留学する女孫へ贈る無患子のお守り買ひに雨の中行く
留学の女孫の無事を祈りつつ絵馬奉納す雨の神社に
あいにくの雨でしたが、吉備津彦神社に無患子のお守りを買いにいきました。この神社には天まで届くような無患子の木があり、めずらしい無患子の実のお守りを売っています。むくろじは「患わ無い子」と書くように子の無病息災を祈るもので、羽子板の羽にも使われています。このたび孫が留学するので、私からの贈りものです。合わせて絵馬も奉納しました。
真ん丸の口のお化けの如く見ゆ熟し裂けたる庭の無花果
口紅を付けておしゃべりしてるやう今朝収穫の無花果十個
無花果の収穫時期は「てっぺんが裂け始めたら」と書いてあったのですが、裂け始めた無花果は、よく見ると口紅をつけた丸いおばけがおしゃべりをしているように見えます。「早くとって！！」と私に話しかけているようにも見えて笑いながら収穫しました。今朝の収穫は１０個でした
日々歩く脳梗塞後のリハビリも四か月過ぎ秋も来にけり
目に見える進歩なけれど神社まで今日も散歩す小雨の中を
歩くなんて、無意識にただ足を交互に前に出すだけと思っていました。ところが、脳梗塞を患ってから、それがそんなに簡単ではないことを知りました。今の私は左足だけが大きな重りを付けたように重いので、両足を調整しながら３０分も歩くと大変疲れます。それも訓練と毎日頑張っていますが、たいした効果もないまま秋がこようとしています。でもそれも運命と素直に受け止めています。
青空にあまた実をつけ秋を呼ぶわが新作の零余子カーテン
空腹を満たさむとして仲間らと零余子を食みし六歳のころ
好物の零余子ご飯を楽しみに鈴なりの実を朝夕見上ぐ
ゴーヤは連作が駄目なので、今年は零余子にしました。どうです？今年の緑カーテンの新作は？今は小さな実をいっぱいつけて、秋の訪れを告げています。ちょっと塩を効かせた零余子ご飯は美味しいので、今から楽しみです。それにしても「むかご」はどうしてこんな漢字を書くのか不思議です。
争ふは人のみ泥鰌鮒めだかが仲良く泳ぐわが家の水槽
先日用水で掬っためだかはわがやの水槽の中に入れました。この水槽には泥鰌が３匹（いつも丸い藻の中にもぐりこんでいる）と鮒２匹の先客がいます。泥鰌は魚屋に売られていたのを買ってきたもので、鮒はめだかと思ってそだてたら鮒だったもので、どちらもかれこれ４年ぐらいになります。一緒に入れても大丈夫かと心配しましたが、仲良くしているのでほっとしています。魚どもは偉いです。
庭先に無花果熟れて紫蘇色が台風一過の青空に映ゆ
日々熟るる無花果あまた小鳥にもお裾分けしていただきまあす
台風１５号が去り、今朝目覚めるとすっきりとした青空が広がっていました。庭に出て見ると無花果があちこちの枝に熟れていました。高い枝に熟れた紫蘇色の実が青空に映えて美し光っていました。無花果は私の好物なので今朝も美味しくいただきました。小鳥も美味しい実は良く知っていて、今朝も私より先にちゃっかりと食べた跡を高い枝に残してどこかへ消えていました。
橋の上に自転車止めてスマホ撮る生徒の視線の先に虹あり
台風の過ぎし西空あかねして東の空に虹立ちのぼる
夕方、坂道を上った橋の上で自転車を止め、写真を撮っている男子生徒に出会いました。何を撮っているのだろうかと彼の視線をたどると、何とそこには虹が・・・先ほど降った雨に茜色の夕日が反射して虹が立っていたのです。今時こんな男子生徒もいるのかとなんだか嬉しくなりました。カメラを持っていなかったので慌てて我が家に帰り、私もようやく１枚撮りました。その後雲が出て来て、虹はあっという間に消えてしまいました。
母の日に子の買ひくれし血圧計二十年経るも健在なりき
朝夕に血圧測り記しては一喜一憂しつつ夏ゆく
異常な暑さが続いた今年の夏もようやく朝夕は涼しくなりました。四月半ばに退院して以来、毎日測り続けた血圧ですが、なかなか下がらず、半錠の薬が１錠になり、さらに今は１錠半になっています。私のように朝と夕の数値の差が大きいと、安定させるのが難しいらしいです。健康には無関心だった私ですが、今年は毎日、朝と夕に血圧を図り続けながら一喜一憂した夏でした。
夕暮れの散歩の道にわれを待ち小待宵草ひそと咲きをり
道の辺に小さく群れ咲き病める吾を慰めくるる小待宵草
大待宵草に対して小さなこの待宵草は小待宵草と言われています。私は何となくこちらの小さい花の方が可愛くて好きです。脳梗塞を患て以来、毎日歩くように心がけているのですが、暑い上にたいした効果もないような気がして気弱になっていたところです。でも今日は道端にまるで私を待っていてくれるかのように咲いていたこの小さなこの花に元気をもらって帰りました。
用水の群るるめだかに七十路（ななそじ）を越えて今なほ心ときめく
両の手に網持ち挟み撃ちすればめだかは銀の腹見せ踊る
絶滅危惧種になりつつあるめだかですが。居るところにはいっぱい居ます。それがこの用水です。めだかは流れの無いきれいな水のところに群れをなして泳いでいます。そんなところを見つけると幼い頃のわくわくしたあの感動を抑えきれなくて、私は掬いに行きます。めだかは案外すばしっこくて、なかなか掬えませんが、大きな網を二本持って行って同時に両方から挟み撃ちにすると、案外簡単に掬うことができます。今、水草の繁る水槽の中でいっぱい泳いでいます。かわいい！！
