アカペラな日々 - "Sakata Coro a Cappella" Since April 9, 2009

合唱団"Sakata Coro a Cappella"で指揮の傍ら作曲・編曲,たまに歌に励むOyaji。の活動&日常

11/3は恒例の酒田市民音楽祭を聴く

2008年11月18日 | 音楽系(合唱,作曲・編曲など)
はじめまして!?
Oyaji。と申します,よろしくお願いします。

さて...
スタートから鬱々な話はどうかと思ったので,今,最もリハビリになっている合唱系のことを書きたい。

去る11/3,文化の日,酒田市民会館(希望ホール)では恒例の市民音楽祭が開催され聴いてきた。

私は高二の時に指揮者で出てから,転勤で仙台に行く前まで,約10年ほど出演していた。
その後,転勤やら単身赴任やらで20年ほどお留守にしていたので,かなり久しぶりだった。

20年というのは非常に長く,息子たちはすべて社会人となったし,私と妻の父母はいずれも他界して既にいない。
市民会館は建て替えられて希望ホールとなり,妻の実家の真向かいにホールの正門ができてしまった。
てことで「別宅」の駐車場に車を入れてホールへ(徒歩20秒)

病気のせいで「全部聴くのは無理」と思っていたが,好奇心のおかげか合同演奏部分を除けば合唱はすべて聴くことができた。
(疲れたら,向かいの別宅でごろ寝していたが)

ホールに入りすぐ,ピアノの恩師であるTS先生と会う。
お元気なことを確認,私の病気には「必ず治るから」と励ましていただいた。
夫のTM先生は車いす生活ではあるが,日常的には元気にされている由。

すぐに挨拶を終えてホールに入り,演奏を聴く。

結論から言えば「若い世代が育っていない」と感じた。
酒田での合唱の実態は,中学校でこそ,その楽しさに全員が触れているかもしれないが,そこで燃え尽き?次の高校段階での活動が低レベルなのだろう。
一般合唱団への供給源である高校の活動が沈没しているので,年齢層は20年分がそのままスライドしているようにさえ思われた。

もうひとつの思いは「指導者レベルでの連携or切磋琢磨」が(あまり)されていないであろう,ということ。

今は合唱王国は福島(中心は郡山)だが,昔は山形西高校を筆頭に山形県も肩を並べていた。
ただ,見習うべき場所が隣の鶴岡にあるのは,心強いとは思う。
(長くなるので話題転換)

さて,個別の合唱レベルは...お祭りとはいえ賞を贈るとすれば,もちろん私の耳での判断だが以下のとおり。

■金賞...酒混響友会
 指揮者のIKさんの揺るぎない解釈と表現力は素晴らしかった。
 歌い手も,私の知ったメンバーが主力で,sopを中心に高田作品を歌いきっていた。
 伴奏は姉弟子?(生年は同じ)のKSさんだったが,彼女の音楽センスはさすがで,音大を出ていないのが今でも信じられない。
 客席で私も一緒に指揮をしながらbassを歌ったが,ほとんど解釈はピッタリ合っていた。
 終わると思わず「ブラーボゥ」と大声を出してしまった。
 (その後の団体には,他の人が意味なく「ブラボー」攻撃を連発していたが,私はこれ1回だけです,念のため)

 やはり良い団体の女声が,良い日本作品を,良い日本語でダイナミックに歌ってくれるのは全身にビリビリ響く。
 終わってしまうのがまことに惜しい演奏だった。

■銀賞...コールShion
 指揮者がやはりIKさんで,名前からすると酒田W高校のOG団体か?
 よくまとまっていて,良くも悪しくも,以前からの「お嬢様コーラス」をさらに練った感じ。

■銅賞...順不同で
・SAKATAローゼンコール
 作曲者の意図がわからないため「Kirie」と歌いつつロマンティックな仕上がりの1曲目にちょっと違和感。さらにハーモニー感も足りない。
 2曲目は,かなり良い仕上がりと言えた。
 1曲目でなかなか修正できないのはよくあるが,2曲目で修正できるあたりは,指揮者,歌い手ともに練れていると思う。
 特に指揮者は,女性にありがちな感情先行の「無駄振り」もなく,意図もわかって良かったように思う。指揮者としてはナンバー2の評価...髪をとめた装飾具がキラキラまぶしかったが。
 あと,伴奏はpでは出すぎ,fでは聞こえなかった。指揮者は遠慮すべきでないと感じる。

・コーロプリモ
 中高年なら誰でも知る加藤先生門下の由緒正しい団体。
 もちろん,彼女を尊敬する大先生(となった人)たちも歌っておられ,昔から期待しては..裏切られている。
 今回も最初はどうかな?と首をひねっていたものの,クライマックスではプロの先生方が遠慮なくだしておられて「辻褄の合った」銅賞でゴールした感じ。
 ただ,あの「振り」とピアノの関係が,よくわからなかった。

■賞外,評価保留など
・酒混
 sopを中心に女声が練れていない(20年前頃から)他団体からのスカウトもありか?
 県大会では金賞だったらしいので評価保留(当日に聞いただけでいえば賞外)
 ただ,嫁は「歌っていて楽しいのかな?」と名言を吐いていた,なるほど。

・酒田メンネルコール
 多田武の「雨」の評判を聞いていたため期待が大きかったが...
 あれだけまとまらない柳河を発表するのは如何か。
 冒頭の(音でいう)「もーおっしっもーおっしっ」で「あれ?」と思ったが,テンポも遅く,どういう解釈だったのだろう。
 2曲目は4文字で書くと空中分解?

 並びは2列でよし。それでも不安なら山台を使う義務もなし。
 勇気をもって途中で止めて音取り直し,再開するという勇気もたまには必要か。
 ちなみに私も酒田E高時代には振り直したことがある。

・Mコーラス(女声・匿名希望)
 一言,選曲の問題。実力に見合うものにしたい。
 もう少し声部が少ない,あるいは難易度の低い曲であれば,核となる人の使い方or動かし方で乗り切れるとは思う。

 参考まで,今年のNHK金賞だった宮崎学園高校は,課題曲の「青春譜」では普通の四部合唱だったが,自由曲の松下耕の「あい」では,一人を多パートで使うテクを駆使していた。
 (必要ならDVDダビングできます) 

・「まつばら」と「はまなす」の2団体
 指導者あるいは主要メンバーが知人である両団体。
 なかなか経験者も少ない中,独自に努力され発表されていたと思う。
 加えれば,どちらもbassが大変そうだったので「手伝いたい」などとも思ったが,指導者に口出ししてしまうのもどうかと思い,ヤメタ。


と,全て書いてからの感想。
「完治したら自分の団体を持ちたい」などとも思っていたが,プロでも難しいことは,なかなか大変なのだと再認識,でも,指揮者を長くやっていて,声も衰えているので,歌い手側にいるとフラストレーションのみが溜まるのも現実。

あと「賞外」に記載した団体関係者には失礼かもしれないが,やはりホールの現場に行く前に,いろいろと修正すべきことがあり,それでも失敗したら「四文字」になる前に手直しをすべきだと思う。
たぶん,それ以前に,いろいろと日々の練習での迷いが大きく,人の前に立つ苦労をされているものと推測する。

もし複数団体を抱えて困っている人がいれば,1つくらいは考えてもよいですが..もう少し私は自重すべきかな。
てことで,関連の話は,追々書きたいと思います。