この問題(問題[1]のほうです)は効用関数について基本的考察をしています。
財Xの効用関数は、 U = x : 正比例 → 効用逓減しません
財Yの効用関数は、U = ln x:対数関数 → 効用逓減します
普通の消費財なら効用逓減します。食べ物の場合、空腹時はどんどん食べますが、満腹になればもう食べたいと思わなくなります。映画が趣味という人も、たくさん観たら他のことがしたくなると思います。
財Xのような効用一定のケースはあまりなさそうですが、貨幣については効用一定を想定することはできます。十万円の効用は、一万円の効用の十倍だと考えます。一億、十億の大金となるとわかりませんが、普通の金額ならそこそこ妥当性はありそうです。
このように、貨幣の効用一定を想定して、効用逓減する一般的な財と比較する議論はときおり目にします。興味深い、というか特徴的なのは、財Xとペアにした対数関数型の効用関数の場合、需要の価格弾力性がー1になります。
消費者は、価格変化と同じ割合で消費量を変化させますから、その材に支出する金額は変化しません。
ちなみに逓減する効用関数として、平方根を考えることができます。この場合、需要の価格弾力性はー2になります。
対数関数のほうが効用関数よりも効用逓減の度合いが強いので納得できる結果ではありますが、正比例と対数関数あるいは平方根をペアにすると需要の価格弾力性が整数で出てくるところが興味深い点です。
消費者行動をモデル化する場合にいろいろと使えそうなアプローチです。
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