れ場は全くエロくないです
つまり絡みシーンで腰接部分が映ってるってだけでのレイティングですよねぇ
切り口の違う記事はコチラ
2021年製作、日本映画、東映・東映ビデオ作品、東映配給
内田英治脚本・監督作品
出演:松本まりか、大山真絵子、モトーラ世理奈、渋川清彦、矢柴俊博、内田慈、石川瑠華、佐々木みゆ、ふせえり、森下能幸、菅原大吉、須賀健太、濱田岳、矢本悠馬、相島一之、本田博太郎、大和田伸也、高橋和也
