恙なく一年過ぎし玄関に猪と鼠がバトンタッチす
大晦日に世界平和を祈りつつ年に一度の国旗を出しぬ
いよいよ大晦日。この年は岡山にも大きな水害がありましたが、恙なく過ごせたことに感謝しながら玄関に飾っていた猪を鼠に取り替えました。カレンダーも新しいのに替え、年に一回しか出さない国旗も出して組み立てました。ふと戦時中に寄せ書きされた日本の国旗を、アメリカ兵が持っていた事件が思い出されました。後１時間余りで新しい年が明けます。くる年は世界中が平和になってほしいとつくづく思われる大晦日です。
包装よりお飾り出せばふんはりと新藁匂ひ古里思ふ
正月のお飾りは２９日を避けて掛けるようにと聞いています。２９は二重苦のごろ合わせからきているようです。そんな訳で正月の御飾りを今日掛けました。先日買ったリース型の御飾りを密閉された袋から出すと、新藁のいい香りが漂ってきました。１８歳に古里を旅立ってから藁の匂なんてもうすっかり忘れていましたが、それはまぎれもなく藁の匂でした。急に古里で稲刈りの手伝いをした時のことを懐かしく思い出しました。
「向かうから愛が飛び込む受けて吉」わたしの今日の新聞運勢
私は新聞を一応一面からざっと全体を読んで、最後に必ず「今日の運勢」を見ます。そこには誕生月ごとにその日の運勢が書かれていて、吉数、吉色、方位、健康、金銭、愛情が文字や◎、〇、△、の記号で表されています。今日の私のところには「向こうから愛が飛び込む。喜んで受けて吉」とありそんなはずはないと笑っちゃいました。やっぱり一日中掃除に暮れて何もありませんでした。いや、そういえば夕方「可愛いカレンダーがあるからいつでも取りにおいで」と女性からメールが来たから、そのことだったのかな？ な～んだー
持ちくれし友の温もり思ひつつ今年も生ける大王松を
さ緑の大王松を玄関と床の間に生け正月を待つ
年の瀬になると毎年大王松を持って来てくれる友がいます。今年も届いたのでさっそく玄関と床の間に生けました。生けるといってもぽんと挿すだけで、後は水引や飾り物を付けるだけなのですが・・・花を加えなくてもこの松は大きくて華やかなので、花器や水引や飾り物を上手く調和させるだけで結構お洒落なお花になりました。毎年持って来てくれる友の温かい心を今年もありがたいなあと思いながら生けました。
南天の鉢に苔貼り実を散らし出来上がりたる正月盆栽
庭に小さな南天の芽が出ていたので鉢に上げておいたところ、綺麗に紅葉していたので、正月盆栽にすることにしました。土のところには道端から苔を採ってきて貼りつけるとぐっと見栄えがよくなりました。でもまだちょっと淋しいので苔の上に南天の実を散らして正月盆栽の出来上がりです。なかなかいいと自画自賛してそばにねずみの土鈴を置きました。南天は難転・・・これで来る年は良い年になりそうです。
山ほどの柚子と野菜がほつこりと幼馴染の友より届く
贈りくれし友思はしめ３０個の柚子が優しく香りを放つ
「小学校の分校の同窓会のことを投稿したら新聞のちまた欄に載ったよ」と友に電話をし、雑談をしていたら、「今日は要らないから柚子の木を伐った」と言うので「もったいない！私は柚子が大好き！」というと「贈ってあげる」ということになりさっそく届きました。柚子３０個の他にお米５キロ、大根、白菜、じゃが芋がダンボール箱いっぱいに入っていました。忙しいこの年の瀬に荷造りして贈ってくれた優しい友を思わせるかのように柚子が今、目の前で優しい香りを放っています。たった４年間の小さな山の分校での絆が、７０年経った今でも変わらないことを心から嬉しく思う夜です。
いくつもの手作りツリーを玄関に並べるだけのわがクリスマス
昨夜はクリスマスイブ、そして今日はクリスマス。楽しい思い出を作った子どもや大人たちがたくさんいることでしょう。私にもどんなプレゼントをしようかと嬉しい迷いをめぐらしたり、ケーキを作ったりした楽しい思い出がありますが、今ではもう関係ない日になってしまいました。かといって何もしないのは寂しいので、私の手作りしたツリーや置物などを玄関いっぱい並べて、私だけのクリスマスを楽しんでいます。
水やりの水切り忘れ泉水にはびこる芹が水中に揺る
直しても直しても泉水が水漏れするので、今では芹やクレソンを植えています。このごろは新芽が伸び初めていますが、すっかり水がなくなって乾きそうになっていたので、少しだけ水を足そうとしてホースの蛇口を開けたまますっかり忘れていました。ヨガ教室に行って帰ってみたらなんと泉水いっぱいに水が溜まって芹がまるで海藻のように水中で揺れていました。ああやっちゃった！！でも久々に泉水が泉水らしく見えました。
人生にいくたび途中下車せしか今日で七十八歳となる
このブログは２００６年７月２０日「やうやくにブログ開設わが思い世界に発信夢の膨らむ」の歌で始まりました。その時わたしは６５歳でしたが、早いものであれからもう１３年経ち、今日私は７８歳になりました。思えば７８年の人生旅は、いろいろな運命に翻弄され続け、何度途中下車したことだろうと思います。大阪、東京・・・いろいろな駅があったけれど、最後に降り立ったこの無人駅で今やっと安らぎを得たように思います。
『母の歌百選』を書きて母偲ぶ今年最後の習字教室
自分の歌を毛筆で書けるようになりたいと「かな習字教室」に通い始めて２年近くなります。シベリア巡拝の歌を終えて、今は母の１３回忌に作った歌集「母に捧げる歌百選」を書いています。半紙１枚に６首書くので１７枚書くと出来上がります。今日は今年最後の教室で、母を懐かしく思い出しながら６枚目を書きました。「幼き日罠にかかりし子ねずみを飼いたきと母にせがみし日あり」の歌は賀状にいいなあとふと思いました。
