経営者、その４

成功者と言われる人たちの話は、自分にとって魅力的ではありません。

どこまでが成功なのか、どこまでが成功ではないのかの基準がわからないから。


成功したと言われている人たちの話には、ある一定の法則があり、話の流れが同じで聞いていてあまり参考になりません。

すばらしい考え方や、すばらしい発想は誰にでもできるものではないので私のような凡人には参考にはならないのです。


しかし、大きな失敗をしてしまった人の話は失礼ですが、ダイナミックです。

はっきりした基準のない成功とは違い、失敗の基準は明確です。誰もが、明日にでも陥りそうな落とし穴が明確だからこそ、勉強になります。


経営は、どのようにすれば成功するのかではなく、どうすれば失敗しないのかが大切であると思っています。

ずいぶん、保守的な考え方だと言われる人もいるでしょう。

保守的とはリスクから逃れようとする事です。

私の思う、どうすれば失敗しないのかの経営は、最大のリスクを負いながらの挑戦です。


ゴルフも同じです。

ナイスショットをしようと思うより、ミスショットをしないように心がけるほうのがいいスコアが出て勝利に結びつきます。生活のかかっているプロゴルファーとはそういうものです。

美容師さんも同じです。

成功させたいからすごいヘアースタイルを作ろうとすれば、すごいミスも起こりえます。自己満足からおきる失敗です。

どうすれば失敗しないのかを、考えながら最大限のものを提供すれば結果的にきれいなヘアースタイルが出来上がります。お客様優先の考え方です。


どうすれば失敗しないのかを心がける事は、

経営者や美容師として、スタッフの人たちやお客様に対してできる最大限の思いやりであると思っています。



<Photo> 無題