今回のBGM。
さてそれでは、インレイです。防塵マスクは必須です。
ホワイトM.O.Pのストリップを使いますが、せっかく曲率のついた物をわざわざ短く切ってしまいます。
その後、端末を法線方向に整えて、ひとつひとつ光り方の向きを確認しながら溝に合わせていきます。
もちろん出来合の曲率に合わせて彫った溝にホイホイ組めばキレイに仕上がる訳ですが、敢えてそれをしないのが私という人間です。
その理由には、短く切った貝をバラバラに組み合わせることで細かい不規則な光り方を得る、という目的があります。
もうひとつは、手加工することで微妙なズレや歪みが発生し、それが手工品の味わいを醸してくれる、という理由によります。
これまでも、この様に遠回りな自己満足で製作をしてまいりました。
サウンドホールの「一時の位置」に隙間があります。隙間の両脇には、かなり微妙に赤みを帯びたパウア・アバロンを入れました。
そして隙間には、赤みの強いアバロンを入れようと思います。
これは、ワタクシのとっておきの一枚。綺麗でしょう?このスラブから、最も赤い(ピンクにも見えますが)部分を切り分けてインレイします。
(じつはこの後、切ったピースを床に落としてしまい、15分ほど探しまくりました・・・。)
で、この様に。もともと淡い色調なので私の撮影では伝えきれないのですが、白いリングの一時の位置に赤みが差したインレイです。
さて、時計の文字盤は円周が12等分されますね。1年も12ヶ月ありますね。
お伺いしたところ、注文主のK子さんは1月が御誕生月とのこと。1月の誕生色は、赤、です。
さあて、お分かりでしょうか。非常にまわりくどい話でありましたが、このインレイにはそういう意味があるのでございます。