11人の侍

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痛恨だったギッブスの失策

2009年05月06日 05時01分48秒 | サッカー
試合前の記者会見で主将のセスク・ファブレガスが語ったように、5月5日のチャンピオンズリーグ準決勝は、若いアーセナルのほとんどの選手にとってこれまでのキャリア最大の挑戦だった。

とりわけ今シーズン頭角をあらわした19歳のレフトバック、キーラン・ギッブスにとっては、人生初の大舞台といって差しつかえないだろう。

CNNの情報によると、アーセナルはチャンピオングリーグのホームゲームではもう5年ほど負けていない。若さという勢いにまかせて、アーセナルが試合開始から積極的に仕掛けていくのは容易に想像できた。

だからこそ前半8分、クリスティアーノ・ロナウドの鋭角のクロスボールに対し、ギッブスが芝生に足をとられてしまったことが悔やまれる。現地実況に、驚きをもってこの日のスタメン出場を伝えられたマンチェスター・ユナイテッドのパク・チソンがGKアルムニアの頭上を抜くと、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は痛恨の表情を浮かべた。

ここからマンチェスター・ユナイテッド相手に3得点を挙げるのは、世界中のどの名将といえども不可能な任務だといえる。

センターバックには怪我から復帰したリオ・ファーディナンドがキャプテンマークを巻いて君臨し、エマニャ・ビディッチと完璧なコンビネーションを奏でる。さらに彼らの前には1stレグと同様、マイケル・キャリック、ダレン・フレッチャー、そしてアンデルソンという3人のセンターハーフが睨みを利かしている。

フィジカルの優位は明らかで、技巧派が目立つアーセナルの攻撃陣がこの守備壁をこじ開けるのは難しい。ちょうど守備に回ったオーストラリア代表を、日本代表の攻撃陣が崩せなかったように。

仮になにかのはずみでゴールを奪えたとしても、マンチェスター・ユナイテッドのベンチにはPFAの年間最優秀選手に選出されたライアン・ギグスと、百戦錬磨のポール・スコールズが控えていた。さらにはスタメンを外れたカルロス・テベスとディミタル・ベルバトフの両ストライカーも、怒りをおさえて獲物を狙う牙をといでいるのだからたまらない。

現在のマンチェスター・ユナイテッドが歴代最強のチームかどうかはわからないけど、過去にこれより強いチームがあったといわれても、僕は簡単に信じることはできない。

パクのゴールからわずか3分後、ロナウドが放った強烈なFKはアルムニアが処理すべきだったけど、いずれにしても勝敗に変わりはなかっただろう。

アーセナルの若き精鋭たちの大一番は、残念ながらものの数分で終わりを告げてしまった。