週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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曖昧という美学

2011-08-26 00:09:13 | ひとりごと

毎日チェックしている「虚空山 彼岸寺」というHPに、こんな記事が更新されていました。

「曖昧さと明瞭」 (http://www.higan.net/navi/2011/08/post-766.html

踏み切りにある「エンストしたら このボタンを押してください」という表示に対しての認識の違いについてのお話です。
一人は「走ってくる電車に危険を知らせるボタン」と考え、もう一人は「エンストを直してくれる人が来てくれるボタン」と考えた、ということでした。

正解はもちろん前者の「危険を知らせるボタン」ですが、確かに「エンストしたら このボタンを押してください」という表示には曖昧さがあります。
押したらどうなるのか、その結果が書かれていないのですから。
けれど、「考えなくても分かるでしょ」という一般論をもって、この表示は簡潔に完結しています。

こういった「考えなくても分かるでしょ」という表示に、不親切さを感じる人もいることでしょう。
だからといって、その人が一般的な考え方をしていないというわけでもないはず・・・。

かくいう私も、「考えなくても分かるでしょ」という表示に対して、何も考えなかったために違う結論に至ったまま勘違いをしていたものが多々あります。

その一つがコレ→      高速道路の非常電話です。

高速道路での非常時に、この電話の受話器を上げると、直通で道路管理事務所に繋がるというものです。
しかし私は、この事実を教習所で初めて知りました。
それまでは、渋滞などで待ち合わせ時間に遅れるときなどの非常事態(笑)に、それを相手に伝えるために使える電話くらいのものとしか考えていなかったのです。(携帯電話の普及率が低かった時代の話なので)

この場合の私の認識が一般的かどうかは別ですが、それでも、人によって非常時の認識は異なりますし、この電話が直通電話であることは、知ろうとしなければ知りえないものでしょう。

「曖昧さ」と、それを「察する」のが日本人とも言われます。
だから、なんでも逐一説明していかなくてはならなくなれば、それはそれで窮屈な思いをすることになるかもしれません。

しかし、踏み切りのボタンも非常電話も、状況を考えれば大変に重要な局面に使うもの。

私のような勘違いをしている人がどれだけいるかは分かりませんが、もう少し世に広めていって欲しいなぁという思いを、自分の無知を棚に上げ、一般的な考え方にしようとしたりしているのですが・・・、やっぱり私が愚かなだけでしょうねぇ。