schuntama Ukulele

Eile mit Weile.

板たたた。

2010-01-30 23:01:26 | Works in Progress


ちょっと前にベルトサンダーで厚みを落とした横板たち。今度は手作業で最終的な厚みまで削り込んでいきます。ベニヤの上に固定している材はK子さんのコア。これで3Aとのことですが、なかなか見応えある杢目でございます。
この作業もまた、高チマチマ度な進捗。今現在、まだ途中・・・、ちょっち、掌とか背中とか腰が痛くなってまいりました。え、歳のせいですと? はあ、ホントにそうなんですよねー・・・。




さて、こちらは今回使用の指板材たち。2台のコアにはそれぞれエボニーを、メイプルボディにはインディアン・ローズウッドを使います。コアにエボニーはある意味定番的、シャッキリと見えて好きな組み合わせです。そして、スプルース/メイプルの白いネック/ボディにインディアン・ローズの紫掛かった茶色・・・、これはまだ造った経験がありませんが、なかなか爽快な見映えになりそうで、こちらも楽しみであります。

首(直訳)

2010-01-29 23:30:50 | Works in Progress


2本のマホガニー・ネックにヒールブロックを接着中です。手前がS子さんの12フレット・ジョイント仕様、奥がK子さんの14フレット・ジョイント仕様です。シャッフルしたら、どっちがどっちか分かりませんな。Hさんのメイプル・ネックはワンピなので、この接着業務はありません。この違いは単純に材料取りの都合による差ではありますが・・・、硬質なメイプルに比べて柔らかなマホガニーには、積層ヒールで強度を上げる事も理に適っているかと思います。


 

ここでおもむろにヘッドプレート(突き板)を製作いたします。コアについてはトップ/バックを切り抜いた余り材から材料取りします。こうすることで、ボディとヘッドの木目や色合いを揃える事が可能になります。なにしろボディと同じ材ですから、これ以上のマッチングはありえないでしょう。・・・と、メイプルの方は? こちらはヘッドプレートが取れるほどの余りが無かったので、ヘッドプレート材として調達した板を使用します。ボディと同じく、カーリーのヨーロピアン・メイプルです。メイプルは他の樹種と比べると均質な傾向ですから、違う丸太から切り出した材でも木目、杢目、色合いが合わせやすいというメリットがあります。(あくまでも比較的、です) ということで、メイプルのヘッドプレートは贅沢に1枚取り、杢目が整っている部分を選んで採用いたします。




それでは、コアの2セットをブックマッチ・グワシ。
ところで、Hさんのネックだけ捗っている様に見えますが・・・、先述の通り、これは材の都合によるところが大きいだけです。マホガニーに比べて硬い分、むしろこれからが大変なのでございます。

哀調14Fジョイント

2010-01-28 01:06:38 | Works in Progress


今宵はネックを切り刻んでいました。
暗がりの中(本当は電灯点けてるけど)、防塵マスクを装着し片手に鋸を持った男が無言でネックを切っていきます。




ぎーこ、ぎーこ、いっぽ~ん、ぎーこ、にほ~ん・・・、
2本のマホガニーを切り刻んだ男は、3本目のメイプルに触手を伸ばします。
ぐぎぎぎ~こ・・・、
せっかく良い感じで切り刻んできましたが、深夜のメイプル切りの音は家中に響きます。
煩くて眠れなくてうらめしや・・・と恨まれないうちに、この辺で止めておくのでありました。

・・・なんでホラー調??

