goo blog サービス終了のお知らせ 

JI3GAB/blog

ラジオに関する話題を中心につらつらと

パラレル <ー> USB変換アダプタ

2005-03-31 23:20:38 | SDR-1000
SDR-1000のコントロールにはパラレルポートを使用します。しかし、パラレルのケーブルは太くて扱いにくい上に長くなると誤動作を起こすという問題がありますし、最近のノートパソコン等ではパラレルポートの無いものがほとんどです。世の中にはUSBをプリンタポートに変換するアダプタはいくつもあるのですが、パラレルポートの代わりとしてちゃんと使えるものはほとんど無いようです。Linuxでも、ある特定のチップを用いた変換アダプタに関してはパラレルポートとして使うことができるようなのですが、いかんせん古いチップのようで、それを使った変換アダプタを私は見かけたことがありません。
そんなわけでこの「パラレル <ー> USB変換アダプタ 」は随分前からリクエストの多かったものなのですが、ようやく販売が開始されました。詳細はFlexRadio社のProductsのページを御覧ください。尾値段は59ドルです。
うっ、しかしこれのLinux用のドライバはきっとまだ無いのだろうなあ....
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイナミックレンジはどれだけ必要か?(その2)

2005-03-29 00:51:14 | ラジオ(その他)
先に紹介したQEXの記事に対して、2つ後の号(2002 September/October)のLetter to the Editor欄にドイツの読者DK8PD(Werner Hallenbach氏)からの投稿がありました。彼も1995年に同じ問題(実際に必要なダイナミックレンジはどのくらいか?)に答えるために調査を行ない、CQ-DL誌に発表したというのです。ただし、測定のやりかたはG3RZPのものとは異なっています。
彼はアンテナ(7MHz用逆V)からの信号を6~8MHZのBPF(彼いわく、当時のアマチュア用高級機はこの程度のフィルタが使われていることが多かった)を通した後、バンド全体の信号をA/Dコンバータを使ってコンピュータに取り込み、30日間にわたって記録しました。必要なダイナミックレンジの計算には、次のようなワーストケースを仮定して行ないます。つまり、測定された、バンド全体の電力と同じ強さを持つ信号が二つ存在して、それらによる相互変調歪みが目的受信周波数に現れるとしたときに、必要なダイナミックレンジはどれだけか、ということのようです。
測定結果のデータを平均化し、一日のあいだのパワーレベルの変化を示すグラフに書き直してみると、パワーのピークは、18:00UTCで-15dBmの値(日によっては-10dBmに達する日もあったそうであるが)でした。イギリスとドイツの時差1時間を考慮すれば、これはChadwics氏のデータと一致しています。
ノイズフロアについては、同じように連続してはかることはできなかったのですが、何度か測定したところ、その値はCW(400Hz)帯域で-105dBmから-115dBmの間であった(G3RZPのデータは帯域幅3kHzであったことに注意)ということです。これらのデータから彼は必要なダイナミックレンジは約100dBであると結論づけています。

さらに彼は当時QRPのリグを作っていたので、受信機の消費電力を減らす目的で、フロントエンドにかなり狭いフィルタを入れて、ダイナミックレンジに対する要求を軽減することができるかどうかについても調べたそうです。帯域幅70kHzで挿入損失が12dBのフィルタを製作し、上と全く同じ条件で測定したところ、そのフィルタでも近接する放送バンドの信号を完全に排除することはできなかったが、受信機のフロントエンドに対する要求は20dB程度緩和され、ダイナミックレンジは85dB程度で十分であることがわかったということです。


彼のCQ-DL誌での発表記事

1. W. Hallenbach, Belastung von 40m BandEmpfagern durch
BC-Stationen, cq-DL 1997, p 870.
[ The burden on 40-m-band receivers from BC stations.]

