歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

目眩く

2009年07月12日 | 徒然 -tzure-zure-
「目眩く」ということばが 好きです。

めくるめく。


 ”好き” と云うか、
ことあるごとに、脳に引っかかってくる 言葉です。

めくるめく。

 意味>>目がくらむ。めまいがする。また、魅力にひかれて、理性を失う。 (大辞林第二版より)
     英語:dazzling

     「目がくらめく」から。
     うれしくて、目がクラクラするという意味。


めくるめく。
めくるめく変わり続ける季節に意識を傾けていると、
めくるめく変化に意識もめくるめく翻弄されて、
めくるめく焦らさせられたり、
めくるめく、時めいたり。






「どうせ まだ梅雨明けじゃないんでしょう?」

なんて 悠長に構えていたら



雲が

連日、美しい波模様を打ち寄せているのです。





めくるめく波。




日日は、あまりにも、

目眩く。




その劇しさが どこか夏っぽい、
派手めな夕焼け模様。



電車の窓から 気づいたときには
もうクライマックス。

「今すぐ降りて、どこか最強に夕焼けが見えるスポットで、写真を撮りたい!」と

だけど 先を急ぐ身に 願いは叶わず

指をくわえて眺めている そのすきに

たちまち
街のビルの影に隠れたり、
雲の波は 風に流れてしまったり。

めくるめく



過ぎ去ってしまいます。





梅雨の終わりは、本格的な
夏の入口。


この時季の風景をめくるめく彩る 花は、



「くたびれアジサイ」のみならず。




 ネム。

  合歓木(ネムノキ/ネム/ネブ)

  Albizia julibrissin
  英名;Mimosa/Persian silk tree/Pink siris
  ネムノキ科(マメ科)ネムノキ属
  落葉高木 陽樹

  夜になると、葉を閉じます。だから、地方によっては
  「眠た木(ねむたぎ)」とか「眠りの木(ねふりのき)」とか
  言われているようで。


 細~い
 淡い紅の繊維(おしべ)を束ねた姿。
 先っぽの方が紅くて、奥の方が白っぽく明るい。それが、
 どうにも 妙に、美しすぎて、
 「どうして、そんなことに!?」って思ってしまいます。
 

 梅雨に濡れたら しっとりと しなだれて

 その繊細なうつむき加減には、なんとも、
 フェミニンな色気や艶や。

 晴れた青には



 さらさら紅ヘアーが 濡れた時には無い、さわやかな、別の風情が。






 ノウゼンカズラ。

 梅雨に濡れたら、ボタボタ落ちます。

 梅雨に濡れた 黒い路に

 ポタポタと、惜しげなく

 鮮やかな赤橙色を 散らします。




 ノウゼンカズラ

  凌霄花
  Campsis grandiflora
  英名:Chinese trumpet vine
  ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属
  つる性


紫陽花の青紫が 静謐に 梅雨の鬱を映えさせる
一方で、

雨色の景に まぶしい鮮やかさを添える、
鮮やかな紅の花たち。


そんな彼らの姿を
探す間も無く、

気づいたら、
めくるめく。

いつのまにやら、
めくるめく。


季節はぐんぐん
勢い余って、進んでしまっておりました。



紫陽花に さようなら。



そして ついに



真打ち登場。

「百日紅」の お目見えです。

  サルスベリ(百日紅)

   Lagerstroemia indica
   英名:Crape-myrtle/中国名:紫薇
   ミソハギ科サルスベリ属

真夏の盛りに咲き続ける ふわふわの花。

「百日紅」という、
その名の詩的さが、素敵すぎて、めくるめく。




サルスベリは、「夏休み」の花。


サルスベリが咲き始めたら、
「夏休み」の始まりの合図。



サルスベリが散り始めたら、
「夏休み」の終わりの合図。








mekurumeku.




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