10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

装置化する住まい

2006年06月01日 | 建築の話題
消防法の改正により、この6月1日から新築住宅にも火災警報器の設置が義務付けられます。数年前、シックハウス対策の一環として、24時間作動する換気扇の設置が義務付けられましたが、これらの流れを考えると、住宅がだんだんと重装備されて行くことに気がつきます。私の個人的な感想は、なんで法律がこんなお節介をするのか、ということです。穿った見方をすると、換気扇メーカーや警報器メーカーの業界から政治献金でも貰った結果なのかなんて考えてしまいます。確かに安全性という意味は分かりますが、換気扇を廻していればアトピーが治る訳ではなく、警報器を付けたからといって火災から守れるというものではありません。肝心なのはそれ以前のこと─つまり家はどうあるべきかとか、どのように暮らすかべきかといったこと─だと思います。このまま行けば、ますます日本の家は装置化が進み、機械でコントロールされる生活になって行く恐れを感じます。法律が日本の住文化のさまたげをするようなことは感心できません。