2. A. Heinrich, Bessere 40m-Vorselektion am Beispiel von TS-930S und
TS-140S, cq- DL 1993, p 540 and literature cited therein.
[ Better 40-m pre-selection by example of the TS-930S and TS-140S ]

タイトルの英訳はQEXの編集によるもの。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

WPX PH TEST

2005-03-28 21:57:51 | ラジオ(その他)
今回は、学生時代の先輩が0エリアにつくったシャックにお邪魔し、短時間ではありましたが10数年ぶりにまともな設備でオペレートすることができました。先日のARRL PHのときに自宅のホイップでワッチしていて、ハイバンドがあまりコンディションが良くない印象があったので今回はどうかと思ったのですが、土曜日の夕方はハイバンドでEU方面がオープンしていて、21MHzでCQを出すとそれなりに呼ばれて楽しかったです。14はもちろん28もEUが聞こえていましたが、28は21ほどのオープンではないのか、それほど多くの局とできず、また14は結構強く聞こえている局を呼んでも応答のないことがあって、このバンドではもう一つこちらのパンチ力も足りないのかなと感じました。

いずれにしろ、ひさしぶりに学生時代のメンバーで無線を楽しむことができて楽しかったです。先輩と奥様に感謝。

そう、今度機会があったらあそこにSDR-1000を持っていって試してみたいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイナミックレンジはどれだけ必要か?

2005-03-24 01:19:20 | ラジオ(その他)
受信機の性能の指標としてよくダイナミックレンジという言葉が使われ、この受信機はあの受信機よりダイナミックレンジが広くて云々ということが言われたりするわけですが、では実際のところどのくらいダイナミックレンジがあればいいのかということはあまりよくわかっているわけでもなさそうです。ここで考えているダイナミックレンジとは、いわゆる3次相互変調歪みに関するダイナミックレンジ(IMD-DR Intermodulation-free Dynamic Range)のことです。これは、MDS(Minimum Discernible Signal = noise floor)と同じ強さの3次相互変調歪みを発生させる妨害信号のレベルと、MDSのレベルの電力の比で示されます。

これに関して3年ほど前のQEX誌に面白い記事がありました。

How much Dynamic range do we need?
G3RZP Peter Chadwick
QEX May/June 2002 pp.36

テストベンチで測定されるILDRは、同じレベルの2つの強力な信号を受信機に入力し、測定します。ところが、実際の受信環境では、多くの信号が存在するので、それらの組合せによる相互変調歪みの数も多くなるので、実際に受信しているバンド内にどれだけのレベルの信号がどのくらいの数存在するかを考慮しないと必要なダイナミックレンジは求めることができません。(ここでバンドと言っているのはだいたいRF段のBPFの帯域と考えて下さい)。

筆者は、次のような考えのもとに実際に必要なダイナミックレンジを求めようとしています。それは、

1. 感度は、MDSが実際のバンドのノイズレベルの10dB下であれば十分である。
つまりそこを必要なダイナミックレンジの下限とする

2. バンド内のもっとも強力な信号レベルを調べ、そのレベルの信号2つによって
生じる相互変調歪みが、実際のノイズレベルより10dB下であるような
ダイナミックレンジを受信機が持つとして、

3. そのような強力な信号が「非常に多くなければ」、その数は問題ではない。
つまり1,2から決まるダイナミックレンジで十分である。

というものです。

次にそれでは、どのくらいの数ならば「非常に多くない」のかが問題になるのですが、それに関しては次のような仮定というか想定をしています。

1. IM出力の数(この数は、相互変調を生み出す信号の数をnとすると0.5n(n-1)になる。
2. 1で求まるIMの数に測定帯域(IFの帯域です)の2倍を乗じたものが、測定を行なうバンドの帯域の10%より小さい、

というものです。これに従うと、(えーと途中面倒なので省きますが)測定対象のバンド幅が2MHzで、測定帯域幅が3kHzだとすると、0.5n(n-1) * 3 * 2 <2000 * 0.1が条件となり、これを解くとn <= 8ならOKということになります。 なぜこれが妥当な仮定と考えられるのか私にはいまひとつわかっていません(ここが一番大事なところのような気がするのですが、誰かわかる人がいたら教えて下さい!!)。だた、そのあとの実際の測定結果を見ると、実際の「強い信号」の数はかなり少ないので、問題はないのかなとは思うのですが。

以上の仮定のもとに、実際に各アマチュアバンドのノイズレベルと、そのバンド近辺に存在する強力な信号のレベルをある期間にわたって調査し、必要なダイナミックレンジを推定しようとするわけです。

彼の測定場所であるヨーロッパは強力な放送局が多く、もっとも厳しい環境だと言われています。また、彼のロケーションは郊外にありノイズレベルは比較的低いので、ダイナミックレンジという観点からは都会の局より高い性能が要求されることになります。

ノイズレベルの測定にはFT-102と校正されたSGとATTを、バンド内の信号の観測にはスペアナ(HP 141T)を使用し、アンテナは30mバンド以下ではダイポール等、20mバンド以上は4-5エレのモノバンド八木を使用しています。アンテナの高さは18mです。

予備調査で各バンドを調べた結果、(予想通り?)7MHz帯がもっとも厳しい条件であることがわかったそうです。そこで次に、7MHz帯で何日にもわたって測定を繰り返しました。その結果が以下の通りです。強力な信号の数は、強度を10dBごとに区切ってその範囲に入るものを数えています。たとえば「-10dBmから-20dBmの間の信号は3つ」などです。また、筆者はこの10dBごとの範囲のことを「ビン(bin)」と呼んでいます。

その7MHzでの結果は表1の通り。信号の数を調べる周波数帯は7MHzの+-1MHzの間です。時刻はUTC、イギリスですから現地時間と考えれば良いのでしょう。たとえば0200UTCでは、7MHzバンドのノイズレベルが-99dBmであり、7MHz+-1MHzの中に、-10~-20dBmのビンの中には信号が1つ、-20dBm~-30dBmのビンには12個、-30dBm~-40dBmのビンには12個あった
ということになります。

ちなみにS9 = 40dBuEMF = -73dBmとすると、-10dBmとはS9+63dBmです。

----------------------------------------------------------
Table1 (QEX誌より転載)
UTC	Noise		Level Number of Signals
	(dBm)	-10 to -20dBm	-20 to -30dBm	-30 to -40dBm

0200	-99 		1 		12 		12
0615	-105		0		1		4
1445    -105		0		1		1
1500    -108		0		2		2
1545    -106		0		0		2
1645    -97		1		3		16
1715    -91		5		5		20
1745    -98		2		3		23
1815    -99		2		8		23
1945    -97		1		4		18
2000    -97		3		13		5
2045    -91		2		6		27
2050    -94		2		12		23
2145    -106		0		6		25
2200    -97		1		3		23
2230    -99		1		12		10
2255    -101		2		5		7
----------------------------------------------------------


次にこの結果をもとに必要なダイナミックレンジ等を計算します。
たとえば0200UTCでは、最大強度のビンは-10dBm~-20dBmのビンである
わけですが、この範囲の信号はすべて-15dBmということに丸めます。
また、0200にはこの強度の信号は1つしか存在しないのですが、なるべく
ワーストケースを考えるため、1つしかなくても2つ存在するとして
生じる3次歪みを計算します。

一方ノイズレベルは-99dBmですから、必要な感度はその10dB下の-109dBmとなります。
3kHz帯域でNF(noise figure)に換算すると、-109 - (-140) = 31(dB)です。
必要なダイナミックレンジは-15 - (-109) = 94dBとなります。
この二つから外挿することによってIP3が計算できます。
IP3 = MDS + 3/2 IMDDR = -109 + 3/2 * 94 = +32dBm です。

より強力な信号が多くなる夕方1715UTCの場合についても最大のビンは
-10dBm~-20dBmでその中に5個の信号があります。
しかし、これは先の仮定によれば「非常に多い」には達していない(n <= 8)ので、
-15dBmの2つの信号が生じる3次歪みをもとに計算して良いことになります。
ですから、必要なダイナミックレンジは-15 - (-101) = 86dBです。
IP3は-101 + 3/2 * 86 = +28dBmとなります。
こうやって各時刻の受信状況における必要な感度、IP3、ダイナミックレンジは
下の表のようになります。

----------------------------------------------------------
Table 2  IP3, Noise Figure and ILDR Requirements for 7 MHz (QEX誌より転載)

      Noise      NF(dB)    IP3 (dBm)     Dynamic Range
UTC   Level(dBm) Required  Required      Required (dB)

0200    -99	  31	      +32	     94
0615    -105	  25	      +20	     90
1445    -105	  25	      +20	     90
1500    -108	  22	      +21.5	     93
1545    -106	  24	      +5.5	     82
1645    -97	  33	      +36	     95
1715    -91	  39	      +28	     86
1745    -98	  32	      +31.5	     93
1815    -99	  31	      +32	     94
1945    -97	  33	      +31	     92
2000    -97	  33	      +31	     92
2045    -91	  39	      +28	     86
2050    -94	  36	      +29	     89
2145    -106	  24	      +20.5	     91
2200    -97	  33	      +31	     92
2230    -99	  31	      +32	     94
2255    -101	  29	      +33	     96
----------------------------------------------------------