電動の殿堂

2010-01-24 22:58:17 | Works in Progress
  

昨日、今日と、パワーツール三昧でした。
仕事から帰ってからの製作では深夜になるので、平日は騒音の出る電動工具がなかなか使えません。そこで休日の昼間に時間が取れそうな時は、ここぞとばかり電動工具を回し続けるワケです。他の予定との兼ね合いで、この作業が一気に出来るかどうかで進捗が左右されるといっても過言ではありません。幸いにして今回の製作では大体のところは加工出来ましたので、暫くは轟音を立てなくても作業を進める事が出来ます。よかちた、よかちた・・・。

本日は主にネックの切り出しを行いました。バンドソー、トリマー、写真に撮ってませんがベルトサンダーも使いました。なんだか随分と時間を掛けた割には写真が3枚という寂しい結果・・・。

粉・ウィンド

2010-01-23 17:02:45 | Works in Progress


トップ/バックの厚みを落としました。コア2枚、メイプル1枚、スプルース1枚。粉だらけ・・・。




ネックブロック、エンドブロックを切り出しました。アフリカン・マホガニーで、3台分。粉だらけ・・・。




糸鋸盤で3台分のトップ/バックの外形を切り抜きました。途中で刃が折れました・・・。




シトカのブレース材、3台分。だいぶ前に切り出しておいたので、台数分を並べただけ。

さて着々と部品が揃いつつありますが、まだまだ用意せねばなりません。
半年振りだからいろいろ忘れちゃってるなー。

ケイキはぼちぼち

2010-01-22 01:50:44 | Works in Progress


今夜は音を立てて作業出来ないので、昨日のリペアの続きを進めることにしました。
昨日の記事に「クラック予備軍」の存在を書きましたが、上の写真がそれです。予備軍どころか正規軍といってもいいかもしれませんが、まだ「離れて」いないのがせめてもの救いです。




裏から割れ止めのパッチを当てて対処することにしますが、クランプしなければなりません。しかしサウンドホールから指が届かない場所であるばかりか、任意の場所を都合良く挟める様なクランプもありません。で、そんな時にはマグネットを使います。このマグネットは小さいですがネオジミウムなのでかなり強力に挟むことができます。しかし強力であるが故に取り扱いには注意が必要です。小さな子供の手に届かない場所に保管する(誤飲防止)、ビデオテープやフロッピーなどの記録メディア、TV、モニター、パソコン、腕時計に近付けない、などです。


 

ということで、菱形に切ったスプルースをこの様に貼付けてクランプいたしました。スプルースの木目はクラックの方向と直交する様にします。




お肌が荒れていたボディの角をザザッと均して着色いたしました。クリアラッカーは最後の最後に塗る予定です。

ケイキのいい話

2010-01-21 03:50:49 | Works in Progress


今年のNUA初例会にてリペアのためにお預かりした1本、カマカ・ケイキです。年季が入っています。


 

症状はシンプル。トップ右下がぱっくり口を開けた様に開いています。これを閉じるのがひとつめの作業。
ネック脇にポジションマークとして暫定的にステッカーが貼られていますが、これの代わりにM.O.Pのドットをインレイすることになりました。これがふたつめの作業となります。


 

とにかく、変な反り癖が付かないうちに閉じてしまうことにします。パレットナイフを使ってタイトボンドを塗布したら、グワシ!と、ここまでやったところで、トップの一部にクラック予備軍があるのを発見しました。位置的にブリッジから離れているのが幸いでしたが、サウンドホールからも離れています。つまり、指が届かない場所・・・。
ああ、それにしてもゴールドラベルが神々しい・・・。この時代のカマカのロゴデザインはカッコいいですね。




やっぱりケイキにはコーシーのセットでしょう。カップはスタバでも中身はネスカフェ。
ゴールドラベルならぬ、ゴールドブレンド。

デビッド・3本

2010-01-20 02:14:03 | Works in Progress


3本同時製作ホントに出来るのかプロジェクト、具体的に動き始めました。まずはベルトサンダーで横板の厚みを落とします。S子さん用の材は予め厚みが落ちているので、この段階はパスとなります。


  

