マツモトの研究生活。

研究生活を綴ります。
近況報告が多いです。
コメント頂くと狂喜乱舞します。

野性丸出し

2009-10-11 02:30:08 | 研究。
自由に動き回るニホンザルを観察していて、
もっと野性丸出しで行動しろよ!もっと熱くなれよ!!
と言いたくなります。松岡修造ばりに。

これだけじゃよくわからないと思うので単純に言い直すと、
人が小屋の中から餌をやろうとしてるんだったら、
まっすぐ餌に飛びついていけよ!もっと熱くなれよ!!
と思うわけです。
実際の猿はと言うと、

餌は欲しくてしょうがないんだけれど
自分より順位の高いメスが近くにいるし
じゃあ自分の味方をしてくれるオスの近くへ行こう。

みたいな動きをするやつがいるわけです。
だーっ、気持ちが餌に向かってねーじゃん!もっと熱くなれよ!!
…本音は、だってその方がデータとりやすいじゃねぇか!と思ってしまうわけです。

別の事例を挙げると、
ある日広場でオスの観察をしていたら、
どうもあるメスがそのオスとお近づきになりたいような素振りを見せたんですよ。
その素振りというのが、
オスが寝ころんでる背中側から、ちょっと近づいては座って別の方を見る、
またちょっと近づいては気のないふり、
そして毛づくろい(グルーミング)できる位置まできたら
今度はオスに触りたいけど触ったら怒られるかもしれないという葛藤から
最終的にぎりぎりオスに触らないところで毛づくろいしてる動きだけを繰り返す、
言うなればエア・グルーミングですよ。

もうフィールドノートになんて書けばいいのかわからなくて、
めっちゃ笑いました。
結局そのメスはオスに触って激しく怒られて、
近くにいた俺に八つ当たりしてきたんです。
さも、「この騒ぎの原因はこいつ(マツモト)だ!」と言わんばかりに。

もう、どうしたらいいんですかね?
お前ら人間か!とツッコミ入れたくなるくらい、やつらは本音を隠します。
こんな複雑な個体間関係、
どういう定義でデータをとってけばうまくエッセンスを抽出できるのか…。
もちろん彼らなりのロジックがあって
それが複雑だからこそおもしろいと思うのですが、
研究としてまとめるのは難しいです。

きっと猿に寄り添う時間が足りないんだろうなぁ、という気はしてるので
俺の方がもっと熱くなって頑張ります。
…もし俺の動きが猿っぽくなってたら全力で注意してね。マジで!