雨の土曜日。
九州神経放射線研究会に2度目の参加。前回は内野先生が来られていましたが、今回はsyngoくんの披露宴(おめでとう
)に参加されていたようで、お会いできませんでした。
今回も、自分のためのメモ程度のご報告です。ごめんなさい。膝の上に開いているのは、こちら。
1.遅刻のため途中から。
蝶形骨洞から海綿静脈洞に至る腫瘤性病変。T2WIにて低信号を呈する。
→アスペルギルス症
参考図書P460 T1WI,T2WIともに空気のようにみえるくらい低信号を呈している症例が掲載されています。
Tolosa-Hunt症候群との鑑別は困難な場合があるが、血管侵襲性の有無(アスペルギルス症に多い)が一助になるとのこと。
髄膜腫も鑑別となり、サイズが大きければこちらも内頚動脈の狭小化を来す場合があるとのこと。
治療方針に決定に重要なので、鑑別診断の中に加えておきたいです。
2.10代後半女性。 下肢の知覚異常に始まり、神経症状は亜急性に進行し歩行障害も出現。
胸椎MRI:前方より胸髄を後方へ圧排する辺縁平滑な腫瘤性病変。前方はCSF spaceがなく、硬膜外か硬膜内髄外かはやや判別困難。ただし、正中で胸椎椎体に浸潤する像がみられる。T1WIで低信号、T2WIで高信号。不均一な増強効果を呈する。
単純CT:石灰化あり。淡い斑状~結節状(だったと思います)
→Chondroma with degenerative change
腫瘤の石灰化は、軟骨腫瘍系に特徴的な石灰化のようにみえました。特にコメントにありませんでしたが、どうだったのかな。
鑑別はChordoma。名前も似てます。画像上の鑑別は困難なようです(石灰化の形態はどうなんだろう?)。
3.40代男性。意識障害。数ヶ月前から性格変化があったようである。
頭部CT:第Ⅲ脳室に石灰化を伴う分葉状腫瘤をみとめ、水頭症を来している。腫瘤はMomro孔を経て右側脳室内に進展している(腫瘤の主座は第Ⅲ脳室のよう)。
頭部MRI:上記腫瘤はT1WIで等信号、FLAIR像で淡い高信号を呈し、一部に嚢胞成分をみとめる。DWI&ADC mapsでは、ADCは皮質と同程度の値をとる。造影後はほとんど増強効果をみとめないが、嚢胞成分の周囲に一部増強効果あり。腫瘤に接する脳実質の信号変化はほとんどみられない。
→Ganglioneurocytoma
鑑別は、Central neurocytoma, subependymoma, meningioma, choroid plexus papillomaなどなど。脳室壁に付着する腫瘍が挙げられていたようです。第Ⅲ脳室に発生したGanglioneurocytomaについては J Neurooncol. 2004 Feb;66(3):341-4. をご参照下さい。
4.60歳代男性。数年の経過の左聴力低下、耳鳴(≠拍動性)。
側頭骨CT:頚静脈孔~内耳へ至る骨破壊性の腫瘤性病変。辺縁、内部に石灰化濃度を伴っている。
頭部MRI:腫瘤はT1WIにて、内部不均一な信号強度を呈し、高~等~低信号までみられる。T2WIでは全体的に高信号を呈している。造影後はT1WIで高信号を呈する部分を除き、増強効果をみとめる。
→Meningioma > Schwannoma という診断でした。
同部のMeniniomaは、側頭骨のくも膜顆粒が発生母地となるようです。
鑑別として挙がっていたのは、Endolymphatic sac tumorでした。こちらは残念ながら、手元に写真がなくfreeのPDFもみつけられず…参考図書にvon-Hippel-Lindau病に合併するとの記載があるのみでした。
今回はここまでとします(ちょうど半分を消化)。まだ、北部九州画像フォーラム頭頚部編の復習も残ってるのですが…
九州神経放射線研究会に2度目の参加。前回は内野先生が来られていましたが、今回はsyngoくんの披露宴(おめでとう

