schuntama Ukulele

Eile mit Weile.

耳栓業務

2009-09-30 15:40:01 | Works in Progress


いきなりバインディングの溝を彫ります。この作業は轟音の為、耳栓が必要です。


  

最初にパーフリングの溝、次にバインディングの溝、という様に段階を踏んで掘り進めます。もちろん、それぞれの寸法に留意する事は言うまでもありません。キチキチに攻めるか、マージンを取るか。その時の気分や都合で  ・・・いや、きちんと計算した上で作業を進めてまいります。バックはバインディングのみなので簡単に彫れるかというと、ラウンドしているのでそれなりにタイヘンなのであります。


 

ルーターで処理できない細部については、己の手先で彫り進みます。


  

ホリホリホリホリ、えもん。




先述の様にバックはラウンドしているので、サイドに対して平行な溝を彫るのがトップほど簡単ではありません。つまり斜めに溝が彫れてしまうので修正が必要になります。この作業も機械ではなく、己の手で行います。




うーん、良さげでないかい。
今回はアイヴォロイドのセル・バインディングを使いますよ。(アイロンで曲げなくて済む!!

ビバ・ナザレス

2009-09-27 00:10:15 | Works in Progress


人様のウクレレに穴を開けるシリーズ、第6弾。
今回はMさん(この名前は多分初めての筈ですが・・・、M3ではありません、為念。)のマーチン・スタイルO(オー)です。スタイル・オーですがビンテージではなく近年物、つまり受注生産品ですね。で、それの中古を入手されたということでした。


 

当然、ナザレス製です。ネックブロックにも刻印があります。「CUSTOM」とありますが、カタログモデルではないという意味の様です。同じマーチンでもschun玉所有のメキシコ製S-Oとは明らかに違うオーラが放出されています。指板にしてもインディアンローズやエボニーとは違う別の材、、、ひょっとして、ハカでしょうか。グロスフィニッシュと相まって、シンプルなのに、まるで宝石の様なウクレレです。




あまりにも素敵なので、発作的に並べてみました。schun玉秘蔵レレ、故レイラニさんのラスト製作分のうちの一本、遺作ともいえるSTDです。が、このマーチン、外観オーラでも全くヒケを取りません。肝心の音も、悔しいですが・・・、流石、EST・1833であります。




さて、本題です。今回は違う場所に穴を開けます。指板の脇、即ち、サイド・ポジションをインレイします。指板正面にM.O.Pのドットが入れてありますので、それに合わせてサイドもM.O.P、サイズは2ミリです。




それでは、失礼いたします。キリキリキリ・・・(緊張で胃が痛む音)




むふぉお~~~・・・(ポンチ跡を付けた余韻)


 

うりゃ! と、フィンガー・ドリルで穿ちます。極力、塗膜のチッピングを抑える様に加工します。指板の厚みは4ミリ弱、そこへ2ミリのドットを入れるので、上下のスペーシングにも気を使って穴を開けるのであります。




M.O.Pドットを埋めるにあたり、光が反射する向きを揃えておきます。もちろん、演奏者に向けて光って見える様にします。まあ、気持ちの問題的なところもありますが、やっておいた方が精神衛生上にも良いのです。


 

はひい~~、埋まりました・・・。周囲(塗膜表面)よりも、ビミョーーーに落とし込み気味にセットいたします。




今回の接着には「Z-POXY」というエポキシを使用しました。かなり以前にもご紹介しましたが、コレの良い所は目分量で混合してもダイジョブ!なことです。(通常、エポキシは混合比がシビアであるとされています。)




自分のS-Oの指板横には7フレット位置だけインレイしてありますが、表面が無塗装なので、M.O.Pを埋めてちゃちゃっとサンディングしてオイルフィニッシュしてオシマイ!という秒殺コースでした。しかし今回はラッカー塗装してあるのでそうは行きません。タッチアップを繰り返して、最終的に研磨して仕上げます。なので、これから暫くは乾いたらラッカー(私は玄々化学工業のLCを使っています)をチョンチョンの繰り返しとなります。時間を掛けます。気長~、に行きます。なのでMさん、このまま忘れて頂いても結構でございます。そしてこのレレは、ワタクシめが・・・ ふはははは。




バリざっくり

2009-09-26 01:21:54 | Works in Progress


箱化したので、外周のバリを落とします。調子こいてバリバリとバリを落とすと木目に刃を引っ掛けてバリ!と裂けてしまうので焦らず確実に削り落としていきます。




完成イメージ、超ざっくり版。




カッタウェイと指板、ネックとの関係はこの様になります。まだまだ、ざっくり。

ほどほどにもほどがある

2009-09-23 01:28:20 | Works in Progress


セミカッタウェイを接着しました。
接着前にバインディング溝を彫ろうかどうしようか、随分考え込んでしまいましたが・・・
結局、先に接着です。

少し体調が落ちているので、今回はこれだけです。
でも更新ペースも落ちているのにそれではちょっとつまらないので、特別?に作業部屋の隅に転がっているモノをチラ見せいたしましょう。



 

公開製作の合間に少しずつ進める筈が、実際は殆ど頓挫状態の2品。
これらは個人的なスタディ・モデルです。あくまでもスタディですので、詳細などのお問い合わせはお受け出来かねますので悪しからずご了承くださいませ・・・。まあ、遠い将来(ネガな表現だなー)お目に掛かる事があると思います。きっと。

