まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

春夏秋冬(西陣)で135連チャンが出た日

2012-08-27 17:20:50 | 現金機デジパチ

1993年(平成5年)10月1日。

東京・王子駅北口のパチンコ店「アイランド王子店」(閉店、跡地は現在「オリエンタルパサージュ王子」)に、一人の中年男性が入店した。

近所で飲食店を営むIさんは、パチンコ歴2年。アイランドに最近入ったばかりの新台「春夏秋冬」(西陣、デジパチ)を打つべく、朝10時に来店した。

この店の春夏秋冬はラッキーナンバー制で、「7、祭」が出ると無制限、「1,3,5」は連続遊技、その他の絵柄は一回交換というルールになっていた。なお、換金率は2.5円。

この界隈では当時、「ジパング」「サンパレス」「JURAKU」「JUMP21」など、多くのホールがしのぎを削っていたが、春夏秋冬を真っ先に導入したのがアイランドだった。

 

I氏は、最初に座った台が不調で隣の台に移り、単発の大当りを引く。その後、さらに隣の127番台に移動したのだが、このカニ歩きが、I氏に思いもよらぬ「幸運」をもたらした。

127番台に腰を下ろしたI氏は、午前10時59分、3000円の投資で初当りを引く。これは交換ナンバーだったが、すぐさま無制限の「7」で2回目の当りが来る。そして、怒涛の数珠繋ぎ連チャンが始まったのだ。

大当りが終わっても、短時間で次の当りが来る、というパターンを繰り返す127番台。どんなにハマっても、「上皿の玉プラス2掴み」で済んだという。

最初は足元にドル箱が積まれていたが、連チャンが10連、20連、30連と続くうち、通路ではドル箱が邪魔になる為、階段へ別積みする事になった。

この「異常」な連チャンはすぐに店中に知れ渡り、春夏秋冬のシマは見物客で埋め尽くされた。他のホールで打っていた客たちも、この情報を聞きつけてアイランドに集結。中には、新幹線で遠征してきた人もいた程で、入口から店内まで黒山の人だかりとなった。

人気攻略誌「パチンコ必勝ガイド」のスタッフも、現場に居合わせた読者からの情報で駆け付け、当日の取材を敢行。後に、誌上で紹介している。また、写真週刊誌「FLASH」も、この大連チャン事件をトップ記事で報じている(その他、「アサヒ芸能」などの週刊誌にも掲載)。

結局、127番台の数珠繋ぎ連チャンは、一度も途切れることなく閉店まで継続。打っているI氏は、トイレも我慢して、ひたすらハンドルを握り続けたという。「いつ終わるか、ヒヤヒヤしていた」I氏だったが、最終的には「135連チャン」という前代未聞の大記録を打ち立てた。

総獲得出玉は31万6164個、換金額は79万400円。階段に積み上げた130箱のドル箱を背に、満面の笑みでピースサインをするIさんの写真は、世のパチンコファンを驚かせた。

件の127番台は、この3日後の10月4日にも、「32連チャン」という爆裂を起こしており、台に内部的な不具合があった事は明らかだろう。

この事件で一躍有名人となったIさんは、その2か月後、テレビ東京の人気番組「浅草橋ヤング用品店」のパチンコ企画「闇のパチンコワールドカップ2、伝説の135連男に挑戦」に出演した。


さて、大当り後の早い回転数で当る「数珠繋ぎ連チャン」が持ち味の春夏秋冬だが、その内部スペックを考えると、「135連チャン」はあまりにも現実離れした数字である。

その為、アイランドでの大連チャンがどうして起きたのか、疑問に思うファンも少なくなかった。

★参考★

春夏秋冬の連チャンシステム

・電源ON直後は朝一モード(内部確率:1/210)。

・最初のリーチ時(ミコシが動いた時)に、3つのモード(天国、通常、地獄)に振り分けられる。

・振分け率は、天国⇒20%、通常⇒40%、地獄⇒40% 朝一は初リーチの2割が天国移行。

・内部確率…天国モード:1/10、通常モード:1/210、地獄モード:1/420

(地獄モードは綱取物語(1/988)よりも遥かに甘い)

