今日はとても珍しいワインです。
アンフォラで熟成されたワイン。
アンフォラといえば古代ギリシャ・ローマ時代、ワインやオリーブオイルなどの保存や運搬に使われていた素焼きの甕
ワインはタンクや樽で熟成させるのが通常ですが、地中海周辺ではアンフォラを使う方が少数いらっしゃるようです。
まずは造り手さんをご紹介。スペイン・バレンシア南西部モイセンにある『セイェル・デル・ロウラ』
まずはパブロさん家族の温かい雰囲気の映像をどうぞ 映画のワンシーンみたいで素敵
アンフォラの地下セラーです。
「セイェル・デル・ロウラ」は1996年に設立の家族経営のワイナリーで、2009年までは50ヘクタールの自社畑から2種類の赤ワインを造っていました。
その頃彼らはアメリカンやフレンチオークを使ったワインを造りアメリカ市場で大きな成功を掴んでいましたが、そのスタイルでは
市場のニーズにあったしっかりした味わいに仕上がるものの、フレッシュさやエレガンス、なにより本来この土地で育つブドウが
持っているはずのオリジナリティーは表現できるはずもありませんでした。
そこでバレンシア工科大学と研究をすることになりました。
目的は絶滅しかけていたこの地域の固有品種である「マンドー種」を復活させること。
(※この「マンドー」という初めて聞いた品種ですが、20世紀以降大量生産には難があることで使用されなくなり栽培面積も激減してほぼ絶滅しかけていたそうです。)
そして研究を続けた末に、この地方でかつてワイン造りに使われていたアンフォラでの熟成に辿り着きました。
さらにワイナリーの敷地内で発掘された(15世紀頃につくられたとされる)地下セラーであるボデガ・フォンダを復元させ、そこでの
アンフォラ熟成を経ることにより、本来ブドウが求めていた温度・空気・暗さなどの最高の環境が整いこの地のブドウの個性を
最大限に引き出したワイン造りが可能となりました。
ラベルが素敵です!
白ワイン
クリェロト’14(オタマジャクシという意味) ¥2160
品種:ペドロ・ヒメネス30%、ベルティル30%、シャルドネ30%、マルヴァジア10%
2600リットルのアンフォラにて6ヶ月間熟成
年間生産量:20000本
フレッシュなタンジェリン・シトラス・メロン、ビスケット、エキゾチックな甘いハーブ
豊かな味わいです
赤ワイン
パロテト・ヴェルメウ'12 (赤トンボという意味) ¥1944
品種:マンドー20%、モナストレル40%、ガルナッチャ40%
2600リットルのアンフォラにて4ヶ月熟成
年間生産量:100000本
熟した果実の香りとスパイス、パワフルなワインです
赤ワイン
パロテト'12 (トンボという意味) ¥3420
品種:マンドー75%、モナストレル25%
天然酵母で発酵 2600リットルのアンフォラにて14ヶ月熟成
年間生産量:16000本
熟したラズベリーやプラム、ハーブ、スパイス、ビロードのような柔らかさ
いかがでしょうか?!珍しいアンフォラ熟成、そして誰も知らなかった品種マンドー、そして美味しい!ときたら飲まずにはいられないでしょう?!
⇩パブロさんのお父さん?のパコさん、話はわかりませんが、セラーの様子がわかります
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