11人の侍

「生きている間に日本がワールドカップを掲げる瞬間をみたい」ひとたちの為のブログ

天性+意志=バロンドール

2005年11月29日 18時14分01秒 | サッカー
シドニー五輪で日本代表と対峙した細身の背番号7が
噂どおりの選手だとはとても思えなかった

事実僕は彼のプレイをまったくと言っていいほど覚えていない

さらに4年前にマイアミで行われた日本対ブラジル戦の
両代表の全選手をいまだに即答できるこの僕が

印象に残ったのは
鬼気迫る表情で日本のゴールにヘディングシュートを突き刺した背番号10
主将のアレックスのほうだった

99年コパ・アメリカのベネズエラ戦でみせた
素晴らしくトリッキーなゴールで名を挙げたロナウジーニョは
数ヵ月後も俊敏でスキルフルな選手だったのかもしれない

でもあまりに細身だったし
そんな若手ドリブラーはブラジルには
ディフェンスに労を惜しまない日本人フォワードと同じくらいいる

デニウソン的な選手になりそうだな
これが当時の僕の率直な印象だった

あれから5年以上が経った
25歳のロナウジーニョは世界に名立たる白い巨人たちに有無を言わせぬ引導を渡してみせた
ジダン、ロナウド、ロベルト・カルロス、ベッカムに、ラウル
自分こそバロンドールに相応しいと言えたものは誰一人としていない

1試合にドリブルシュートで2得点とはすべてのサッカー選手が夢みる
そしていつか不可能だと諦める芸当だ
ましてやそれがレアル・マドリード相手となるとトライしようとする選手すらいない

ロナウジーニョは欧州最高の選手が誰なのかをセンチャゴ・ベルナベウで誇示してみせた

僕が特に印象に残ったのは
あの驚くべき加速度を生み出すまるで競輪選手のような太腿だ

あれは生まれつき備わった天性のものでは有り得ない
筋力トレーニングによるものか
それとも執拗に繰り返してきたドリブルの努力の賜物か

どちらにせよ19歳のロナウジーニョが備えていたものではない
ロナウジーニョの意志が身につけさせたものだ

「技」、「体」、でもそれ以上に大事なのは「心」

トップに上り詰めるアスリートに大事なものを改めて教えてくれた
ロナウジーニョのバロンドール受賞だった