里紀 in Crossing Field City!

~遠く、北アルプスとお城の街を離れて~

エゾムラサキ(ムラサキ科)

2008年01月24日 00時09分09秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Myosotis sylvatica
Myosotis:ワスレナグサ属。
※ギリシャ語のmyos(二十日鼠)+otis(耳)が語源です。
葉が短くて柔らかいことからの連想に因るものと思われます。
sylvatica:<sylvaticus=森林生の、林地を好む

漢字で書くと:蝦夷紫
※「この名前を聞くと、お腹が空きますね」は、ガイドの使う親父ギャグの1つ。

上高地で咲く時期:5月中旬~6月中旬
※咲き始めは小さいのですが、どんどん花をつけながら伸びていくので、
高さが40cmくらいまでになります。
同じ茎上につけた蕾を咲き伸ばす性質で、下から上に長く伸びるために、
1株自体の花の咲いている期間が長いです。
(トップの写真の撮影日:2007.5.30)


芽吹き(撮影日:2007.5.23)

※この場所は日当たりがよくて、上高地内で毎年1番早く咲くのではないかと思います。
葉が蕾を守っています。

蕾(撮影日:2007.5.30)


花(撮影日:2007.5.23)

※まだ葉が開かない前に、蕾が開いて花を咲かせていました。

花(撮影日:2007.6.1)

※6月の初め頃、小梨平を歩くとこの『エゾムラサキ』が咲き乱れ、
青い霞がかかったように感じられる時があります。 初夏の朝、幸せなひとときです。
同じ茎に青やピンクの花をつけ、花の中央には黄色。 独特の色使いの花です。

イチヨウラン(ラン科)

2008年01月19日 23時30分03秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Dactylostalix ringens
Dactylostalix:イチヨウラン属。
※ギリシャ語のdactylos(指)+stalix(杭)が語源。
ringens:開口形の、口を広く開けた

漢字で書くと:一葉蘭
厚手の葉が1枚つくので、この名前になった。
緑色の花で笹床に咲く姿は、保護色のようになって目立ちませんが、
よく見ると個体によって花のぶちが違ったりして、なかなか可愛い花です。

花の咲く時期:5月下旬~6月中旬
(トップの写真の撮影日:2006.6.17)


芽吹き(撮影日:2007.4.30)

※この年は雪も多かったのですが、この場所は日当たりもよく、毎年芽を出すところ
なので、こんな可愛い芽吹きを見つけることが出来ました。

蕾(撮影日:2007.6.13)


蕾(撮影場所:2007.6.30)

※この場所では、ちょっとした群生に出会いました。
足の踏み場にも困るくらい咲いているのを見ていると、とても幸せな気持ちになりました。

花(撮影場所:2007.6.7)

※2006年まで、すぐ近くに5、6株がまとまって咲く場所がありました。
でも2006年の豪雨が影響したのか、または盗掘されたのか、翌2007年は
芽吹きを確認することすら出来ませんでした。残念でした。
周りで咲いているのがないか探したら、この株を見つけることが出来ました。
この株の成長を今後も見守りたいと思っています。

花(撮影日:2006.7.14)

※この場所で咲く株は、もう長い間咲き続けてくれています。
笹に囲まれて目立たないのが幸いしています。
年によってこちら側を向いてくれていたり、反対を向いていたり、いろいろです。        

アケボノシュスラン(ラン科)

2008年01月08日 23時39分58秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Goodyera foliosa var. maximowicziana
Goodyera:シュスラン属
※イギリスの植物学者John Goodyerの名に因みます。
foliosa:<foliosus=葉の多い
maximowicziana:東亜の植物を研究したロシアの分類学者から。
※この名前は、コミヤマスミレやウダイカンバなどにも見られます。

漢字で書くと:曙繻子蘭
花の色を朝の空に例えて、曙。
葉は間近で見るとビロード状の光沢があって、絹織物の『繻子』に似ていることから。

花の咲く時期:9月上旬
(トップの写真の撮影日:2006.9.11)


蕾(撮影日:2006.8.17)

※まだまだ硬く、緑色で、上を向いています。

蕾(撮影日:2006.8.24)

※白みを帯び、早いものは横を向き始めました。

蕾(撮影日:2006.8.30)

※曙色が出始めました。少し膨らんで来たようにも思えます。

花(撮影日:2006.9.4)

※ようやく花が咲きました。白でもピンクでもない、曙色です。
茎の基部は地面を這っていて、上部の約10cmが斜上して、花を咲かせます。
中央の3つ程の蕾は、このまま開かずに朽ちてしまいました。

花(撮影日:2007.9.14)

※2006年は、70株位群生している中で、咲いたのは2株だけでした。
なかなか咲かないのかと思っていたら、2007年は20株位咲いてくれて、
うれしい感動をもらいました。

※薄暗い林の中で、人知れず咲いています。
調べているうちに、花によっては白みの強いものや赤みの強いものもあるようです。
2008年はどんな個体差があるのか、もう少し詳しく見てみようと思っています。
また、種がついているかどうかも追いかけてみようと思います。

アマドコロ(ユリ科)

2008年01月07日 23時28分30秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Polygonatum odoratum var. pluriflorum
Polygonatum:アマドコロ属
※ギリシャ語の「polys(多い)+gonu(節)」が語源で、根茎に多くの節があることから。
odoratum:芳香のある、香りのいい
pluriflorum:多くの花をもつ

漢字で書くと:甘野老
地下茎が「野老(ところ。ヤマイモの一種)」に似ていて、その野老は苦いのに
こちらは甘いので、「甘い野老」から「甘野老」になった。
※ところで、その「トコロ」の根ですが、太い地下茎にひげ根がついて、曲がっている
ことが多いため、ひげ根と曲がった地下茎から老人に見立てられました。
海の老人が「海老」。野原の老人は「野老(ところ)」と云うことでしょうか。
野老の地下茎は正月飾りに長寿を願う縁起物として、長く使われて来たようです。

花の咲いている時期は:5月中旬~6月下旬
※年に依って違います。2006年と2007年では、約1ヶ月も違いました!
(トップの写真の撮影日:2006.6.21)

上高地内で比較的簡単に見られる場所:
小梨平:いたるところで見られます。
河童橋~穂高橋(特に右岸):アルペンホテル前・温泉ホテル前の川沿いの遊歩道。
左岸の中の瀬園地周辺。明神橋と明神館の間の遊歩道。徳沢。

芽吹き(撮影日:2007.5.23)

※この芽吹きの頃は、一斉にニョキニョキと出て来るので、壮観な光景になります。

日時は上と同じです。

蕾(撮影日は上と同じです)

※この写真は、自分ではお気に入りです。まだ可愛い赤ちゃんの蕾です。
お包み(おくるみ)のような葉に包まれて、初めて顔を出した蕾です。

もう少し時間が経つと、

こんな感じになります。もう少しで独り立ち。ぶら下がれますね。

花の写真をもう1枚。(撮影日:2007.5.26)

※アマドコロは、ナルコユリと間違えやすいのですが、茎を見ると判別出来るそうです。
ナルコユリは茎が丸いのですが、アマドコロはこの写真のように筋が角張っているので、
触るとすぐ判ります! でも、優しく触って下さいね…。

実(撮影日:2006.7.7)

※こんなに実がなるまで、しっかり残っているのは珍しいんです。
本当はもっと青紫になるようですが、まだ写真は撮れていないので、
2008年は、狙って探してみようかと思っています。