日本時間7月2日の早朝に行われるフランスとブラジルの準々決勝は、ジダンとロナウジーニョのふたりが史上最高のサッカー選手を決める舞台というわけではない。そういった見方はフェアじゃない。
キャリアの絶頂期に差しかかろうとするロナウジーニョとは対照的に、ジダンはこのドイツワールドカップを最後に引退することが決まっている選手だ。この対決はジダンにとっては分が悪い。
ただ確かなことは、この試合が . . . 本文を読む
ドルトムントに所属するガーナ代表のアモアは25歳。イタリアのモデナでプレイするギャンはまだ20歳だ。このツートップにウディネーゼの21歳、ムンタリを加えたガーナアタッカー陣のシュートは、ジダが構えるゴールの枠をことごとくおおきく外して完敗のきっかけとなった。
哀れなシュートスキルにはどこか親しみを感じてしまうけれど、しかしあえて違いをあげるならば、このガーナ人たちが例え何本外そうと渾身の力を . . . 本文を読む
チェコとのグループリーグ最終戦に勝ったことで、イタリアはひょっとしたらジラルディーノの1トップ(+トッティ)を継続しやしないだろうかなんて考えていたけれど、決勝トーナメント初戦のオーストラリアとの試合ではしっかりと3トップに戻してきた。ジラルディーノとトーニ、そしてコンディションが万全ではないトッティに代えてデルピエロを起用。もうPK負けを繰り返すつもりはないようだ。
この3トップは現在のイタ . . . 本文を読む
オランダ代表のマルコ・ファンバステン監督が最後の交代枠を使ってPSVアイントフォーヘンのヤン・フェネフォール・ヘッセリンクをピッチに送り出したとき、世界中のサッカーファンが首を傾げた。シュートが苦手なフォワードしかいない日本のサッカーファンからみるとヘッセリンクはそれほど悪いフォワードでもない。しかし、オランダのベンチにはあのルート・ファンニステルローイが座っていた。
確かにファンニステルロ . . . 本文を読む
所属するサッカーチームでユニフォームを新調したときのこと。
背番号23を希望する僕にチームメイトがこう尋ねた。「どうして23番なの?」
「マイケル・ジョーダンの番号だから」と僕は答えた。「それにレブロン・ジェームスも好きな選手だし」
NBA選手の怪物的な身体能力は僕にとっては憧れだ。
「やめたほうがいんじゃない?」しかしチームメイトは苦笑いを浮かべて言った。「ベッカムを意識してると思われるよ . . . 本文を読む
世界中のサッカーファンはドイツとアルゼンチンの対戦を待ち望んでいたはずだけど、メキシコとアルゼンチンの試合を捌いたマッシモ・ブサッカ主審もそのなかのひとりに入るかもしれない。
前半終了間際にゴールキーパーからのパスをトラップし損ねたアルゼンチンのDFエインセは、ボールを奪ったフォンセカの脚を反射的に引っ掛けた。その迷いなき反応はエインセのディフェンダーとしてのクオリティーの証明になるけれど、 . . . 本文を読む
日本代表のスターティングメンバーに中村俊輔を11人揃えてもチームは決してうまくいかない。しかしドイツ代表がミヒャエル・バラックを11人揃えれば、それはそれで素晴らしいチームになるかもしれない。
旧東ドイツ出身のバラックはサッカーに必要な能力をすべて兼ね備えたドイツのサッカー選手の完成型だ。
巨躯のバラックはもともと守備的なポジションに陣取る選手だった。しかし比較的地味なポジションを仕事場と . . . 本文を読む
「まるで怪物みたいだね」
前半のから恐ろしい勢いで日本のゴールに迫っていたロナウドのアップ映像をみて彼女が言った。
「違うよ」僕は呻いた。「彼は本物の怪物だよ」
そのあとにヘディングシュートを日本のゴールに突き刺すロナウドは1976年の9月22日生まれの29歳。意外に若いと思ったひともいるかもしれない。ベテラン選手のように思われがちだけどロナウドはまだ20代だ。年齢がイメージと異なる理由は、 . . . 本文を読む
攻めるべきか、守るべきか。
先制点を奪ったときの日本代表はしばしばチームとしての戦いかたに迷いが見受けられる。実際、この迷いは試合後の選手のコメントによくでてくる。意識の違いは追加点を狙いたい攻撃の選手と、先制点を守りきりたい守備の選手とのあいだで生まれる傾向が強いようだ。
日本はパワープレイに対抗できるディフェンダーを揃えていない。もしくはカウンターから確実に追加点を奪って止めを刺せるストラ . . . 本文を読む
オランダとのグループリーグ最終戦でアルゼンチン代表監督のホセ・ペケルマンはエルナン・クレスポとハビエル・サビオラを温存した。しかし代わりに出場したカルロス・テヴェスとリオネル・メッシはひょっとしたらより強力ペアなのかもしれない。
怪我から復帰したメッシは早々にトップフォームを取り戻しつつあるし、テヴェスはマン・オブ・ザ・マッチ受賞が当然と思えるほどの圧倒的な活躍だった。
大会前までアルゼ . . . 本文を読む
うんちくを語るよりも、サッカーはやはり実際にプレイしたほうが魅力的だ。
僕にはこれまで50ヶ国以上のひとたちとボールを蹴ってきた経験があって、誠に勝手ながら草サッカー日本代表を自負している。
ポジションは日本人らしく中盤の真ん中で、パスが得意だからプレイメイカーの役割を好む。でもチーム事情によってはフォワードやウイングの役割をこなすこともやぶさかではない。むしろたくさんボールが回ってくるチーム . . . 本文を読む
「もうこれ以上は走れないというくらい頑張った。後悔はしていない。」
映像を目にしたわけではないけれど、クロアチア戦を終えたあとに三都主アレサンドロはこうコメントを残したと聞く。
このブラジル出身の左ウイングは優れたサッカー選手であるという同時に、男としてほんとうに素晴らしい。試合終了と同時に張り詰めた緊張の糸が切れたようにつってしまったアレックスの足を、クロアチアの選手が伸ばしているシーンは . . . 本文を読む
夏至間近の日本列島はいちどキャプテン宮本のPK献上で一瞬凍りついてしまったけれど、川口能活のセイヴでふたたび熱く燃え上がった。
クロアチアは度々ゴール前に迫ってきていたけれど、点をとられる気はまったくしなかった。
この感覚は川口がゴールを守る試合では、それほど珍しいものではない。アトランタ五輪のブラジル戦や、2000年アジアカップ決勝のサウジアラビア戦は、川口の稀有な才能を示した代表的な試 . . . 本文を読む
ポルトガル代表のデコがイランの選手の肩に足の裏でタックルしたとき、フェリペ監督はなかば怯えるかのように頭を抱え込んだ。 レッドカードが提示されるのではないかと思ったからだ。
一発退場はダイブを駆使してズル賢く逃げ切りを謀るイランに追い風となるばかりか、メキシコとのグループリーグ最終戦の出場停止をも意味する。
フェリベ監督が震え上がるのも無理はない。
なにしろブラジル生まれのデコはポルトガ . . . 本文を読む
アルゼンチンらしいショートパスの交換による中央突破からカンビアッソがゴールネットを揺らすと、テレビ画面はユニフォームを振り回しながら雄叫びをあげるマラドーナを映しだした。
僕は1994年のアメリカワールドカップを思い出さずにはいられなかった。アメリカ大会初戦でギリシャと対戦したアルゼンチンは同じように素晴らしいパス回しで守備陣を翻弄し、マラドーナの見事なゴールを生み出している。マラドーナ、カニ . . . 本文を読む