今回も、自分のためのメモ程度のご報告です。ごめんなさい。膝の上に開いているのは、こちら。
![]() | 新版 よくわかる脳MRI (『画像診断』別冊KEY BOOKシリーズ)青木 茂樹,井田 正博,大場 洋,相田 典子秀潤社このアイテムの詳細を見る |
1.遅刻のため途中から。
蝶形骨洞から海綿静脈洞に至る腫瘤性病変。T2WIにて低信号を呈する。
→アスペルギルス症
参考図書P460 T1WI,T2WIともに空気のようにみえるくらい低信号を呈している症例が掲載されています。
Tolosa-Hunt症候群との鑑別は困難な場合があるが、血管侵襲性の有無(アスペルギルス症に多い)が一助になるとのこと。
髄膜腫も鑑別となり、サイズが大きければこちらも内頚動脈の狭小化を来す場合があるとのこと。
治療方針に決定に重要なので、鑑別診断の中に加えておきたいです。
2.10代後半女性。 下肢の知覚異常に始まり、神経症状は亜急性に進行し歩行障害も出現。
胸椎MRI:前方より胸髄を後方へ圧排する辺縁平滑な腫瘤性病変。前方はCSF spaceがなく、硬膜外か硬膜内髄外かはやや判別困難。ただし、正中で胸椎椎体に浸潤する像がみられる。T1WIで低信号、T2WIで高信号。不均一な増強効果を呈する。
単純CT:石灰化あり。淡い斑状~結節状(だったと思います)
→Chondroma with degenerative change
腫瘤の石灰化は、軟骨腫瘍系に特徴的な石灰化のようにみえました。特にコメントにありませんでしたが、どうだったのかな。
鑑別はChordoma。名前も似てます。画像上の鑑別は困難なようです(石灰化の形態はどうなんだろう?)。
3.40代男性。意識障害。数ヶ月前から性格変化があったようである。
頭部CT:第Ⅲ脳室に石灰化を伴う分葉状腫瘤をみとめ、水頭症を来している。腫瘤はMomro孔を経て右側脳室内に進展している(腫瘤の主座は第Ⅲ脳室のよう)。
頭部MRI:上記腫瘤はT1WIで等信号、FLAIR像で淡い高信号を呈し、一部に嚢胞成分をみとめる。DWI&ADC mapsでは、ADCは皮質と同程度の値をとる。造影後はほとんど増強効果をみとめないが、嚢胞成分の周囲に一部増強効果あり。腫瘤に接する脳実質の信号変化はほとんどみられない。
→Ganglioneurocytoma
鑑別は、Central neurocytoma, subependymoma, meningioma, choroid plexus papillomaなどなど。脳室壁に付着する腫瘍が挙げられていたようです。第Ⅲ脳室に発生したGanglioneurocytomaについては J Neurooncol. 2004 Feb;66(3):341-4. をご参照下さい。
4.60歳代男性。数年の経過の左聴力低下、耳鳴(≠拍動性)。
側頭骨CT:頚静脈孔~内耳へ至る骨破壊性の腫瘤性病変。辺縁、内部に石灰化濃度を伴っている。
頭部MRI:腫瘤はT1WIにて、内部不均一な信号強度を呈し、高~等~低信号までみられる。T2WIでは全体的に高信号を呈している。造影後はT1WIで高信号を呈する部分を除き、増強効果をみとめる。
→Meningioma > Schwannoma という診断でした。
同部のMeniniomaは、側頭骨のくも膜顆粒が発生母地となるようです。
鑑別として挙がっていたのは、Endolymphatic sac tumorでした。こちらは残念ながら、手元に写真がなくfreeのPDFもみつけられず…参考図書にvon-Hippel-Lindau病に合併するとの記載があるのみでした。
今回はここまでとします(ちょうど半分を消化)。まだ、北部九州画像フォーラム頭頚部編の復習も残ってるのですが…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます