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前回のエントリで紹介した手紙に書かれているように、SDR-1000にはいくつかのゲイン設定項目があって、それが性能に影響を及ぼすということなのですが、あれだけを読んでもいまひとつイメージがつかめないと思うので、SDR-1000(RFEボード付き、受信時)のブロックダイアグラムを書いてみました。
見ていただければだいたいわかると思うのですが、BPFのあとにON/OFF可能な10dBのATTと常時接続されているRFプリアンプ、LPFと続きます。そのあとのバススイッチを用いたQSD(Quadrature Sampling Detector、Tayloe detectorなどとも呼ばれる)が心臓部で、DDSの局発からの信号によりRF信号をサンプリングすることによってベースバンドの信号(互いに90度位相のことなるI/Qの二つ)に変換します。このあとのINAというのは、ローノイズのインスツルメンテーションアンプ(TI社のINA163)で、これでI/Qそれぞれ増幅されたあとサウンドカードのライン・インに入力されます。INAのゲインは0dBまたは26dBに切替えることができます。
従来のPowerSDRソフトウェアでは、"ATT","Gain","IF"の3つのパラメータ設定の場所があり、ATTは10dBATTのon/off、"Gain"はINAの0/26dBの切替え、"IF"はサウンドカードの入力レベル調整のことを示していました。
前回紹介した手紙によるとARRLのラボはINAのゲインの切替えをPreAMPのon/offと勘違いしているということと、"IF"で設定されるカードの入力レベルの設定が適切でないと主張しているようです。
そういうこともあってか、新しいPowerSDR1.1.7からは従来のゲイン設定のやりかたを変更しています。今までの3つの設定項目をやめ、あらたに"Preamp"という1つの項目にまとめたのです。その設定は次の4つの値(HIGH/LOW/MED/OFF)の選択になっています。
HIGH: ATT=off, INA=26dB
LOW: ATT=off, INA= 0dB
MED: ATT=on, INA=26dB
OFF: ATT=on, INA= 0dB
さらにサウンドカードの入力レベル(従来の"IF")についてはメインのパネルではなく、設定パネルの"Line-in Gain"という項目で設定するように変更になっています。
この手紙の中に示されている測定結果を見るとMEDの設定が通常のHFの受信では最適のように思えます。もちろん個々のアンテナや受信状況によって異なるでしょうが。
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