ここでおもむろに治具を製作します。コンサートのモールドはひとつしかありませんので、モールドに合わせて曲げた横板(輪っぱ)を安置させるベッド(簡易モールドというか)を台数分だけ用意するという訳であります。しかしこれは初の試みですので、上手く行く保証はありません。今回も「出来そうだからやってみる」というスタンスです。


 

3台分の横板の外形を整えます。3台とも板の幅を揃えて、それぞれを曲げる時の負荷が近くなる様にします。というか、きっとそうなるのではないかと思ってやってみました。続いて、接ぎ合わせの接着面を整形する作業へ。すでにメーカーが接ぎ合わせたS子さん用の材は、このステップもパスです。


 

それでは、接ぎ合わせ用に造った台に載せて、しっかりと接着させます。もちろんこのステップでも、S子さん用の材はパスとなります。さて、こうして進捗を観察してみると、同時製作のキャパシティとしては2台が精々である様に見えます。机も狭くて不便です。・・・でも、不便から学ぶ事はいろいろありそうです。

ところで、タイトルを見てピンときた方は、きっとジャズファンであるとお察しいたします。
もちろん、本文と何の関係もありません。
だってだって、毎回、大変なんですよ、タイトルを考えるの・・・。

初歩のスチール・ギター入門

2010-01-19 12:35:50 | Log
ハワイアン音楽界には欠かせない御仁であられる小林正巳(MATT)さんが教則本を出版されました。
その名も「初歩のスチール・ギター入門」、なんとスチール・ギターの教則本!です。
関係各位のブログ等において既出でありますが、1月17日のNUA例会において私も入手する事ができましたので、弊ブログにおきましても謹んでご報告させていただく次第であります。

  

MATTさんには「ウクレレ快読本」「ハワイアン音楽快読本」という2冊の著書がありますが、今回は教則本です。練習曲はC6調弦、用具から奏法に至るまで解説も懇切丁寧なので、タイトル通りに初心者にも非常にやさしい内容で纏められていると思います。初心者としてスチール・ギターを所有している私が読んでも、正に痒いところに手が届く内容になっています。教則本としての素晴らしさは勿論なのですが、読物としても楽しいですね。まるで前2作の続編を読んでいるかの様な感覚で、スチール・ギターに興味がある人にとっては最高ではないでしょうか。

   


そしてこの教則本が「ウクレレの」ではなく「スチール・ギターの」というところも個人的に感動したポイントであります。現在の我が国においてウクレレ教則本は数多あれど、スチール・ギターの教則本は一体どれだけ存在するのか・・・。
本場ハワイにおいてもプレイヤー人口が減少しているといわれるスチール・ギターですが、それはとても寂しいことだと思います。しかし本書の様に充実した内容を持つ教則本の存在は、新たな需要を発掘するのみならずハワイアン音楽文化の保護・保存においても強力な助けとなることと信じております。

さて、本書についてはMATTさんのブログMATTのひとりごとに詳細が書かれています。ぜひ訪れてみて下さい!

ISOKO デビュー!

2010-01-18 23:50:40 | Uke Pal


2010年1月17日、今年のNUA初例会へ参加してまいりました。またしても午後の途中から、ですが。
例会の午後の部は懇親会で、会員の有志が様々な演奏を披露する場でもあります。そこへ、先週きまさんへお納めしたばかりの15号機・ISOKOがデビューいたしました。きまさんの的確な演奏に加えて、ピックアップを搭載しているものの敢えて生音をマイクで拾うというパフォーマンス。会場の皆さんからは盛大な拍手、素晴らしかったです!製作した私にもお褒めのお言葉を頂戴いたしました。

毎度チマチマと時間かけて造ってきて何が嬉しいかって、やっぱり「この瞬間」に立ち会えることにつきますね。
きまさん、ありがとうございました!




追記:玉のレレ集合写真をyonakaさんから頂きました。ありがとうございました!
   そしてオーナーの皆さま、ありがとうございます! なんだか、いいなー。


 別件バウアーでリペアのお預かりを1本。