JI3GAB/blog

ラジオに関する話題を中心につらつらと

TS-530(その2)

2007-08-17 00:05:37 | ラジオ(その他)
バンドスイッチがまともに動くようになって、次は各バンドで送信のテストをしてみました。3.5MHz、7MHzあたりは、そこそこまともに動作するようなのですが、上の方のバンドで、TUNEを取ろうとするとALCメータの動きがおかしいのです。一瞬ぴくっと振れるのですが、すぐにまったく振れなくなってしまいます。とりあえずメータを切り替えるとIPのディップも取れますし、LOADをいじるとパワーもそれなりには出るようですが、モニターしてみると何か変でした。
最初はバンドスイッチの接点を疑ったのですが、どうも違うようです。TS-830に関する情報を色々見ていたら似たような情報があって、「12BY7Aを差し替えてみろ」ということが書いてあったので、新品の球を挿してみたらあっさり解決。10mまで普通にALCも振れるしパワーもだいたい100W出るようになりました。マイクをつなげてモニターしてみたところ、そんなに音も悪くありません。

これで基本的な動作はOKかと思って実際にアンテナを接続して各バンドを聞いてみると、14MHzから上のバンドでやはりバンドスイッチの接触不良が発生しているようで、ちょっとグリグリしてやらないとまともに聞こえないことがありました。
接点の復活に有効で比較的安全と言われるケミカルにDeoxItというのがありますね。最近はヨドバシやハンズ、ヤフオクなんかでもスプレータイプをはじめ、結構安く手に入るようですが、以前R4Cをいじっていた頃は結構入手難でした。そのときに探して買った原液の小さいボトルが出てきたので、これを伸ばしたクリップの先に付けて、ピンポイントで少量接点に挿し、ゆっくりと何度かバンドスイッチを回しました。しばらく置いてから電源を入れて恐る恐る14や21に合わせてみたら、問題なく受信できるようで、一安心です。
ただ、バンドスイッチのウェハが2枚ずつあってそれぞれも接近していますし、段間のシールドとの間も隙間が狭いのでちょっと作業はやりづらいです。本当はもうちょっと確実に液を垂らしたいですし、その前後にクリーニングもしたいのですが、なかなか思うようにいきません。

次は切れているメータランプの交換です。なかなかぴったりのものがありませんが、なんとか代用できそうなものを入手しました。ただ、少しシリーズに抵抗を入れて切れにくくしたいと思っています。

それから前面からですと、4Pのマイクコネクタでマイクを接続することになり、変換ケーブルを作らないといけないのですが、リアパネルに予備の穴もあいているようですし、RCAか標準ジャックかをつけてそこからマイク信号を入れるようにしたいと考えています。そのためにはIF基板をはずす必要があるのですが、そうすると今度は、せっかくはずすのだからちょっと定数をいじってみようとか、SDRとの接続ポイントも引き出そうとか色々妄想が始まって、結局今、シャシから外されたIFボードが机の上にころがっています。いつになったら電波が出せるようになるやら。
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なぜかTS-530

2007-08-13 01:33:43 | ラジオ(その他)
ここ何年もSDR-1000のほかはFT-747しかトランシーバは無く、747とちょっとしたハードウェアを組み合わせてソフトウェアラジオの実験をしてきました。SDR1Kでオンエアするときも747のPAに接続して50W出力を得ていました。
747はシンプルでいいのですが、もうちょっと高機能なものに換えたいと、ときどき考えます。場所の関係もあって同じような小型のものを探していたのですが、なんとなくこれというものがなく、決めかねていたところにTS-530が安く出ていて、なぜか手を出してしまいました。SDRのファイナルにも使えるし、CWフィルタもついてるし、とか言い訳しながら。
届いてみると、外観も内部もまあまあ綺麗でしたし一応動作品でしたが、バンドスイッチにガタが出ていて、何度か動かしているうちにくるくる回るようになってしまいました。バンドスイッチのシャフトは、RF基板に載っている受信用、ドライブ用のものを通ってファイナルボックスの中に入り、樹脂製のカプラで、終段のスイッチ切り替え用のシャフトと接続されています。このカプラにひびが入り用を為さなくなったのが原因です。メンテナンス情報が豊富なJL1XFR木嶋さんのところの掲示板を見たところ、秋葉原でこの部品が今でも入手できることがわかりました。しかも耐久性も以前のものより上がっているようです。
しばらく秋葉に行けそうになかったので通販で注文したのはいいのですが、ドライブ側のスイッチとファイナル側のスイッチを同じバンドに合わせるのはどうしたらいいのだろう? コイルのタップを追いかけるしかないのかと情報を探していると、Yahoo!にTRIOのハイブリッド機?のグループがあることを知りました。そこでバンドスイッチに関するメッセージを検索したみたら、やはり同じ問題に遭遇した人がたくさんいるようで、位置あわせの方法が書いてありました。それは、

