まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

アメリカンドリームP1(豊丸、一般電役)

2012-02-26 16:32:09 | アレパチ、電役、普通機

1990年(平成2年)に登場した一般電役「アメリカンドリームP1」(豊丸、賞球8&15)

※1991年登場との情報もあるが、某県の公安委員会告示によれば、本機の型式検定の告示時期は「1990年10月2日」。検定からホール登場までのタイムラグを考慮する必要はあろうが、当ブログでは「1990年登場」とする。


往年の一発台が続々と姿を消す中、ファンにとって「ポスト一発台」と位置付けられた本機。一発台の規制が厳しい地域(静岡など)でも重宝された「名機」である。

 個人的には、本機を良く打ったエリアは新宿・歌舞伎町である。コマ劇前「モナミ」、西武新宿駅前「日拓1」「日拓2」「日拓4」など、懐かしきパチ屋が目に浮かぶ。ただ、換金の高い店では、釘も相当厳しかった記憶も残る。


 本機を「権利物」と紹介するサイトを散見するが、これは誤りで、正しくは「一般電役」である。当時の風営法規則では、権利物は「3種」、一般電役は「4種(その他)」に分類された。

権利物とは、「大当り発生で、始動チャッカー入賞ごとにアタッカーが10秒or10カウント開放、これを最大16回繰り返す」タイプと定義される。一方、本機は、メモリー機能の付いた電動役物が連動して出玉が増えていく。権利物とは、本質的に異なる構造である。


本機の兄弟機には、「アメリカンドリームP2」がある。

「P1」との主な違いは、盤面、賞球数及びゲージ構成にあろう。

「アメリカンドリームP2」…賞球「7&13」(⇔「P1」の賞球は「8&15」)。

盤面中心に描かれた「自由の女神」が特徴(「P1」にもあるが、大きさの差は歴然だ)。

 

    

役物入賞口上のゲージ構成にも差がある。左が「P1」、右が「P2」のものだ。

左の「P1」は、6本の釘が平行に打たれており、天穴やサイドに入った玉が外に逃げ易い。

一方、右の「P2」であるが、命釘を抜けた玉が確実にヤクモノに入るよう、ズラッと菱型に釘が打たれている。

また、谷釘に注目すると、左の「P1」の方が、釘の数が多いことが判る。


 

さて、本機の大きな特徴といえるのが、この中央ヤクモノである。古くは、同社の「キングロータリー」、大一の「コースター」や平和「ロータリーパワー」、京楽の「ビッグロータリー」などで人気を博した、回転羽根付きのスロープ式役物だ。

この当時、パチンコでモンローといえば、本機か西陣のハネモノ「ニューモンロー」だった。

入店して、このバタ臭いイラストが目に入ると、俄然やる気が湧いてきたものだ。

大当りの獲得には、まずヤクモノに玉を入れる。入賞した玉が、ヤクモノ内のジグザグなレール上を左右に転がり、最下部の大当り穴まで到達すると、大当りスタートとなる。

玉の動きに一喜一憂出来る、「アナログ全開」のヤクモノだった。

役物のジグザグレールには、途中の折り返し地点に「ハズレ穴」が2カ所待ち構えていた。入賞した玉のほとんどは、下段の当り穴に到達する前に、2つの関門に邪魔されてしまう。

一方、レールの背後では、4枚羽根の「プロペラ」が一定速度で時計方向に回転していた。そして、この回転する羽根が、ハズレ穴を周期的に塞ぐサポートの役割を果たしたのだ。

ただ、二つの関門を続けて突破する事は、非常に難しかった。なぜなら、このプロペラ、第一関門を通過した玉が、次の関門でほぼ外れるような、絶妙なタイミングで回っていたからだ。バラつきはあるが、平均すると第一関門の突破率は38.6%、それに対して、第二関門を通過する確率は約2%と低い。トータルでの大当り確率は約1/130。

難関を突破して大当りするには、折り返し地点で玉が一瞬遊んで「タイムラグ」が発生したり、ヤクモノに複数入賞した玉が「玉突き」を起こして玉のスピードが変わるなど、何らかの「異変」が起きる必要があった。同時に、ヤクモノの「クセ」も大当りに大きく影響した。

 

   

通常は、モンローのイラストに隠れて見えにくい、役物の内部構造。左のスロープには、第2関門の手前に、ハズレ穴に落ちやすい「仕掛け」も施されていた。また、右のプロペラも、この羽根の幅を変えて営業する店もあった。まぁ、何かと「罠」の多い台だった事が判る。


 

当然だが、換金率や地域などで、釘調整も大きく異なった。等価交換だと、極端に命釘を締めているホールもあった。元々、ヤクモノに玉が多く入って当然の台なので、そんな渋釘台にはゲンナリであった。

また、同じシマでも、台ごとの個体差が大きかった。釘の見極めは当然、役物の「デキ」を見抜く事も重要だった。

外見では判らないが、打ってみると役物が甘い「お宝台」だったり、いつまで経っても当らない「性悪台」に捕まったり…。

大当り時の出玉も、電チュー付近の釘調整で大きく変化した。一気に5000発を超えるプラス調整もあれば、空振りが多くて3800個程度しか出ないダメ台もあった。

役物に玉が入った時は、「チキチキバンバン」の甲高いBGMが流れた。そして、大当り中には、「天国と地獄」のハイテンポなメロディ。電チューの連動にはピッタリのサウンドだった。


 

忘れるところだったが、本機には、意図的にダブルを狙える連チャン打法が存在した。大当り発生後、「2START」チューリップの開放終了まで右打ちした後、通常のストロークに戻す。そして、再度ヤクモノへの入賞→大当り獲得を目指す訳だ。非常に簡単な方法で、上手く行けばトリプル、フォースと連チャンが続くこともあった。

ただし、左打ちで出玉が減るような釘調整が施されていると、その時点でアウトだった。特に、盤面最下段の電チューは大きなポイントで、この電チューの左サイドが締められていると、他の電チューとの連動回数が減って出玉が激減する。連チャン打法が広まった末期には、ほとんどのホールでこの付近の釘がガッツリと締められてしまった。

 

※関連記事…アメどろ事件発覚!(アメリカンドリームで行われたゴト行為について)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/1cd7fd04e945bff5e5087327abbce919