QSTでのレビューの結果を受けて、FlexRadioからQSTの編集部に手紙を送ったそうです。
その内容は同社のWebサイトで公開されています(Letter to QST Editor)。PDFファイルで5ページ近くあるもので、例によって斜め読みですが、概要を紹介してみます。
内容はおもにダイナミックレンジの測定結果について、FlexRadio社で様々なサウンドカードを用いてテストした結果とARRLの測定値で約10dB程度の違いがあるということと、それをもたらしたと推定される理由に関してです。
もっとも大きな理由としているのは、PowerSDRソフトウェアの設定(ゲインコントロール)で、ARRLがテストを行なった2004年の11月の時点ではそれに関して十分にドキュメントが整備されていなかったために適切なセッティングの情報がARRLに与えられていなかったこと、さらに3月現在のバージョンのソフトウェアでは最大のダイナミックレンジを得るために重要な設定がより簡略化されていると述べています。
従来のPowerSDRでは、ゲインに関するコントロールとして"ATT"と"Gain"と"IF"という3つの設定箇所がありました。"ATT"はフロントエンドのトップ(RFEボードのプリアンプの前)に入る通常の意味でのアッテネータ(10dB)であり、"Gain"というのはTayloe detectorの後に入るベースバンドのアンプのゲイン(0/26dBの二択)、そしてIFというのはサウンドカード自身の入力のゲインのコントロールです。それらに関してARRLのテストでは最適な設定がなされていなかったとFlexRadio社では考えていて、それを次の4つの項目で述べています。
1. ARRLのテストではGainの設定をRF プリアンプのon/offと解釈しているが、Gainはdetectorの後のアンプのゲインであってRFプリアンプとは関係がない。
2. サウンドカード入力レベルのコントロールである"IF"の設定が明らかに最適でなかった。この設定はノイズフロアを上げない範囲で可能な限り低く設定すべきものであって、これとGainの設定の組合せは、最大のダイナミックレンジを得るために非常に重要である。ARRLのテストで使用されたAudigy2 ZS(って書いてあったかなあ?)では"1"にセットすべきである。
3. SDR-1000ではNF=1.9dB、ゲイン28dBのプリアンプがつねに入っている。アンプを入れているのはdetectorの信号源インピーダンスを一定にするためなのだが、このアンプの感度はHFでの使用には高過ぎるので通常は10dBのATTをONにしたほうが良い。
4. すべてのダイナミックレンジの値はサウンドカードのダイナミックレンジがほとんどそのまま反映される。Audigy2 ZSはコンシューマ向けの24bitカードとしてはベストのものではあるが、プロ用のカードを使用すればもっと高いダイナミックレンジを得られる。FlexRadio社としては近くこれらのプロ用カードをサポートするつもりである。
その後、FlexRadio社でAudigy2 ZSを含む種々のカードでの測定結果がゲインの設定パターンごとに示されています。確かに最適な設定では、ARRLの測定結果に比べて、3rd IMD DRで4~5dB、IP3で10dB程度良くなっています。詳しい結果については原文を御覧ください。
手紙の内容はもう少しあるのですが、息切れしたのでまた別のエントリででも。
その内容は同社のWebサイトで公開されています(Letter to QST Editor)。PDFファイルで5ページ近くあるもので、例によって斜め読みですが、概要を紹介してみます。
内容はおもにダイナミックレンジの測定結果について、FlexRadio社で様々なサウンドカードを用いてテストした結果とARRLの測定値で約10dB程度の違いがあるということと、それをもたらしたと推定される理由に関してです。
もっとも大きな理由としているのは、PowerSDRソフトウェアの設定(ゲインコントロール)で、ARRLがテストを行なった2004年の11月の時点ではそれに関して十分にドキュメントが整備されていなかったために適切なセッティングの情報がARRLに与えられていなかったこと、さらに3月現在のバージョンのソフトウェアでは最大のダイナミックレンジを得るために重要な設定がより簡略化されていると述べています。
従来のPowerSDRでは、ゲインに関するコントロールとして"ATT"と"Gain"と"IF"という3つの設定箇所がありました。"ATT"はフロントエンドのトップ(RFEボードのプリアンプの前)に入る通常の意味でのアッテネータ(10dB)であり、"Gain"というのはTayloe detectorの後に入るベースバンドのアンプのゲイン(0/26dBの二択)、そしてIFというのはサウンドカード自身の入力のゲインのコントロールです。それらに関してARRLのテストでは最適な設定がなされていなかったとFlexRadio社では考えていて、それを次の4つの項目で述べています。
1. ARRLのテストではGainの設定をRF プリアンプのon/offと解釈しているが、Gainはdetectorの後のアンプのゲインであってRFプリアンプとは関係がない。
2. サウンドカード入力レベルのコントロールである"IF"の設定が明らかに最適でなかった。この設定はノイズフロアを上げない範囲で可能な限り低く設定すべきものであって、これとGainの設定の組合せは、最大のダイナミックレンジを得るために非常に重要である。ARRLのテストで使用されたAudigy2 ZS(って書いてあったかなあ?)では"1"にセットすべきである。
3. SDR-1000ではNF=1.9dB、ゲイン28dBのプリアンプがつねに入っている。アンプを入れているのはdetectorの信号源インピーダンスを一定にするためなのだが、このアンプの感度はHFでの使用には高過ぎるので通常は10dBのATTをONにしたほうが良い。
4. すべてのダイナミックレンジの値はサウンドカードのダイナミックレンジがほとんどそのまま反映される。Audigy2 ZSはコンシューマ向けの24bitカードとしてはベストのものではあるが、プロ用のカードを使用すればもっと高いダイナミックレンジを得られる。FlexRadio社としては近くこれらのプロ用カードをサポートするつもりである。
その後、FlexRadio社でAudigy2 ZSを含む種々のカードでの測定結果がゲインの設定パターンごとに示されています。確かに最適な設定では、ARRLの測定結果に比べて、3rd IMD DRで4~5dB、IP3で10dB程度良くなっています。詳しい結果については原文を御覧ください。
手紙の内容はもう少しあるのですが、息切れしたのでまた別のエントリででも。
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