自信の上には奢りがあり、謙遜の下には卑屈がある。
決して、自信に堕ちるな、謙遜に満ちるな。
先日亡くなられた大滝秀治さんの言葉です。
私が小さかった頃から、大滝さんは既に「おじいさん」でした。
当然若い頃もあったのでしょうが、想像が全くつかないほど、私にとっての大滝さんはおじいさんでした。
一番印象に残っている作品は、鬼平犯科帳の『大川の隠居』の回で演じた老盗賊。
大仰な捕物もないお話でしたが、一杯喰わされながらも、鬼平に捕縛ではなく粋な差配をさせる魅力的な老盗賊を、大滝さんはあの好々爺な笑顔で演じていたのを今でも覚えています。(20年ほど前のこと)
自信でもなく、奢りでもない。
謙遜でもなく、卑屈でもない。
それはきっと、謙虚に生きることではないかと思います。
そして、そのことを大滝さんは人生をもって示してくださったように感じました。
南無阿弥陀仏 合掌