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ワンダー 君は太陽

2018年07月25日 | 映画

R・J・パラシオのベストセラー小説を、「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボスキー監督が映画化。「ルーム」のジェイコブ・トレンブレイが顔に障害を持つ少年オギーを演じ、ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソンが共演しています。

ワンダー 君は太陽 (Wonder)

トリーチャーコリンズ症候群という遺伝子性の病気で、顔が変形して生まれたオギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は、27回もの手術を受けなければならず、小さい時から自宅学習を続けてきました。5年生になり、母(ジュリア・ロバーツ)の決断で初めて学校に通うことになったものの、級友たちから好奇の目で見られ、避けられ、孤立してしまいます。

それでも家族が見守る中、勇気をふりしぼって学校に通い続けたオギーは、やがて同じクラスのジャック(ノア・ジュプ)と仲良くなりますが...。

予告を見た時は、難病ものか...と実はあまり気持ちが動かなかったのですが、そんな自分を叱りつけたくなるほど、素直に心に響くすてきな作品でした。先に見た友人から、懐かしかったと聞いていたのですが、映画を見て納得しました。

いっしょにするのはおこがましいですが、子どもを初めてアメリカの学校に入れた時の緊張感や、学校に慣れるまでの日々を思い出したりして…。本作は障害を持った子どもが主人公ですが、マイノリティや社会的弱者への不寛容が気になる昨今だから、”人に優しく”という普遍的なテーマが、静かな重みを持って胸に迫りました。

物語は本作の”太陽”ともいうべきオギーを中心に展開していきますが、オギーを取り巻く惑星たち...姉やジャック、姉の親友ミランダの視点も描かれているのがおもしろかった。姉ヴィアは、両親が病弱なオギーにかかりきりだったため、手のわずらわせてはいけないと、甘えることもできず、人知れず寂しい思いをしてきたこと。

ジャックやミランダの視点では、誰もが持っている心の弱さと、それを乗り越えるまでの過程がていねいに描かれていて、彼らの気持ちに寄り添いながら見ていました。

校長先生の教育者としての姿勢にも感銘を受けました。親が学校に多額の寄付をしているからといって特別扱いすることなく、いじめっ子に適切な処分を与えたこと。日本だといじめられる側に問題があるとして転校させられるという話も聞くので、学校側のいじめを許さない毅然とした姿勢にはっとさせられました。

私自身、アメリカの学校のいじめへの対応はとにかく早いと記憶しています。特に人種や文化に関しては敏感で、些細な差別の芽も許さない土壌があり、弱者をいじめることがいかに卑怯か、家庭でも学校でも徹底的に教えます。

ジュリアンがオギーをいじめたのは、オギーが優秀でユーモアがあり、誰からも好かれることに脅威を感じていたのかもしれません。でもきっと仲直りできたと思うので、あんなことになってとても残念でした。

サイエンスフェアも懐かしかった。実験は親の監視下でやりますが、私もこういうことは大好きなので大いに燃えました。^^ オギーは授業で学んだ光の反射をちゃんと取り入れた実験だったので、さすがだな〜と妙なところで感心しました。

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