久し振りに手持ちの道具の紹介をば。今回は「フレット作業に使う道具たち」であります。
フレット作業というと、ワイヤーを打ち込んで表面を均してオシマイ!と思われるかもしれませんが、実は様々なステップを経て完成するものなのです。それなりに奥深く根気の必要なフレット作業でありますが、細かな作業なので道具もある程度の品質の物は揃えておきたいところです。作業の詳細はひとそれぞれなのでここでは割愛して、何本も作る自作派ならばこのセットは揃えたい!と思われる道具をご紹介いたしましょう。
(Stew-macでフレッティング・キットを買えばオシマイですが、まあそう言わず・・・。)
● フレット・カッター
そのものズバリのネーミング。フレットを切る為の道具です。喰い切りと同じですね。
私はこれをフレット・プラー(打ち込まれたフレットを抜く道具)の代用にする事もあります。
● フレット・ベンディング・プライヤー
たとえ指板が平坦でも、フレットワイヤーは打ち込む前に「曲げておく」という事をご存知でしょうか。まあ正確には「その方が良い」のであって、絶対ではありませんが。打ち込みの際にワイヤーの両端を叩き最後に中心を打ち込むのですが、その際に最初からフレットワイヤーが山なりに曲がっていた方が打ち込み時に安定するのです。ワイヤーが真っ直ぐな状態のまま打ち込むと、打ち込みの衝撃で溝から外れ易くなるばかりか逆反りしやすくなります。
えー、前フリが長くなりましたが、上記の理由によりフレットワイヤーは予め曲げておくのがよろしいのでして、これはその為の道具なのであります。指で曲げる事も可能ですが、普通の指なら1本曲げたところでメゲる筈です。なので、上右の写真の様にグワシと挟んでテンションを掛け、山なりに曲げていくのです。
こんなの100均ペンチでいいじゃーん!と思ったアナタ、甘い。下の写真をご覧下さい。
この通り、挟む部分がフレットの断面形状になっておるのです。T字断面で不安定なフレットも、これにより確実に掴む事ができるのです。さすがにこれは100均では買えませんな。
● フレット・タング・コンプレッサー
通常、指板上に見えるのはフレットの上半分、クラウンと呼ばれる部分です。対して、指板に刺さっている下半分はタングと呼びます。私は「足」と呼びますが。で、そのタングは指板の溝にしっかりと食い込む必要があるので、幾つものギザギザの出っ張り(バーヴといいます)が付いています。ただ、この出っ張りが邪魔をして、タングがなかなか溝に入って行かないのです。
そこで、コンプレッサーでタングをワシワシと挟んで出っ張りを潰し、打ち込みの抵抗を減らすのです。ただし潰し過ぎはいけません。溝に引っ掛らなくなると指板からすっぽ抜けるからです。もっとも、引っ掛り抵抗を増やす為の「マッシャー」という道具もあるのですが、今のところ私は必要ではありません。
出っ張りを潰すとワイヤーが逆反りを起こしますので、元通りに曲げ戻す必要があります。即ち、先ほどのベンディング・プライヤーはここでも必要になるのです。
● フレット・タング・ニッパー
タングを部分的に切り取るための道具です。バインディング付き指板のフレットは予めタングの両端をカットし、クラウンだけをバインディング部分に乗せるのです。棒ヤスリでも同じ加工が出来ますが、17フレット分の両端をヤスリで削るのは非常に辛い作業です。何本も楽器を作るのならば、持っていた方が断然効率良いですね。
● フレット・ハンマー
これが無ければ打てません。一番大事?な道具かもしれません。同じ様なサイズであればホームセンターの物でも十分使えますが、その際はヘッドとグリップの重量バランスに留意した方が良いでしょう。あまりヘッドが軽いと、打ち込みに余計な力を加えることになってしまいます。(写真のハンマーはStew-mac製)
● フレット・セッター
フレットが万遍なく打ち込まれて・・・いた筈が、据わりが悪くて部分的に浮いていた時とか、リペアなどに使う道具です。真鍮製のタガネにしか見えませんが、その先端にはクラウンを押さえるための溝が彫られています。1本あると安心!な道具です。
以上が「何本も作る自作派ならば揃えておきたい道具セット」の内訳です。
他にフレットを削り揃えるためのヤスリの類いなんかもありますが、それらはホームセンターで入手出来ますし、使用者の好みの差もあるので敢えて掲載せずに代表的な道具に留めておきました。
さて、いかがでしょう。難しいコードが押さえられなくて「こんちくしょう!」なんて目で見られがちなフレットでありますが、実はその誕生は数々の道具に支えられていたのです。
