加地への悪質なタックルと、同点ゴールでシュバインシュタイガーは早起きした日本におおきな悲鳴をあげさせた。
横浜で0-3と完敗したドイツを最終調整の相手に選ぶのは危険だと思っていたけれど、日本の戦いぶりは堂々たるものだった。空中戦の課題は解決していないけれど、今の日本の戦力からするとベストゲームに近いものだと思う。前回対戦との決定的な違いは、(今更くり返すまでもなく)中田ら欧州でのプレイ経験が . . . 本文を読む
僕は日本のグループリーグ突破を信じているけれど、1位通過の期待を抱くとなると、それは高望みになるだろう。
日本が勝ち抜くとすればそれはブラジルに次ぐ2位での通過になる。つまり決勝トーナメントで顔をあわせるのはE組を1位で通過した国だ。チェコやアメリカの可能性もあるけれど、おそらくイタリアになる可能性が高いだろう。日本とイタリアは海に囲まれているという同じ理由で、ブルーを基調としたユニフォームを身 . . . 本文を読む
リバプールで頭角を現したばかりのスティーヴン・ジェラードはダーティーな選手だった。
強烈なミドルシュートは当時から際立っていたけれど、同時に荒っぽいタックルを連発する選手として悪名を馳せてもいた。怖いもの知らずの若者はアーセナルに所属していたヴィエラ目掛けて反則タックルを執拗に繰り返した。ヴィエラはプレミアリーグで最も気性が荒く、支配的だと恐れられた選手だ。若いジェラードはそんな選手に噛みつ . . . 本文を読む
僕はオーストラリアの牧場で、野生のカンガルーに頭のうえを飛び越えられたことがある。
友人の飼い犬に追いたてられ、茂みから飛び出してきたそいつは、その巨体からは想像もできないほど軽々と宙を泳ぐと、ぴょんぴょんとたったの数歩で再び茂みの向こうへと消えていった。その迫力ときたら、まるで恐竜でも飛び出してきたのかと思った。野生のカンガルーのキックは極めて獰猛だ。
サッカーとカンガルーをもじった「サ . . . 本文を読む
福島Jヴィレッジでの合宿を終えた日本代表のジーコ監督は、3バックでオーストラリアとの初戦に挑むことを決めたようだ。これは初戦を慎重に戦おうという姿勢の表れだといえる。まずは守備に重点を置き、仮にリードを許して得点が必要な展開になれば玉田や小笠原ら攻撃的な選手を投入してシステムを4-4-2へと変更する。選手交代を含めた試合采配はぐっと単純明快になった。もちろん先制点を奪ってシステム変更を必要としな . . . 本文を読む
中田英寿はドイツワールドカップを最後に日本代表の座を退く。
中田がかねてからサッカーだけに執着するつもりがないことを、そして早期引退の可能性をすら、示唆してきたことを考えると、起こりえないことだとは言い切れない。そしてもし、この好ましくない仮説が現実になるとするならば、ドイツワールドカップは日本サッカー界にとって「中田」というひとつの「時代」の集大成という意味を持つことになる。
近年 . . . 本文を読む
アーセナル最初のコーナーキック。あがってきたDFのソル・キャンベルをマークしたバルセロナの選手はオレゲールだった。キャンベルは189センチ90キロの巨漢で、マイケル・オーウェンよりも速く走る。知性派オレゲールでは完全なミスマッチに思えた。キャンベルはオレゲールを振りほどくとGKのヴィクトール・バルデスに身体をぶつけて威嚇している。
先制点は前半37分。ゴール前に飛び込むキャンベルにオレゲール . . . 本文を読む
グループリーグ組み合わせが決定したあと、出場する各国メディアは一斉に対戦相手の分析を始めた。しかし、驚いたことに日本に関する情報のほとんどが的外れなものだった。例えばクロアチアのスポルツケ・ノボスティ紙は日本の先発予想で中田と中村を2トップに据え、中沢を左サイドバックに置くという有り様だった。
もちろん本大会までにはしっかりとした情報収集がなされるだろう。しかし、日本メディアの徹底した情報収 . . . 本文を読む
中沢祐二は潤んだ瞳を黒いサングラスで覆い隠していた
その姿に喜びは見出せない
同僚の不運があったからだろう
近年の日本サッカーが生んだ最も傑出した才能
久保竜彦が世界の檜舞台を踏むことはついになかった
フィジカルコンディションで久保を遥かに凌駕する巻の選出は
特にサプライズじゃない
巻はファンが待望した生きのイイ若手との条件も満たす
25歳の選出は次の南アフリカ大会を見越した先行投資となりえるけ . . . 本文を読む
ブルガリア戦の各選手寸評
玉田 驚異的な切れ味でチームに活力を与えたけど、いつものようにゴールだけが足りなかった。
阿部 千葉の若き主将は自身に溢れている。次回の南アのW杯では主力としてプレイするんだろう。
村井 代表で観たなかでは一番の出来だった。でも不運なケガでW杯への望みは潰えたと言わざるを得ない。
中沢 一対一でも冷静に対処してみせた。前半は左サイドのスペースをひとりで埋めている。
宮本 . . . 本文を読む
トッテナム・ホットスパーズは今シーズンもっとも好感を持てたチームだった。
毎試合のように左サイドを切り裂くイ・ヨンピョの活躍は、同じアジアの住人としてとても痛快だった。アジアの選手にとって英国大陸でのプレイは流行になっているけれど、イはその最先端を駆けている。韓国人ウインガーは左サイドバックのレギュラーとしてほとんどの試合に出場し、チームにとって欠かせない存在にまでなった。
そのイと左サ . . . 本文を読む
もし浦和レッズのギド・ブッフバルトが日本代表監督に就任するようなことがあれば、鈴木啓太は日本代表入りを果たすことになるはずだ。鈴木には際立った特徴があるわけではないけれど、ディフェンスラインの前でパトロールの任務をきっちりこなす。その堅実な姿勢はドイツ人監督の現役時代を髣髴とさせる。鈴木がおおきな信頼を与えられるのも無理はない。
一方、小野伸二と堅実という言葉には距離がある。この日の鹿島との . . . 本文を読む