ただ一人渚にこごみ遙か沖見つむる少女何を思ふや
白々と命あるがに波走り潮の音と香立てて寄せ来る
仲間たちはすぐ海岸散策を引き上げてしまったのですが、瀬戸内海国立公園の渋川海岸は「渚百選」に選ばれているので、私はひとり渚に向いました。するとそこにはただ一人だけ先客がいて、少女がしゃがんで遙か沖を見詰めていました。少女は何を思っているのだろうと思いふと虐待事件が頭をよぎりました。私もしゃがんで渚をながめると、波はまるで生き物のように潮の音と香を立たせながら寄せては返していました。
ただ一人渚にこごみ遙か沖見つむる少女何を思ふや
白々と命あるがに波走り潮の音と香立てて寄せ来る
仲間たちはすぐ海岸散策を引き上げてしまったのですが、瀬戸内海国立公園の渋川海岸は「渚百選」に選ばれているので、私はひとり渚に向いました。するとそこにはただ一人だけ先客がいて、少女がしゃがんで遙か沖を見詰めていました。少女は何を思っているのだろうと思いふと虐待事件が頭をよぎりました。私もしゃがんで渚をながめると、波はまるで生き物のように潮の音と香を立たせながら寄せては返していました。