随縁記

つれづれなるままに、ものの歴史や、社会に対して思いつくことどもを記す

和紙の歴史 連載企画 1

2006-06-08 10:39:16 | 紙の話し
随縁記を暫く休んだが、内容を一新して紙の歴史をシリーズでUPしていきます。


(1)章 紙の発明とその伝播


(一)紙以前の紙

筆と墨

記録のため文字が発明され、次いで文字を記すための筆記具が作られた。紙よりもはるかに早く筆と墨が発明されている。
通説では、筆は古代中国の秦の始皇帝の時代(BC221年に中国統一)に、蒙恬(もうてん)が発明したとされている。                    
 しかし、近年の研究により、今からおよそ3500年も前の殷の時代(BC1600年頃成立)に、すでに筆や墨が使用されていたと言われている。遺跡から出た甲骨文にも筆を表す象形文字がみられ、長沙地方で楚の古墳から、竹の軸にウサギの毛を糸で巻き、漆(うるし)で固めた筆が発掘されている。

墨は、黒い土や石墨(グラスファイト)、また炭を水で練るか溶かせば容易に作ることが出きる。このような原始的な墨は、筆よりも遙かに古く、紀元前3000年の新石器時代には知られていたという。
墨は、炭素の粒子が細かいほど筆記には都合がよい。現代のような油煙の煤(すす)を用いるようになったのは、周の宣王(BC827即位)の時代に考案された。 
明の時代の『天工開物』には、墨の作り方が詳しく図解入りで残されている。
煤は膠(にかわ)で丸く固め、必要に応じて適当な濃さに溶いて用いるようになった。 墨をする硯は、すでに漢の時代から使用されており、岡と池を持った現代のような形になったのは、唐の時代のころといわれている。 


 ■この記事の全文は、HP http://sano-a238.hp.infoseek.co.jp
の「和紙の歴史」に掲載しています。ご参照下さい。