1. 10MHzのポジションで、どちらもシャフトのフラットな面のネジの跡がついている面が手前(ファイナルボックスを開けて横から見ているとき)に来て、

2. そのときにもう一つのネジ跡が下を向いているのが正しく同期している状態。

というものです。すべての830/530でうまく行くかどうかわかりませんが、私の場合はこれでOKでした。いずれにせよ、ネジの跡を参考にするというのは言われてみれば当たり前のことですね。

追記:

あのカプラ(ジョイント)を交換するためには、バンド切り替えのシャフトをファイナルボックスから引き抜く必要があります。カプラのビスをゆるめ、バンド切り替えツマミを引っ張ってシャフトをゆっくり引き抜きます。ただし、RF基板上のSWのウェハからは抜けない程度にです。カプラを取り出すのに十分な隙間が、ファイナルボックスとシャフトの間に出来ればよいのです。このときに、ファイナルボックスのところにスプリングがあってそれでシャフトを押さえていますので、それをなくさないように外して取って置いてください。いよいよ割れたカプラをファイナルボックスから引き出します。最初はフロントパネル側に真っ直ぐ出し、そうするとRF基板上のコイルに当たるので今度はドライバか何かと指をうまく使って斜め上の方に引き抜くようにすると、ファイナルボックスや基板をはずすことなくカプラを交換できます。もしかすると違う個体や830ではダメな場合もあるかも知れませんが。もちろん感電には十分ご注意ください。K4EAA氏のページの写真なども参考にしてください。もっとも彼はメタルのジョイントに交換することを薦めているようですが。
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Simple I/Q Modulator (SIQM)

2007-08-10 00:44:54 | ソフトウェアラジオ
PCでデジタルSSB変調処理を行い、サウンドカードのステレオ出力からI/Q信号としてSSB波を出力するプログラム、SIQM(Version 0.1)を公開しました。

以前、サウンドカードを使って変復調を行うDSsbPというプログラムを公開しましたが、そのときに幾人かの方から「セラミックフィルタなどを通さず、直接送信周波数に変換したいのでI/Q出力の変調器が欲しい」というご要望をいただきました。

私自身もDSsbPと同時期に、SDR-1000等と組み合わせて使うためにI/Q出力のものを試作して放ったままになっていました。そこで、それを少しだけ手直ししたものを試用していただくことになったのがきっかけです。

ほとんど動作の検証をしていなかったものを、実際に自作のハードウェアと組み合わせて使用してフィードバックをいただいた結果、いくつかバグも取れましたし、フィルタのシャープさを変更できるように改良するなど機能の追加も行えました。
また、Windows版ではASIO対応にしたことで、遅延も数十msec程度とDSsbPのときの半分以下に改善されています。

反面、パラメータの保存、PTTの制御などの機能が実現できていないことや、復調のプログラムとの統合(当初はpsnmodemという名前でしたHi.)がいまだに形になっておらず、公開をためらっていましたが、一旦区切りということで公開することにしました。

DSsbPのときにも書いたかと思いますが、PowerSDRやKGKSDRなどの素晴らしいソフトウェアがある現在、実際に使用するという観点から考えると公開する意味があるのかどうかわかりませんが、変調処理の基本的な部分は、こんなシンプルなものでも実現できるということを感じていただけたらと思っております。

なお、今回のプログラムは変調処理だけですので、ノートPCのようにMIC入力とヘッドフォン出力(ステレオ)しかないものでも動作するはずです。

最初にメールをいただいた石田さんをはじめ、様々なフィードバックをいただいた方々に感謝します。

ご質問等ありましたらここのコメント欄か、メール(コールサイン@arrl.net)にてご連絡ください。出来る範囲で対応させていただきます。
コメント (9)
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