この結果から、ダイナミックレンジは100dBあれば十分であるという結論が得られます。
ということは、いわゆる実戦機、高級機と呼ばれているリグではだいたいダイナミックレンジは足りているということになります。ただし、ダイナミックレンジのスタートポイント(下端=MDS)は、そのときどきのノイズレベルに応じてATTを入れ、シフトさせてやらなければいけません。ATTを入れると、ダイナミックレンジはそのままで、ATTの減衰量の分だけ感度は下がり、逆にIP3が高くなります(よく見かけるダイナミックレンジを示すあのグラフがそのまま右側に移動するイメージです)。
つまり、リグの感度は十分に高いので、ATTを入れてやることによって、バンドのノイズレベルより十分高い感度を維持しながら、強入力特性を上げてやれば、範囲(レンジ)としては100dBで十分足りているよということを言っているわけです。
逆に言うと、ダイナミックレンジにあまり余裕のないリグを使っているときは、なるべくこまめにATTの量を調節して、最適な状態に持っていくことが重要だということになります。

最初の仮定のところをちゃんと理解できていないのに紹介するのもどうかと思ったのですが、こういう実際のデータを取った例というのはあまり見たことがなく、非常に興味深い記事だと思ったので紹介してみました。

また、この記事ではこれまで紹介した3次混変調歪みによるダイナミックレンジに加えて、フェーズノイズに起因するダイナミックレンジについても考察していて、そちらの方が厳しい場合があるということも書いているようなのですが、その辺はまたのちほど。

なお、私の解釈に間違い等ありましたら是非ご指摘ください。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SDR-1000における各種ゲインの設定

2005-03-23 00:30:00 | SDR-1000

前回のエントリで紹介した手紙に書かれているように、SDR-1000にはいくつかのゲイン設定項目があって、それが性能に影響を及ぼすということなのですが、あれだけを読んでもいまひとつイメージがつかめないと思うので、SDR-1000(RFEボード付き、受信時)のブロックダイアグラムを書いてみました。

見ていただければだいたいわかると思うのですが、BPFのあとにON/OFF可能な10dBのATTと常時接続されているRFプリアンプ、LPFと続きます。そのあとのバススイッチを用いたQSD(Quadrature Sampling Detector、Tayloe detectorなどとも呼ばれる)が心臓部で、DDSの局発からの信号によりRF信号をサンプリングすることによってベースバンドの信号(互いに90度位相のことなるI/Qの二つ)に変換します。このあとのINAというのは、ローノイズのインスツルメンテーションアンプ(TI社のINA163)で、これでI/Qそれぞれ増幅されたあとサウンドカードのライン・インに入力されます。INAのゲインは0dBまたは26dBに切替えることができます。

従来のPowerSDRソフトウェアでは、"ATT","Gain","IF"の3つのパラメータ設定の場所があり、ATTは10dBATTのon/off、"Gain"はINAの0/26dBの切替え、"IF"はサウンドカードの入力レベル調整のことを示していました。

前回紹介した手紙によるとARRLのラボはINAのゲインの切替えをPreAMPのon/offと勘違いしているということと、"IF"で設定されるカードの入力レベルの設定が適切でないと主張しているようです。

そういうこともあってか、新しいPowerSDR1.1.7からは従来のゲイン設定のやりかたを変更しています。今までの3つの設定項目をやめ、あらたに"Preamp"という1つの項目にまとめたのです。その設定は次の4つの値(HIGH/LOW/MED/OFF)の選択になっています。

HIGH: ATT=off, INA=26dB
LOW: ATT=off, INA= 0dB
MED: ATT=on, INA=26dB
OFF: ATT=on, INA= 0dB

さらにサウンドカードの入力レベル(従来の"IF")についてはメインのパネルではなく、設定パネルの"Line-in Gain"という項目で設定するように変更になっています。

この手紙の中に示されている測定結果を見るとMEDの設定が通常のHFの受信では最適のように思えます。もちろん個々のアンテナや受信状況によって異なるでしょうが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FlexRadio社からQSTへの手紙

