10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

ブリーフによる発注

2007年11月20日 | 研修・自己啓発
“ブリーフ”というとパンツを連想してしまいますが、今日は文学館へ「より良い建築をつくるために~ブリーフによる建築設計発注~」という講演会を聞きに行ってきました。今月が「公共建築月間」ということで企画されたものです。“ブリーフ”というのは、簡単に言うと『建築主(発注者)の責任で作成される設計発注文書』のことで、“建築の目的、機能、性格、各種制約条件など、建築物の在り方全体に付いて建築主としての考え方を設計者に示す業務文書”です。主に公共工事や大型プロジェクトなどで採用されるのですが(現在は日本ではまだ少ない)、個人住宅をメインに手掛けている私にとっては、ほとんど縁のない手法だとも思いました。しかし、よくよく考えると私の場合、最初に施主(建築主)さんに、どんなことでもよいから、要望とか考えとかを文章でも、イラストでも良いから提出してもらうようにしています。これが言ってみれば“ブリーフ”の原型だと思います。公共施設のような場合は、発注者の立場が曖昧で、設計者が勝手に判断してしまうケースが間々あります。著名建築家の場合などは特にそうでしょう。こうした弊害を無くすための手法としてこれから増えて行くことが期待されます。

ところで今日は、「県民の日」だそうで、文学館も隣の美術館も無料で開放されていました。どうりで人が多いと思いました。帰りに文学館で開催されている、『宮沢賢治 若き日の手紙 ―保阪嘉内宛七十三通―』展を見て来ました。

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3 コメント

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ブログタイトル (アイシティkofu)
2007-11-20 23:21:33
ブログタイトルが変わっている事に気が付きましたので、私のリンク集も変更しました。
公共建築設に発注者側からの文書が無かったというのは意外でした。建築関係は無知な私です。
要求仕様が文書で明示されずに話だけで設計できる実力も凄いですね。
しかしそうなると行政側では入札予定価格というのはどうやって算出するのかとも思いますけど・・
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ありがとうございます。 (管理人)
2007-11-21 08:29:59
気まぐれな当方のブログをリンクして頂き感謝です。
公共工事は手掛けた事がないので良く分かりませんが、発注者側の予算に合わせて設計するのだと思います。建設費もそうですが、問題になるのは、完成してからの維持管理費ですね。なるべく維持管理が楽な設計をしてくれるとよいのでしょうが、その辺が、ブリーフの必要性とも関連してくると思います。
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公的会計制度の未来と・・ (アイシティkofu)
2007-11-27 01:24:00
レスありがとうございました。
なるほど維持費、そして減価償却問題もありますね、公的会計が複式簿記の財務諸表必須の形に変化していく時代に、色々と考えさせられるお話でした。
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