夕日さすまに いそしめよ(旧「今日までそして明日から」)

人生、宗教、世相、趣味などを思いつくままに記す

波多野精一宗教哲学三部作

2018-05-18 20:50:26 | 読書
 この一年間あらゆるジャンルの本を読んで暮らしましたが、そのなかで特筆すべきは波多野精一宗教哲学三部作。1981年に東京神学大学大学院後期で履修した宮本武之助先生の特講で一年間手ほどきを受けました。それ以来いつか読もうと思いながら時が経ってしまいました。今になってやっと精読。と言っても半分わかったかどうかという程度です。「先生(波多野)は難しいからなあ」というのが宮本先生の口癖。その前年急逝した大平正芳首相の愛読書が『時と永遠』だった(お嬢さんの証言)ということについても、「本当にわかったのかなあ」でした。大平さんについて二、三の本を読んで調べてみたのですが、なかなかの読書家で、もしかしたら愛読書だったことは本当で、ある程度読みこなしていたのではと私は思っています。確かに難解ですが、例えばこんな言葉が随所にあって楽しいです。「かの世にての再会といふが如き通俗的信念も、無造作に根も葉もなき迷信として貶すことは、この世の知恵を恃んで神の眞実(まこと)を裏切る業でありえぬと、誰が言い切り得るであろうか」(『時と永遠』最終頁 )。因みに岩波文庫版は旧字体が新字体に改められ、難読の語にふりがながつけられるなど、読みやすくなっています。しかも芦名定道氏の注解と解説付きです。(2018年3月20日)

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