薬物依存症の息子と彼を支える家族の苦難を描いた、実話に基づくヒューマンドラマ。映画のモデルとなった父子がそれぞれの視点から書いた、2冊の回顧録を原作としています。ティモシー・シャラメとスティーヴ・キャレルが主演し、ブラッド・ピッドのプランBエンターテイメントが製作を務めています。
聡明で、文才があって、サーフィンの得意な大学生の息子ニック(ティモシー・シャラメ)は、ふとしたことから薬物依存症になってしまいます。更生施設に入ってもそこを抜けだし、何日も行方不明になり、その間に再び薬物に手を出してしまうという繰り返しの中で、父デヴィッド(スティーヴ・キャレル)はあきらめずに彼を見守り続けますが...。
今もっとも輝いている若手俳優、ティモシー・シャラメが主演ということで楽しみにしていた作品です。予告を見ただけで詳細は知らなかったのですが、上のスチールを見て、きっと父子の絆を描いたハートウォーミングなお話なんだろうなーとぼんやり思っていた私。
ところが本作は、薬物依存症の過酷さが生々しく描かれていて、最後まで救いがありません。映画のあとのテロップで、この作品が実話をもとにしていて、ニックが依存症を克服して8年が経過していると知り、ようやくほっと胸をなでおろしました。あとで映画の公式HPを見て、ニックが現在はテレビドラマの脚本家として活躍していることも知りました。
日本では薬物依存症がそれほど身近にないこともあって、正直ニックの苦悩がなかなか理解しにくいということもありました。才能にあふれ、容姿に恵まれ、何の不自由もないのに、何が彼をドラッグの闇へと引きずり込んだのか。きっかけは些細なことだったのかもしれません。
たしかに父親のデヴィッドは少々過干渉なところがありましたし、息子への期待が大きかったがゆえに、自分の理想像を息子に押し付けていたところがあったかもしれません。でもそれは親であれば多かれ少なかれあることですしし、愛情の表れでもありますよね。
親は子どもを愛するがゆえに人生の先輩として手を焼き、将来を心配するがゆえに自分の価値観を押し付けてしまうことがある。大人と子どもの間で揺れ動く思春期の若者が、そうした親の思惑に、つい反発を起こしてしまうのは、通過儀礼のようなものでしょう。
そんな時にほんの気まぐれに手を出したドラッグに、人生を奪われてしまうことの恐ろしさがまざまざと伝わってきました。不健康に痩せた体に、数えきれないほどの注射針の跡が痛々しかった...。シャラメくんが演じると、そんな若者も耽美な美しさとなって胸に迫るけれど、決して美化してはいけないのですよね。
繊細で傷つきやすいニックを見ながら、同じく思春期クライシスを描いた「イントゥ・ザ・ワイルド」を思い出したりもしました。見るのに覚悟がいる作品ですが、ティモシー・シャラメの魅力と演技を堪能しました。
シャラメ君のこの映画、薬物依存の映画だったんですね!
私も、てっきり、シャラメ君の美貌を愛でる普通の人間ドラマなのかと思ってました!
シャラメ君も凄く難しい役にチャレンジしたのですね。
とても重たそうですが、彼が中毒を克服していると聞いてホっとしました。
いつか見てみたいです。
シャラメ君のこの映画、私も普通に思春期の危機を描いた作品だと思ってましたが
思った以上に重い作品でした。
実話というのもびっくりでしたが、今のところ克服しているとのことで、ほっとしました。
アメリカでは、50歳以下の死因で一番多いのが
薬物の過剰摂取という現実に衝撃を受けました。
ルーカス・ヘッジズが、ジュリア・ロバートと共演する
来月公開の映画「ベン・イズ・バック」もやはり薬物依存症がテーマですよね。
アメリカでは青少年の薬物依存が、深刻な社会問題になっているのでしょうね...
コメディ俳優でブレイクしたスティーヴ・カレルは色々な役柄にチャレンジしていますが、本作の父親役はとても良かったです。今までで最高の彼でしたね。
シャラメ君も大熱演で頑張ってました。
彼は風貌からもそうですが、繊細なキャラ似合いますね。
父が歌うBeautiful Boyが胸にしみます。
家に帰ってジョンのBeautiful Boy聞きました。
♪♪Beautiful、Beautiful、Beautiful♪♪と繰り返すところが好きです。
Plan Bは観客に訴える映画を作るのが上手いです。
フォックスキャッチャーのスティーヴ・カレルには驚かされましたが
最近はシリアスな役柄もすっかりおなじみになりましたね。
本作の父親役もとても心に残る演技でした。
シャラメ君の傷つきやすく繊細な演技は
彼の美しさとも相まって胸に迫りました。
本作は使われる音楽もよかったですが
(2人とも音楽が好きという設定でしたし)
特にジョンのBeautiful Boyは印象的でしたね。
Plan Bが作る映画は誠実な作品が多くて、信頼できます☆
ちょっと出張続きだったもので、ご訪問が大変遅くなってすみませんでした。
私が本作の中で印象に残ったものの内のひとつは「ドラッグは結果に過ぎず問題点は別の所にある」という指針です。
一体何が彼をドラッグに走らしめたのだろう…?
そう考えるとかなり深刻で深い作品だと思いました。
お忙しくしていらしたのですね。
コメント、ありがとうございます。
アメリカは、銃もですが、ドラッグもあまりに身近であることが
”ちょっとしたきっかけ”で手にしてしまうきっかけを
与えてしまうものなのだと思います。
考えさせられる作品でした。