2005-03-20 23:53:41 | SDR-1000
QSTでのレビューの結果を受けて、FlexRadioからQSTの編集部に手紙を送ったそうです。
その内容は同社のWebサイトで公開されています(Letter to QST Editor)。PDFファイルで5ページ近くあるもので、例によって斜め読みですが、概要を紹介してみます。
内容はおもにダイナミックレンジの測定結果について、FlexRadio社で様々なサウンドカードを用いてテストした結果とARRLの測定値で約10dB程度の違いがあるということと、それをもたらしたと推定される理由に関してです。
もっとも大きな理由としているのは、PowerSDRソフトウェアの設定(ゲインコントロール)で、ARRLがテストを行なった2004年の11月の時点ではそれに関して十分にドキュメントが整備されていなかったために適切なセッティングの情報がARRLに与えられていなかったこと、さらに3月現在のバージョンのソフトウェアでは最大のダイナミックレンジを得るために重要な設定がより簡略化されていると述べています。
従来のPowerSDRでは、ゲインに関するコントロールとして"ATT"と"Gain"と"IF"という3つの設定箇所がありました。"ATT"はフロントエンドのトップ(RFEボードのプリアンプの前)に入る通常の意味でのアッテネータ(10dB)であり、"Gain"というのはTayloe detectorの後に入るベースバンドのアンプのゲイン(0/26dBの二択)、そしてIFというのはサウンドカード自身の入力のゲインのコントロールです。それらに関してARRLのテストでは最適な設定がなされていなかったとFlexRadio社では考えていて、それを次の4つの項目で述べています。

1. ARRLのテストではGainの設定をRF プリアンプのon/offと解釈しているが、Gainはdetectorの後のアンプのゲインであってRFプリアンプとは関係がない。

2. サウンドカード入力レベルのコントロールである"IF"の設定が明らかに最適でなかった。この設定はノイズフロアを上げない範囲で可能な限り低く設定すべきものであって、これとGainの設定の組合せは、最大のダイナミックレンジを得るために非常に重要である。ARRLのテストで使用されたAudigy2 ZS(って書いてあったかなあ?)では"1"にセットすべきである。

3. SDR-1000ではNF=1.9dB、ゲイン28dBのプリアンプがつねに入っている。アンプを入れているのはdetectorの信号源インピーダンスを一定にするためなのだが、このアンプの感度はHFでの使用には高過ぎるので通常は10dBのATTをONにしたほうが良い。

4. すべてのダイナミックレンジの値はサウンドカードのダイナミックレンジがほとんどそのまま反映される。Audigy2 ZSはコンシューマ向けの24bitカードとしてはベストのものではあるが、プロ用のカードを使用すればもっと高いダイナミックレンジを得られる。FlexRadio社としては近くこれらのプロ用カードをサポートするつもりである。

その後、FlexRadio社でAudigy2 ZSを含む種々のカードでの測定結果がゲインの設定パターンごとに示されています。確かに最適な設定では、ARRLの測定結果に比べて、3rd IMD DRで4~5dB、IP3で10dB程度良くなっています。詳しい結果については原文を御覧ください。

手紙の内容はもう少しあるのですが、息切れしたのでまた別のエントリででも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現用のアンテナ

2005-03-05 22:42:54 | アンテナ
ちなみに現在使用しているアンテナは、サガ電子のモービルホイップCM144で、14MHzと21MHzのコイルを追加したものです。4階建ての集合住宅の屋上にちょこんと設置してあります。ロケも一応丘の上なのでそんなに悪くもないのかなと。送信できるアンテナはこれだけなので波を出せるのは14/21/50MHzのみです。それに実際にオンエアするのは年に数回くらいのものです。他のバンドの受信にもほとんどこのアンテナを使っています。もちろんあまり良く聞えるとは言えませんが。受信用としてはソニーのAN-1というアクティブアンテナも屋上に設置していますが、私のところではノイズの影響を受けやすく、14/21以外ではこちらの方がゲインはあるものの、ノイズも多くなるので結局ほとんどCM144を使用しています。そのほかに同じくソニーのAN-LP1というアクティブループも所有しています。自宅の窓際にひっかけておいてもそれなりには聞えますが、屋外に設置するようにはできていないので今はほとんど使っていません。持ち運び時には折りたためるユニークな構造になっているので、旅行に行ったときにポータブルラジオのお供等に使いたいと考えています。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ARRL DX PHONE

