マーティン・スコセッシ監督の集大成ともいえるマフィア映画。NETFLIXの配信ですが、現在一部の劇場で限定上映されています。
”ゴッドファーザー” やスコセッシ監督のマフィア映画が好きなので、本作も制作の話を聞いた時から見たい～！とやきもきしていました。渋谷の UPLINK で上映されると知って、年末いそいそと見に行ってきました。
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシなど、マフィア映画に欠かせない大スターたちが勢ぞろい。50～70年代のアメリカのマフィア事情？が、背景となる歴史も交えて奥行たっぷりに描かれていて、しびれるような快感を味わいました。
本作を見ながら、スコセッシ監督の ”グッドフェローズ” や ”ディパーテッド”、フランシス・コッポラ監督の ”ゴッドファーザー”、それからトラック運転手組合が出てくるので、港湾労働者たちを描いたエリア・カザン監督の ”波止場” なども頭に浮かびました。
主人公はのちにアイリッシュマンの異名を持つ、トラック運転手のフランク(ロバート・デ・ニーロ)。ひょんなことからイタリア系マフィアの親分ラッセル(ジョー・ペシ)に気に入られ、彼の右腕としてヤバい仕事を請け負うようになります。
やがて、フランクはラッセルからトラック運転手組合長のジミー・ホッファ(アル・パチーノ)を紹介され、ジミーとも交流を深め、彼の仕事も請け負うようになります...。物語は、年老いて介護施設に入っているフランクが、半生を振り返る形で進行していきます。
実在の人物をモデルにしているだけあって、リアリティも半端ない。物語にはフィクションも含まれているとは思いますが、ケネディ大統領の暗殺や、ジミー・ホッファの失踪も、彼らが関わっているらしいことが匂わされていて、ゾクゾクする興奮を味わいました。
フランク夫婦とラッセル夫婦が結婚式に出席するためにデトロイトへと向かうドライブ旅行も印象的でした。最初はのどかな旅か...と思いきや、旅の途中で次第に重要な意味を帯びてきます。抜き差しならない状況が近づくにつれ、心臓がバクバクしてきました。
ゴージャスな女性たちも登場しますが、この映画ではあくまで脇役。ポリコレ抜きに男たちの硬派なドラマを堪能しました。
古き良きアメリカの闇の側面なんでしょうが、社会を下支えしていたのが、風俗や歓楽街といった宵闇の世界で、今で言う処のいわゆる反社のセーフティネットの役割をも果たしていたと思います。
マフィアって恐いですけど、反社の不良も背を引き締める迫力があって、「ゴッドファーザー」のドンには気品やカリスマすら感じる風格でしたね。何かそういう形での教え方もあるんじゃ無いでしょうか。だから、セーフティネットとして、どんな人にも義務を強いるし、学校の先生などの言う事に耳も貸さなかった人にも教えられると思います。
マフィアって本来は私とは相いれない存在ですが
映画ではどうしても惹かれてしまいます。
今の世の中では失われてしまっている義侠心に
ぐっと来てしまうのかもしれません。
そんな私の気持ちに応えてくれる傑作でした。
わ～、「アイリッシュマン」見に行かれたんですね！
私も物凄～く見たいのですが、上映館が少ないし、上映時間も長いのでなかなか決行出来ずにおります。
いっそ、ネトフリに加入するか？くらいな気持ちにもなりましたが、何とか劇場に行きたいな～。
ジャック・ニコルソン主演の「ホッファ」っていう映画があるのですが、こっちも観直しておこうかな。
記事を読ませていただいても、本当に面白そうです。
アイリッシュマン、何とか見に行けてよかったです。
上映時間が長いと日程調整がたいへんですが（それと体調も整えないと）
ご覧になれるといいですね。
ホッファはこの映画を見た後に知って、見てみたくなりました。
それとスコセッシ監督のカジノも見たいです♪
私この作品がすごく良くって…昨年のベストにも入れたのですが、「往年の」と表現してしまってもいい位の重鎮の監督・役者が持てる力を炸裂させた感じがしてすっごく好きなんですよ。
ジミー・フォッファの真実自体は今も謎に包まれているのですよね。そこもまたとても渋いと感じます。
スコセッシ監督の集大成とよぶのにふさわしい
重厚感あふれるマフィア映画でしたね。
往年の大スターたちの渋い演技や、もうひとつのアメリカ史？といった
ストーリー展開にどきどきしながら引き込まれました。
男たちの佇まいにしびれました♪