※ 写真撮影日 2011年3月5日
東京から仙台に向かう途中,茨城県と栃木県の県境にある鷲子山上神社への訪問を考えていた。宇都宮側から烏山線を経由するコースの往復で攻めるのが一番安易そうだったが,どうせなら行きと帰りで違うルートで行きたいと思ったので,水戸から常陸大宮までJRで,そこからバスを乗り継いで神社の最寄りのバス停である塙停留所へ,その後再び塙からバスで烏山駅へ行き,烏山から宇都宮までJRで行くルートを採用した。
時刻と運賃は以下のような感じになった。水戸発 | 09:22 | JR水郡線 |
常陸大宮着 | 09:55 | 480円 |
常陸大宮駅前発 | 10:00 | 茨城交通バス |
高部車庫着 | 10:45 | 890円 |
高部車庫前発 | 10:57 | 市営バス |
塙着 | 11:07 | 340円 |
鷲子山上神社
| ― | 徒歩(片道約4km) |
塙発 | 14:20 | 市営バス |
烏山駅着 | 14:39 | 460円 |
烏山発 | 15:29 | JR烏山線 |
宝積寺着 | 16:10 | 0円(宇都宮まで通し) |
宝積寺発 | 16:19 | JR東北本線 |
宇都宮着 | 16:30 | 570円 |
注1 2011年3月5日の時刻表記載時刻。当日JR水郡線は約3分遅延。
2 茨城交通と市営バスの高部車庫前バス停の位置は別。茨城交通の美和総合支所(高部車庫の一つ手前のバス停。歩いて数分)と市営の高部車庫が同じ位置。【後述】
3 市営バスは常陸大宮市(茨城)と那須烏山市(栃木)のおそらく共同運営。
実際の移動。
水戸駅。
端のホームから水郡線で常陸大宮へ。特急電車の待ち合わせのため発車が数分遅れた。常陸大宮でのバス連絡が5分しかないので焦る。しかし,JRのことだからダイヤ復旧させてくれるだろうという期待とバスも列車が遅れたら客がいなくて待ってくれるのではないかという期待をした。もちろん,最悪の事態も想定。
常陸大宮駅へは3分遅れぐらいで到着。改札を抜け,バス停を探していると乗るべきバスが駅前のロータリーへ。慌てて後をつける。
見つけきれなかったバス停があった。
駅前の通りを少しだけ進んだところに設置されていた。ここから乗ったのは自分ひとりで,バスは始発だからといってしばらく停車することもなくすぐに発車した。JRがあれ以上遅れていたら,バスの本数が少ないのでこの日の計画はまったく別のものになっていただろう。
バスに乗ってしばらくすると…
バスでの最終目的地の烏山までの距離が出ていた。30km分の運賃,事前に調べていたからいいものの知らなかったらかなり不安になりそうだ。しかも,この数値は駅までの距離ではないし…
途中からは自由乗降区間となりバス停に限らずに乗り降りが可能になる。
このような風景を見ながら移動は続く。同じような風景を2度見た気がするので,集落内を1周して幹線道路に戻るようなルート設定になっているのかもしれない。途中で駅の少し先のバス停から乗った方が降りた。このバスの乗客はこの方と2人のみだった。
終点までの運賃。
終点の高部車庫。両方のバスの停留所名になっていたので大きいかと思ったら結構小柄だった。上の時刻の下にも書いてあるとおり,烏山市営バスの高部車庫バス停は茨城交通の一つ前の美和総合支所前と同じ場所にあるので一バス停分歩いて戻る。
2つのバス停が隣に並んでいる。よそ者にとっては両方が「高部車庫」というバス停名を出すことによって,この2つのバスが乗換え可能だということを示しているように捉えられたが,バス停の場所を知る上ではややこしい。烏山市営バスが美和総合支所ではなく,茨城交通の施設である高部車庫を採用した理由は何なのだろう。
今乗ってきた茨城交通の時刻表。
本数はかなり少なめ。さっきのようにJRが遅れて接続ができなければ泣くしかない。土地勘があれば一駅先の玉川村駅からバス停までたどり着ければ復旧は可能かもしれない。玉川郵便局の前をバスが通過する。便によっては玉川村駅へ寄るバスもある様子。
市営バスの方。バス停の上の部分には「みわ」(合併して現在は常陸大宮市)と茨城側の旧自治体名が書かれている。
こちらもかなり本数は少ない。やがて烏山方面から人を乗せたバスがやってきた。乗客を降ろした後,方向を変えてバス停へ。そのバスは…
このぐらい小型だった。
車内も…
コンパクトにまとまっている。路線バスではあるので…
運賃表と運賃箱の設備がついている。
すぐにバスが発車したが,その後ある異変に気付く。次のバス停の案内もないまま,どんどんバスは進んでいく。いくら利用者が少ないとはいえもう一バス停分とは思えない距離を進んでいた。運賃表にも何も表示されない。不安になって運転手に聞くと,どこまで行くか聞かれた。このまま何も言わなかったら終点についてたのだろうか。
道の駅を通過。しばらくして塙バス停で降車。運賃は運転手が持っていた表を使って示された。ここまで他に乗客はいなかった。
塙バス停は橋の上にあった。反対側の道路にはバス停の表示が置いていないが,その辺りに立っていれば乗れるのだろう。少し不安になったので,次のバスでここから烏山駅へ行くことを告げておいた。(実際次のバスの運転手は別の方だったが)まだここは茨城県で県境は越えていない。
目的地の神社への訪問を済ませ,バス停に戻っても時間があったので隣の県境バス停まで歩いてみた。こちらについては1の記事で。
県境のバス停から乗ることも可能だし,運賃も安くなるのだが,さっきある種の乗車予約のようなことを言ってしまったので,塙バス停に引き返した。
今度のバスは…
さっきのものよりも大きかった。車体には県境を挟んだ両市の名前が書かれている。このバスで県境を越え,栃木県へ。県境を越える路線バスはなかなか珍しいのではないだろうか。
今度のバスの運賃表を見ると…
バスの放送設備などが故障していることが書かれていた。さっきのバスもそういう事情だったのだろう。終点だから何も言わなかったが,途中で運転手さんが行き先を確認してくださった。
こんな風景を見ていると…
大きな橋が見えてきた。やがて烏山駅に着く。
この区間でも他に乗客はいなかった。
駅周辺で次の列車まで1時間ぐらい時間をつぶした後は列車で移動。この駅は有人でみどりの窓口も設置されている。
終点の宝積寺で乗換えを待つ。
宇都宮へ到着。県境をバスでまたぐ県庁所在地間の公共交通機関移動。本数が少なくはらはらするところはあったが,普段見ないバスの運行風景を見ることができたように思う。