なんちゃってー。
フレット作業というと、ワイヤーを打ち込んで表面を均してオシマイ!と思われるかもしれませんが、実は様々なステップを経て完成するものなのです。それなりに奥深く根気の必要なフレット作業でありますが、細かな作業なので道具もある程度の品質の物は揃えておきたいところです。作業の詳細はひとそれぞれなのでここでは割愛して、何本も作る自作派ならばこのセットは揃えたい!と思われる道具をご紹介いたしましょう。
(Stew-macでフレッティング・キットを買えばオシマイですが、まあそう言わず・・・。)
● フレット・カッター
そのものズバリのネーミング。フレットを切る為の道具です。喰い切りと同じですね。
私はこれをフレット・プラー(打ち込まれたフレットを抜く道具)の代用にする事もあります。
● フレット・ベンディング・プライヤー
たとえ指板が平坦でも、フレットワイヤーは打ち込む前に「曲げておく」という事をご存知でしょうか。まあ正確には「その方が良い」のであって、絶対ではありませんが。打ち込みの際にワイヤーの両端を叩き最後に中心を打ち込むのですが、その際に最初からフレットワイヤーが山なりに曲がっていた方が打ち込み時に安定するのです。ワイヤーが真っ直ぐな状態のまま打ち込むと、打ち込みの衝撃で溝から外れ易くなるばかりか逆反りしやすくなります。
えー、前フリが長くなりましたが、上記の理由によりフレットワイヤーは予め曲げておくのがよろしいのでして、これはその為の道具なのであります。指で曲げる事も可能ですが、普通の指なら1本曲げたところでメゲる筈です。なので、上右の写真の様にグワシと挟んでテンションを掛け、山なりに曲げていくのです。
こんなの100均ペンチでいいじゃーん!と思ったアナタ、甘い。下の写真をご覧下さい。
この通り、挟む部分がフレットの断面形状になっておるのです。T字断面で不安定なフレットも、これにより確実に掴む事ができるのです。さすがにこれは100均では買えませんな。
● フレット・タング・コンプレッサー
通常、指板上に見えるのはフレットの上半分、クラウンと呼ばれる部分です。対して、指板に刺さっている下半分はタングと呼びます。私は「足」と呼びますが。で、そのタングは指板の溝にしっかりと食い込む必要があるので、幾つものギザギザの出っ張り(バーヴといいます)が付いています。ただ、この出っ張りが邪魔をして、タングがなかなか溝に入って行かないのです。
そこで、コンプレッサーでタングをワシワシと挟んで出っ張りを潰し、打ち込みの抵抗を減らすのです。ただし潰し過ぎはいけません。溝に引っ掛らなくなると指板からすっぽ抜けるからです。もっとも、引っ掛り抵抗を増やす為の「マッシャー」という道具もあるのですが、今のところ私は必要ではありません。
出っ張りを潰すとワイヤーが逆反りを起こしますので、元通りに曲げ戻す必要があります。即ち、先ほどのベンディング・プライヤーはここでも必要になるのです。
● フレット・タング・ニッパー
タングを部分的に切り取るための道具です。バインディング付き指板のフレットは予めタングの両端をカットし、クラウンだけをバインディング部分に乗せるのです。棒ヤスリでも同じ加工が出来ますが、17フレット分の両端をヤスリで削るのは非常に辛い作業です。何本も楽器を作るのならば、持っていた方が断然効率良いですね。
● フレット・ハンマー
これが無ければ打てません。一番大事?な道具かもしれません。同じ様なサイズであればホームセンターの物でも十分使えますが、その際はヘッドとグリップの重量バランスに留意した方が良いでしょう。あまりヘッドが軽いと、打ち込みに余計な力を加えることになってしまいます。(写真のハンマーはStew-mac製)
● フレット・セッター
フレットが万遍なく打ち込まれて・・・いた筈が、据わりが悪くて部分的に浮いていた時とか、リペアなどに使う道具です。真鍮製のタガネにしか見えませんが、その先端にはクラウンを押さえるための溝が彫られています。1本あると安心!な道具です。
以上が「何本も作る自作派ならば揃えておきたい道具セット」の内訳です。
他にフレットを削り揃えるためのヤスリの類いなんかもありますが、それらはホームセンターで入手出来ますし、使用者の好みの差もあるので敢えて掲載せずに代表的な道具に留めておきました。
さて、いかがでしょう。難しいコードが押さえられなくて「こんちくしょう!」なんて目で見られがちなフレットでありますが、実はその誕生は数々の道具に支えられていたのです。
なんちゃってー。