・なお、各モード毎の移行率は次の通り。

天国⇒天国…40%  天国⇒通常…40%  天国⇒地獄…20%

通常⇒通常…40%  通常⇒地獄…60% (通常から天国に上がる事は、まずない※)

地獄⇒地獄…20%  地獄⇒天国…40%  地獄⇒通常…40%

・地獄モード中に40回リーチが外れると、天国に移行。

※(註)通常モード中も、248回リーチが外れると天国に上がる(ただ、現実的にはあり得ない)。

 

 

ご覧のように、天国モードのループ率(連チャン率)は40%。これで135連チャンなど、到底不可能である。

まぁ、あの大連チャンの怪については、127番台の中身をチェックした人でない限り、真相を知る由もないだろう。

ただ、当時のガイド誌の見解を参考にすれば、この日の127番台は、朝一で天国モードに移行した後、役物のミコシ或いは払い出しモーターの配線が故障し、モード移行処理(更新処理)が行われなくなった、という線が濃厚である。

なお、ミコシの役物に玉が挟まり動かなくなった為、天国モードが固定されたとする説もある。

 

いずれにしても、現役時せいぜい5,6連が精一杯だった自分としては、あの春夏秋冬で135連という「夢の大連チャン」をゲットしたIさんが、何とも羨ましい限りである。

 

因みに、春夏秋冬を打ちに当時通った新百合ヶ丘の「B」という店では、朝のタイムサービスとして、春夏秋冬と綱取物語の2シマで「電源OFF」サービスをやっていた。近くに好立地の競合店があり、条例で派手なネオンも出せないB店には、この手の客寄せが必要だったのだろう。

電源OFFサービスは概ね盛況で、特に春夏秋冬の客付きが良かった。ただ、朝早くから並ばなくても、開店直後は空き台がボチボチ残っていた。

このB店、残念ながら立地の良いライバル店「Z」がネックとなり、やがて「D」という店になった後、閉店してしまった。現在、跡地には立派な高層マンションが建っている。

個人的には、「Z」よりも「B」の方が、地元密着のパチンコ店らしくて好きだったな…。

 

(★追記)

「Z」は、新百合ヶ丘駅北口ロータリー前(当時2フロア、現在も営業)

「B」は、新百合ヶ丘北口徒歩5分、世田谷通り沿い(跡地は「ヴィークコート新百合ヶ丘」)



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あなろぐ)
2012-08-28 00:45:55
この連チャンは有名でしたね~
新百合ヶ丘のBってどこだろう?駅前のロータリーに一軒あったのは知ってます!確か2Fもあった店だったんですが‥どっちがBでどっちがZなんだろうか?
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有名な (まさ)
2012-08-28 16:47:05
連チャンですよね。当時は羨ましく思いました。
私の最高連チャンは10連チャンでした。

どうやって屋根を止めるかばかり考えていた事も。

朝から500円握りしめてモーニングに並んだ事が懐かしいです。
135連チャンで70万、そのあとに100万出るスロットが設置されるとは。
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後に… (フジイナホ)
2012-08-30 19:12:24
ニューギンのエキサイトビューティーで保留40連(ぐらいだったような)した記事が、Hガイドに掲載されてましたよね。
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Unknown (たけきち)
2015-08-16 18:44:50
22年前ですね。あの頃元気だったホールのほとんどが今はありませんね。そんなノスタルジーも感じました。135連チャンさせたIさんのその後のパチンコ人生も知りたいですね。
この頃年間300日くらいパチンコを打っていた自分も今や年間10回くらいですから。今の台を考えればこの春夏秋冬など可愛い台でしたね。
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