金属ネタ、いきます。今回はオリスの目覚まし時計です。これはたぶん、珍しいのではないでしょうか・・・。
オリスはスイスの機械式腕時計メーカーとして知られています。創業は1904年。比較的リーズナブルな値段とバリエーション展開で、機械式時計の入門ブランドとしても人気がある様です。私もオリスの腕時計には興味があるのですが・・・未だ購入経験がありません。
さて写真の時計ですが、10年くらい前に購入した中古品です。オリスの目覚まし時計という、個人的には見た事も聞いた事も無かったモノが約3千円ほどでしたので、発見・即購入したのでありました。ロココな風貌もお気に入りです。
購入時の外観はかなりヤレていました。新品ではおそらくブロンズ調であったと思われる胴のメッキ処理は大部分が剥げ落ちていたので、全部剥離して真鍮の地を敢えて露出させたままにしました。これはこれで素材の味わいを感じられます。裏ブタは金色の塗装で、ネジ巻き周囲やフタの角などの塗装が落ちていたりと相応の使用感があります。
全体の雰囲気もさることながら、ディテール的にもなかなか惹かれるものがあります。非常に繊細なアラームボタン、「いかにも」な造形の足、葡萄の意匠が施された針、エッチングの立体感を活かした文字盤はベースが銀色のヘアラインでインデックスはスタンピング。なかなか華やかです。この文字盤に腐食が無いのはラッキーでした。
大きさは掌サイズ。ムーブメントは懐中時計の物を転用したかもしれないですね。動作音は静かでカチコチ音が気になることもありませんし、サイズ的に考えたらトラベルクロックなのかもしれません。アラーム音には特筆するものはありません。ありがちな「ミュートされた非常ベル」の音、とでも言いましょうか。
まあ、なんといってもオリスです。きちんと造られているので、小さな目覚まし時計でもズッシリと重く、存在感があります。もちろん、今も我が家において現役で動いてもらっております。