紅梅に白梅、最乗寺の境内も梅の花の彩りで、すっかり春めいてきました。
その春めいてきた写真を撮りたいところですが…。
春に伴う花粉に襲われること必至なので、なかなか外に出る気になれず。
買出しなど、やむなく外出するときは、マスクにサングラスと不審な姿をさらしている今日この頃です。
さて、外に出られないなら、中の写真を撮ればいいということで、今回は本堂探検と参りましょう。
まずは下陣正面から。
続いて左右から。
下陣中央の天井から釣り下がっている金色の天蓋は、実は浄土真宗のお寺の様式には当てはまらないものです。
しかし、天蓋を寄進してくださった方のお心を大切に頂戴した前住職が、丁重に取り付けさせていただきました。
金色に耀く天蓋は、一見重いように見えますが、素材は木なので見た目ほど重くはないそうです。
さて、さらに近づきまして、内陣のお荘厳を。
中央に安置されているのは、阿弥陀如来。
そして、阿弥陀さまを安置するためにある、下の大型の台を【須弥壇】と言います。
これは古代インドで成立した仏教の世界観の中において、中央に高くそびえ立つ山【須弥山(しゅみせん)】に由来し、この上は仏の領域とされています。
ちなみに、仏教論書の『倶舎論』によれば、須弥山の高さは8万由旬(ゆじゅん)。
由旬とはサンスクリット語のヨージャナ(yojana)の音写語で、古代インドの長さの単位のこと。
しかし、古代インドでは明確な数値としての規定が統一されていませんでした。
なので、この由旬は、「牛に車を付けて1日ひかせる行程」、「人間の背丈の8000倍」、「牛の声が聞こえる最も遠い距離の8倍」などといった説明で表される長さとなります。
さて、一般的に仏教では1由旬が約7.2kmなので…約57.6万kmの山ということになりますね、はい。
須弥山の高さに驚くべきか、曖昧で面白いインドの単位に驚くべきか分からなくなったところで、今回はお開きです。
本堂探検、次回をお楽しみに。
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