・結界石(けっかいせき)
主に禅宗の寺院門前などに建てられている標石で、「不許葷酒入山門」・「禁葷酒」などと彫られている。「葷酒」は葷、つまり刺激性の強いネギ、ニンニク、ニラなどの野菜類と酒類のことである。これらが修行僧の妨げにならぬよう、風紀を維持し静安のために境界を定めたものである。仏教の教義である五戒のうち、不飲酒戒を受けている。
嵐山町には7基を数え、「不許葷酒入山門」が2基、「禁葷酒」が3基、「不容葷酒入門」が1基、「是より禁酒」が1基となっている。6基は禅宗のうち曹洞宗寺院にあり、1基は修験系の寺院である。また7基のうち2基は、元大乗寺(石川県金沢市)住職の愚禅による筆のものである。造立年代は1791年(寛政3)から1821年(文政4)と、江戸中期以後の造立である。また造立年代が刻まれていない場合もある。
※嵐山町博物誌調査報告第8集『嵐山町の石造物1』(嵐山町教育委員会発行、2003年3月)掲載の島﨑守男「嵐山町の石仏造立の背景」22頁
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