2005-03-05 21:05:47 | ラジオ(その他)
今週末はARRLコンテストのPHONE部門が開催されています。私も昔はコンテストに情熱を燃やしていましたが、中でもARRLのコンペ(確か昔はcompetitionっていうタイトルがついていたのでしたっけ?)は一番好きなコンテストでした。もう10年以上コンテストには参加していませんが、ときどきバンドを覗いてはいます。まず、今朝10時頃20m/15mを聞いてみましたが、それほど良いコンディションとは思えませんでした。西海岸のいわゆるビッグガンたちがそこそこ聞こえているという感じです。また、夕方5時頃に40mバンドを聞いてみました。7100より上を流してみると、CQを出しているコンテストステーションはもちろん、下の方でCQを出しているJAを呼ぶ局もそれなりに聞こえていました。まあアンテナもしょぼいし、最近のコンディションもあまり良くわかってないのでどうこう言えるわけではないのですが、それでも大きなコンテストをやっていると気になって覗いてしまうのです。ちなみに朝はPCを起動するのが面倒だったのでAR7030で、夕方からはSDR-1000でワッチしていました。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SDR-1000 ARRL Product Review

2005-03-05 02:19:22 | SDR-1000
QST誌の4月号にSDR-1000のレビューが掲載されました。簡単に内容を紹介してみます。

「SDR-1000のデビューはアマチュア無線の歴史に新しい1章を開いた。SDR-1000は既成品としてはじめてのHFおよび6m用のソフトウェアラジオである。」

という書き出しではじまり、最後は、

「現段階ではまだ万人向きとは言えないが、これは新時代の第一歩であって、今後世界中の知恵を集めることによって(ソフトウェアを改良していけば)可能性は無限である。」

と結んでいます。まとめ(Bottom Line)としては、

「SDR-1000はアマチュア無線機の新世代のはじまりとなるだろうが、それに挑むパイオニアには若干のフロンティアスピリットが必要である。」

とのことです。

ここで「フロンティアスピリットが必要」と言っているのは、本文中に出てくるように、ソフトウェアのインストールや設定に結構とまどったということを指しているのではないかと思います。

気になる性能ですが、一番関心がありそうな受信性能の一部を示すと、

14MHz

Preamp off MDS=-127dBm BDR=93dB IMDDR=87dB IP3=0dBm
Preamp on MDS=-134dBm BDR=90dB IMDDR=85dB IP3=-3dBm

となっています。テストにはサウンドカードとして16bit/48kHzのTurtleBeach Santa Cruzを使っているようです。Preamp on/offというのは実際にはないので、ATTのoff/onではないかと思われます。それと上記のDR/IP3の値は20kHz間隔でのテスト値ですが、5kHz間隔の数値もほとんど変わりありません。ここは通常のラジオと違うところですね。

運用上の一番の問題と指摘しているのは、SDR-1000にパドルをつないでCWを送信するときのタイミングで、サイドトーンに気が狂うほどのディレイがあるということと、セミブレークイン時に最初の符合が短くなってしまうことのようです。現状では外部キーヤかPCのキーボードを使った方が良いと書かれています。私はまだこの機会で送信したことがないので全くわかりませんが。

それと、AMの同期検波は素晴らしいと評価されています。私が感じるようなAGCに起因すると思われる「プツップツッ」という音については特に書かれていません。私だけなのかなあ。

ひとまずはこんなところで。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SDR-1000用Linuxコード

2005-03-04 04:36:34 | SDR-1000
ちょうど昨日くらいに、AB2KTとN4HYの両氏が中心となって開発しているLinuxのコードが公開されました。PowerSDRの様なユーザ向けに完成されたプログラムではなく、動作の核となるいくつかのプログラムです。信号処理のプログラムでは、サウンドカードとの入出力はjack(http://jackit.sourceforge.net/)、fftはfftw2を用いているようです。また、SDRー1000のハードウェアとのやりとを行なうhwというプログラムと、それのpythonラッパーが公開されています。
こういうのが公開されてうれしい反面、これが出る前に自分である程度動くものを作っておきたかったというちょっと悔しい思いがありますが、最近これにさいている時間も能力も足りなかったので仕方ありません。公開されたコードを見させてもらって勉強したいと思っています。
あと、最新号のQSTのプロダクトレビューにSDR-1000のレビューが掲載されたようですが、中身を読んだらまた紹介してみたいと考えています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする