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レディ・バード

2018年07月18日 | 映画

「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグによる監督デビュー作。「ブルックリン」のシアーシャ・ローナンが主演し、監督の自伝的要素を盛り込んだ青春映画です。

レディ・バード (Lady Bird)

2002年、カリフォルニア州サクラメント。カトリック系の高校に通うクリスティン(シアーシャ・ローナン)は、大都会ニューヨークの大学への進学を希望していましたが、経済的理由から母親に反対され、成績の方も今ひとつ。閉塞感の中で、親友ジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)に誘われ、いっしょに演劇部に入りますが...。

グレタ・ガーウィグが好きで、シアーシャ・ローナン、ルーカス・ヘッジス、ティモシー・シャラメと、今勢いに乗っている若手実力派俳優たちが出演していることもあって、楽しみにしていた作品です。本作は「フランシス・ハ」のプリクエルともいえる物語で、ガーウィグの高校時代がモチーフとなっています。

「フランシス・ハ」では、ガーウィグ演じる脱力系主人公の、ドジでちょっぴり不器用なキャラクターに不思議な魅力を感じていましたが、本作でシアーシャが演じる主人公クリスティンは、気が強くてしたたかで、時に他者への思いやりに欠け、正直共感できないところも多かったです。

それでも自分がイヤ、家族がイヤ、友達がイヤ、自意識過剰で、自信と劣等感のアンビバレントな感情に苛まれる、この時期特有のあれこれは、遠い昔を思い出しつつ、理解できるような気がしました。

突然解雇されて職を失うも、クリスティンの夢をなんとかかなえてあげたいと応援し、手を尽くしてくれるお父さん。クリスティンとはいつもケンカばかりしていても、心の中では娘の幸せを願っているお母さん。お母さんがつい現実的なことを言ってしまうのは、一家を経済的に支えるという重荷を背負っているからでもあるのでしょうね。

そんな母の苦労を知ってか知らずか、いつもふわふわして、恋に遊びに夢中なクリスティン。日本とは受験制度が違うとはいえ、まったく勉強している様子がないのに、よく合格したなーと思いますが^^ ちょうど9.11の後で、ニューヨークを志望する人が少なかったのも彼女にとってはラッキーでした。

高校を卒業して親元を離れ、念願のニューヨークでの一人暮らし。学生生活をはじめるも、早速酔いつぶれて病院に運ばれるクリスティンにやれやれ...と思いつつ、彼女の学生生活に幸あれと祈らずにはいられませんでした。

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