あわせんぼ

2009-09-20 00:26:01 | Works in Progress


夕方、ちょいと時間が取れたのでベルトサンダーで指板材の厚みを落としておきました。いい加減にベルトを交換しないといかんのですが、ホームセンターを3件ほどまわっても在庫していません。本体だけ売っておいて消耗部品を在庫しないというのはどんなものかと思うのですが、どうせこんなものなのでしょう。ベルトサンダーとサンディングベルトといったら、コーヒーとクリープみたいなものなのになー。


 

例によってバインディング指板ですので、端を切り離してバインディング材とします。さらに、指板材の片側をフラットにしてマイターボックス・フレンドリーにしておきます。ここまでくれば、後はフレット溝を切るばかり・・・ですが、またの機会に。


 

で、セミカッタウェイの合わせです。なかなか、ビシッ!!っといきません。胃が痛いです。
まだ置いているだけですが、少しだけ横板から出っ張っているのは接着後のサンディング代です。




頭を冷やしたら、接着してしまおうかと思います。

入れローズ

2009-09-16 02:15:35 | Works in Progress


セミカッタウェイの部材、いよいよボディへ合わせます。まずはケガキ入れを。


  

サウンドホールの様にスッポーン!といかないのが残念。精進が必要です。




おおまかですが、ネックブロックの干渉部位も削りました。さて、どうなるか・・・。


  

これが、こうして、こうなります。




裏側はこの様になっとります。
まだ隙間だらけですので、これから時間を掛けて本当の合わせを行うのであります。

裏けずローズ

2009-09-13 22:58:02 | Works in Progress
脳内図面に書いていた部品が大体の形になりました。
「脳内」とはつまり頭の中ということでもありますが、自分の場合は転じて「能無い」でもあり且つ「NO」は「無い」という意味にもなります。さあ、一体何を書いているのか自分でもワケが分からなくなってきたので、この辺で。




裏側が平面になっているうちに、トップにジョイントする為のフランジ部分を加工します。
ドレメルと彫刻刀の凸凹コンビがこのパートを担当いたします。




前回はブロック状に削り出してから表面までを加工してありましたが、今回は裏側を削り落としていきます。だんだん固定し辛くなってきますので、怪我に気を付けつつ作業を進めます。




なんだかトイストーリーのシドになった様な気分です。




ということで、この様になりました。ほぼイメージ通りです。
脳内指定値に対する誤差が随分と大きめなのはファジーというか、1/fゆらぎというか。(全然関係ありませんな)


  

別の角度から見るとこうなっております。
さて、今度はこれをボディに合わせていきます。その過程でさらに削り込んで、厚みを調整します。
とはいったものの、うーむ・・・。
ま、ダイジョブでしょう。

いいなーこれ

2009-09-11 05:00:39 | Works in Progress


別件バウアー・人様のウクレレに穴を開けるシリーズ第5弾。(長いなしかし)
今回はHさんのウクレレ、レイラニ・コンサート(ラウンドホール)です。といっても、オータサン・モデルではありません。控え目な杢のコアで造られたこのウクレレ、実は初期のレイラニさんの作品であります。レイラニ・ファンには興味深いモデルではないでしょうか。


  

Hさんのラウンド・ホールと私のシェル・ホールのラベルを撮影してみました。初期と中期以降のモデルでは何が違うでしょう?答えは、初期はハワイ産(MADE IN USA WAIKOLOA HAWAII)、それ以降ではフロリダ産(MADE IN USA)となるのです。ブリッジの厚み、ボディの大きさと厚みも違います。めちゃめちゃ頑丈そうで重い!のが、初期モデルの特徴でしょうか。

※ 生産は当初よりフロリダで行われていたそうです。謹んで訂正させて頂きます。コメント欄をご参照ください。 2009.Sep.11




レイラニは元々生音が小さい方ですが、これだけガッチリ造られているとなお音が小さくなります。やはりピックアップは必須でありましょう。今回はボリュームポットも装備します。


  

私はジャック穴を開ける際、導き穴から段階的に開けていく様にしています。経験上、この方が確実だからです。


 

ノブ位置についてご指示を頂いておりましたので、その通りになる様に位置決めします。ポットのシャフト穴を開ける時も、段階的に開けます。ドリルで小さな穴を開けた後、細工ヤスリで拡げていきます。横板は薄い場合があるのと曲面であることから割れやすいので、エンドジャック穴よりも慎重に作業しています。




それでは恒例、お宅拝見。(by桂三枝)


 

ピックアップ装着前に・・・、個人的衝動から勝手な作業をさせていただきました。
軽ーくではありますが、フレットと指板のトリートメント、そしてペグのポリッシュであります。


 

ピエゾに台座を貼付け。今回は若干薄めのコアにしました。ちなみにこれ、虎次郎の余り材。その他の加工も施して、装着です。


 

装着出来たら、今回もジャックにおまじない。アンプで最終確認して、終了!です。
レイラニ独特のあの音が、大音量で楽しめる様になりました。Hさんは、これをお望みであったのでありますね。


 

ノブはオータサンと同じ形状のハットタイプです。弦はGHSの黒ですが、これはテンポラリです。やはりレイラニにはナイルガットが合うかな、と思うのであります。Hさん、もしアレでしたら後で張り替えてくださいませ。

けずローズ

2009-09-10 01:40:09 | Works in Progress


引き続き、ローズウッドでセミカッタウェーの部材を製作中です。
本来ならベルトサンダーでいきたいところですが、深夜の削り落とし業務はファイルソーで行います。




うーむ・・・。




おりゃあああ!




まだこの段階で精度を追い込んでも報われませんので、ほどほどにしておきます。
そろそろ箱との合わせに入る・・・ かもしれませんが、
次回は別件バウアーの予定です。