11人の侍

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攻撃型監督?西野朗が下した決断

2005年11月06日 11時13分02秒 | サッカー
「勝っているチームはいじるな」
というのはサッカー界ではよく知られた格言だけど
うまくいっているディフェンスラインに試合途中で手をつけるのは
自殺行為だとすら言える

パワーと高さで巻誠一郎を完全に封じ込んでいたガンバ大阪の守備陣だけど
後半途中から宮本恒靖が加わったことでバランスが目に見えて崩れはじめた

完璧なプレイを披露していた貫禄のシジクレイが
守備的MFへとポジションを移したことで
ジェフユナイテッド市原千葉は空中戦に活路を見出せるようになったからだ

巻は後半終了間際にディフェンスを跳ね飛ばしてゴールを決めている
主審にはファールにみえたらしく取り消されてしまったけれど

白熱した試合の主導権を握っていたのはガンバだった

千葉は試合開始から百戦錬磨のふたりの外国人
ポペスクとストヤノフがテンション高く
ガンガン前に出ることで攻撃のリズムを生み出そうとしていたけれど
(ふたりのプレイはこの試合が決勝戦であることを観客に明確に意識させた)

ポペスクがピッチを去るころになると
試合は完全にガンバのものになっていた

90分で決着をつけようと早々と交代枠を使い切ったオシムジェフよりも
ガンバにはチーム力で随分と余裕があった

そこにきて前述の交代劇
体力的に限界だった二川孝広を代えるのは当然にしても
結果的にあのポジション変更は千葉を蘇生させることになってしまった

弊害として
試合を決めれるカード、吉原宏太に10分ほどのチャンスしか与えられなくなったこと
決戦前の引退宣言でチームを活気づけようとした松波正信の出番を奪ってしまったことも悔やまれる

常に攻撃的な交代カードを切って
崩壊を食い止めたジェフとは対照的なゲーム運びだった

アグレッシヴなスタイルで2005年の日本サッカー界に旋風を巻き起こしてきたガンバ大阪
僕は西野朗監督のこれまでの仕事を高く評価しているだけに
大一番での弱腰は残念だ

2005年のナビスコ杯決勝とは
西野朗という未来の日本代表監督候補が
攻撃型の監督だとカテゴライズされることへの疑問提起だったと言えなくもない