1つ前のエントリでご紹介したように、最初の実験は思ったよりうまく行ったというのが正直な実感で、特に3次、5次等のIMDが大きく下がったことから「これは行けそうだ」と思いました。そこで、他の機器でも試してみようと考えたわけです。
私の部屋にはANANの他にもう1つ、USRP1とヤエス FT-450のPA部を組み合わせたものがあります。
USRPシリーズはGNURadioプロジェクトから生まれたハードウェアで、アマチュア無線用というよりは汎用のプラットフォームで学術機関等でも多く使われているようです。中身は64MHz/12bitのADC2つと128MHz/14bitのDACが2つとFPGAによるDUC(Digital Up Converter)・DDC(Digital Down Converter)で構成されています。
一方FT-450は安価なIF DSPトランシーバでお馴染みですが、これのパワーアンプはANANと同様、三菱のFETを使っています。具体的にはRD06HHF1→RD16HHF1x2→RD100HHF1x2という構成です。USRP1の出力は約0dBm弱で、これをFT450のプリドライバに入力すると大体レベル的に合うようです。
ちなみにANANの場合はPA部にRD06のプリドライバの部分は無く、代わりにHermesのボード側にOPA2674によるアンプが入っています。
今回も実験は3.5MHzを中心に行いました。まず先のエントリと同じようにPAの特性を取ったものを下の図に示します。
AM-AM characteristics of the FT-450's PA @3.5MHz(Max Pout=100W)

AM-AM characteristics of the FT-450's PA @3.5MHz(Max Pout=100W)

これを元に2-tone信号にプリディストーションをかけてIMDを測定したのが次の図になります。前回と同じように30W出力(DPD無し、有り)、100W出力(DPD無し、有り)の順になります。前回と違って各トーンは700Hzと1900Hzと狭くなっていますが、特に意味はありません。他の幅でも調べましたが結果に大きな差は無かったです。
IMD @ 3.5MHz/30W pep without predistortion

IMD @ 3.5MHz/30W pep with predistortion

IMD @ 3.5MHz/100W pep without predistortion

IMD @ 3.5MHz/100W pep with predistortion

1つ前のエントリでの結果と比べると、ぱっと見て変化が少ないですよね。よく見ると、3次の歪はむしろ増えている部分があって、5次より上に関しては若干減っているが、いいところでも5~10dBというところ。
周波数を変えて試しましたが、傾向としては同じです。今回グラフはありませんが、出力が10Wくらいのところでは、3次歪も含めて良くなるポイントがあったくらいです。
また、USRPを使ったことで何か見落としていることがあるかも知れないと思い、Hermesの出力をFT-450のPAに入れて前回と同じプログラムでやったりもしましたが、その結果も変わらず。
また、前回もそうですが、2-toneのFFTのグラフはエキサイタ(HermesやUSRP1)をfull-duplexで動作させて表示したものですが、他の受信機でもモニターして大きな差が無いことは確認しています。
ドライバ、ファイナルに関してデバイスとしては同じものを使っているので、似たような結果が出るかと思ったのですが、予想は裏切られました。もう少し実験を行いながら原因についても調べてみたいと思っています。
実際にはANANが来たのは最近で、準備はUSRP1+FT-450でやっていたわけで、こっちの結果だけ見てたらエントリも書かなかったかも知れません。
他のPAも試してみたいところですが、手元には他に無いのが残念です。
私の部屋にはANANの他にもう1つ、USRP1とヤエス FT-450のPA部を組み合わせたものがあります。
USRPシリーズはGNURadioプロジェクトから生まれたハードウェアで、アマチュア無線用というよりは汎用のプラットフォームで学術機関等でも多く使われているようです。中身は64MHz/12bitのADC2つと128MHz/14bitのDACが2つとFPGAによるDUC(Digital Up Converter)・DDC(Digital Down Converter)で構成されています。
一方FT-450は安価なIF DSPトランシーバでお馴染みですが、これのパワーアンプはANANと同様、三菱のFETを使っています。具体的にはRD06HHF1→RD16HHF1x2→RD100HHF1x2という構成です。USRP1の出力は約0dBm弱で、これをFT450のプリドライバに入力すると大体レベル的に合うようです。
ちなみにANANの場合はPA部にRD06のプリドライバの部分は無く、代わりにHermesのボード側にOPA2674によるアンプが入っています。
今回も実験は3.5MHzを中心に行いました。まず先のエントリと同じようにPAの特性を取ったものを下の図に示します。
AM-AM characteristics of the FT-450's PA @3.5MHz(Max Pout=100W)

AM-AM characteristics of the FT-450's PA @3.5MHz(Max Pout=100W)

これを元に2-tone信号にプリディストーションをかけてIMDを測定したのが次の図になります。前回と同じように30W出力(DPD無し、有り)、100W出力(DPD無し、有り)の順になります。前回と違って各トーンは700Hzと1900Hzと狭くなっていますが、特に意味はありません。他の幅でも調べましたが結果に大きな差は無かったです。
IMD @ 3.5MHz/30W pep without predistortion

IMD @ 3.5MHz/30W pep with predistortion

IMD @ 3.5MHz/100W pep without predistortion

IMD @ 3.5MHz/100W pep with predistortion

1つ前のエントリでの結果と比べると、ぱっと見て変化が少ないですよね。よく見ると、3次の歪はむしろ増えている部分があって、5次より上に関しては若干減っているが、いいところでも5~10dBというところ。
周波数を変えて試しましたが、傾向としては同じです。今回グラフはありませんが、出力が10Wくらいのところでは、3次歪も含めて良くなるポイントがあったくらいです。
また、USRPを使ったことで何か見落としていることがあるかも知れないと思い、Hermesの出力をFT-450のPAに入れて前回と同じプログラムでやったりもしましたが、その結果も変わらず。
また、前回もそうですが、2-toneのFFTのグラフはエキサイタ(HermesやUSRP1)をfull-duplexで動作させて表示したものですが、他の受信機でもモニターして大きな差が無いことは確認しています。
ドライバ、ファイナルに関してデバイスとしては同じものを使っているので、似たような結果が出るかと思ったのですが、予想は裏切られました。もう少し実験を行いながら原因についても調べてみたいと思っています。
実際にはANANが来たのは最近で、準備はUSRP1+FT-450でやっていたわけで、こっちの結果だけ見てたらエントリも書かなかったかも知れません。
他のPAも試してみたいところですが、手元には他に無いのが残念です。