このウクレレ「虎次郎」は当初、KTM-9という水性クリア塗料で仕上げてありました。製作者としては無臭で扱いやすい塗料だったのですが、塗膜が柔らかめであるというのが難点でした。そこで今回、摩耗した指板バインディングの交換を始めとする指板周りのリペアに伴い、ニトロセルロースのラッカーで塗装することになりました。ちなみに、虎次郎以降に製作したYさん、Rさん、KPSさんのウクレレはニトロセルロースで塗装してあります。
ということで、ラッカー塗装の第一次ビルドアップが終了。これから2日間の乾燥の後にサンディングして、第二次ビルドアップへと進みます。その後、また2日間の乾燥の後にサンディング、第三次ビルドアップ塗装へ。場合によっては第四次もありえますが、それとは別に最後の最後に最終塗装を行い、そこから更に2週間の乾燥に突入する・・・という、気の長いお話であります。しかし、このステップを踏まずして研磨工程には移れないのであります。当然、研磨作業自体も時間が掛かります。ちなみに、各ビルドアップではそれぞれ4回の塗装を行います。もちろんインターバルを挟みますので、これも相応に時間が掛かります。
製作工程の半分は塗装・研磨作業である、と言われる意味がお分かりになりますでしょうか・・・。