schuntama Ukulele

Eile mit Weile.

趣味の話

2010-06-23 00:03:57 | Time
どうも、schuntama時計店です。 ・・・ウソです。

諸事情あって、またまた製作が滞っております。しかしブログは完全に生活の一部と化してしまいました。そこで、時間を掛けずにササッと書ける、別のテーマを取り上げてみます。ええ、チクタクの件でございます・・・。


                    


私は趣味でウクレレの製作をしているのですが、もうひとつの趣味として「時計」があります。
でも時計ならばなんでもよいという訳ではなく、主に機械式の腕時計と目覚まし時計を愛好しております。

以前、製作記事の片隅に作業部屋の備品として使っているセイコー・コロナという昔の目覚まし時計を紹介したことがありました。それ以来、製作が滞っている時の穴埋め記事として(汗)手持ちのいろいろな時計をブログで披露する様になったのであります。なんといっても、機械式の時計は味わい深い。とりわけ、ゼンマイ式目覚まし時計のユルさと言ったら、そりゃもう形容し難い味わいが・・・。
で、その味わいを世間に押し付ける為に、これからも、我が家でチクタクと歯車回しに勤しむ時計たちをこの場で露出させていきたいと思っているのであります。


さて、そもそも、時計のナニがいいのか?

端的に言って、機械式時計が持つ「生き物感」に惹かれる訳です。(きっと、こういう愛好家は多いことでしょう。)
ゼンマイと歯車という数百年間変わらない仕組みが時間を刻み・・・、時計によっては、その様を自分の目で見る事が出来ます。その動きや部品の形は、実に「生き物感」に満ちています。例えばクロノグラフ内部のレバー類なんて、およそメカらしからぬ有機的な形状をしています。内部を見られない時計でさえ、その秒針の動きに心を奪われてしまいます。クオーツの様な1秒毎のステップ運針ではなく、歯車の動きが伝わる細かな振動が、オタクな感動を与えてくれます。

動力がゼンマイである以上、ゼンマイが巻かれなければ時計は止まってしまいます。生き物だって、食事抜きでは動けません。調子の良い時も悪い時もあるし、時計によってチクタクの音質が違うのも生き物っぽい。なにより、心臓部であるテンプとヒゲゼンマイの動きなんて、本当に心臓の鼓動を連想させます。

細かな部品がギッシリ詰まった小さな腕時計に対し、部品数が少ない上に大柄な目覚まし時計(置き時計)の中身はスッカスカです。テンプの振動は「チチチチチチチチ・・・」という精緻感溢れる腕時計に対し、目覚まし時計は「コッチッコッチ・・・」と実に大らか。同じ機械式でも、種類によって大きな差があるのも楽しさの幅を拡げます。

余談ですが、よく「アナログとデジタル」という比較論があります。時刻表示においてはアナログ・・・というか、時分針と目盛による表示が最も人間の感覚に合うのではないかと思います。デジタル表示では現在時刻が瞬時に分かりますが、これは数字を読むという行為です。対して時分針と目盛による表示では、針の位置、あるいは針が示す目盛の位置で時間を理解する事になります。この方式のメリットは、現在時刻以外の時間までも「読める」ことにあると思います。つまり、文字盤を見れば時間軸に沿った計画を立てる事が容易になるという訳です。


                    


で、結局、アナタの時計趣味ってのは一体なんなの?? と思うでしょ。

愛でるんですよ。ただひたすら、愛でるのです。
そこには個々のモデルやメーカーに纏わるストーリーへの憧れ、存在感や美しさに対する所有欲、構造への興味、素材フェチの願望まで、あらゆる要素を満たすものがあるのです。さらに目覚まし時計なら分解しやすいので、胴の再塗装やパーツ研磨などの外装レストアという弄り系の欲求を満たす事も可能です。
その上で「今、何時?」「そうね、大体ね・・・」と時間が分かれば良いのです。


この戯言を最後まで読んで下さった貴方、もし電池式の目覚まし時計しかお持ちでなければ、ぜひひとつ、ゼンマイ式の目覚まし時計を枕元に置いてみてください。毎日ネジを巻いてやらないと止まっちゃうけど、慣れないとチクタク煩くて眠れないかもしれないけど、なんか憎めない機械、という存在は身の廻りの雰囲気を変えてくれる・・・ かもしれませんよ。